渡辺努のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
パンデミック後の世界的なインフレ発生の要因に関する著者の探求の過程がわかりやすく語られている。またそれを入口にして、物価に関して蓄積されてきた学問的な知見について紹介されている。金融政策において、需要過熱によるインフレには打つ手があるが、供給不全によるインフレやデフレにはほぼ打つ手がないこと。物価について考えるには、モノ・サービス・労働力(賃金)それぞれの需要と供給について見ていく必要があること。近年、インフレの行方を左右するのは、その時代および社会において支配的な「インフレ予想」がどのようなものであるかということ。日本では、失われた30年の間「インフレ予想」とそれが「自己実現」した結果として
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Posted by ブクログ
分かりやすい本、という感想を見たのだけれど、前提知識がなさすぎる自分には、正直難しかった。
日本のゆるやかなデフレの話は、実感もあって面白かったかも。
→デフレが定着すると、少しの値上げでも顧客が逃げてしまうのではと企業は恐れ、原価が上昇しても価格に転嫁できない状況。企業は前に進む力を失い、行き着く先はコストカット、後ろ向きの経営。
新商品(世代交代)の値戻し、ステルス値上げといった変則的な値上げが生まれている。
この本が書かれたのが2022年で、今は、その時よりは値上げが行われているような気もするけれど、今はインフレなのだろうか。
物価の動きには、人々の予測とノルムが関係してくるという -
Posted by ブクログ
面白いと世評高い本。物価という難問を数式なしにわかりやすい説明に努めていることに感心した。
食料品の物価については貨幣の登場とともに政権の問題になってきたが、こんなにわかっていないことなのかと驚いた。
一言で言えば、みんなが上がると思うから上がる、上がらないと思えば上がらないという言葉に言い尽くされるのか。
そのために、中央銀行のメッセージなど苦心惨憺していることはわかるが、日銀のインフレターゲットは、そんなはずないよねと全く相手にされていないように思える。
それならば戦中にやったように、政府が直接物価に介入した方が効果的ではないか?
わからなかったのは、貨幣流通量や輸入品の値上がりなどの経済 -
Posted by ブクログ
渡辺先生か常々話されていた「労働供給減少によるインフレ」が、日銀副総裁の「this time is different」に繋がり、利上げに踏み切ったと認識。
日本のデフレのキーワードは、30年続いた「自粛」
ノルムは渡辺先生が、海外の友人向けに使った方便。価格と賃金の据え置きは日本の社会的な規範(ノルム)。企業も労働組合もその規範に従って行動する。
日本人には超リカーディアンが多すぎる!
減税しても、将来の増税を見越して貯蓄に回してしまう。
名目賃金に下方硬直性があるので、目標インフレ率は正の値になる。2%は「置き」の問題。本来は4%くらいで良いと考えている。 -
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昨年読んだ本だが、今年の夏祭りでフランクフルトが800円に値上げされている!と話題になっていたので再読してみた。
著者は、日経・経済図書文化賞を受賞した前作『物価とは何か』で、専門的な物価分析を鮮やかに書いた東大の経済学部教授である。
日本で物価上昇を実感し出した2022年は、ちょうどロシアのウクライナ侵攻の時期も相まって、戦争をインフレ原因とする見方が一般的だった。
しかし、欧州のインフレがじわじわ始まり出したのは2021年である。本書では戦争以外の何らかの原因を突き詰めて考察する。
前半は、米国中央銀行(FED/FRB)にとって、金融政策の検討のもっとも頼りにしているフィリップス曲 -
Posted by ブクログ
コロナ後に起きたインフレの原因は何か?を論じた本。
インフレは需要が供給を上回った時に発生する。コロナ後のインフレは、労働者が職場に戻らず供給が減ったことが原因と推察している。
インフレを含めた物価の安定は中央銀行が金利操作で行っているが、これは需要調整に有効だが供給能力には影響しない。そのため足元実施している金利上昇は、コロナで減ってしまった供給力まで需要を減らす縮小均衡によってインフレ解消を目指す動きとのこと。これは景気後退につながる。しかし他に手段がないため止むを得ず実施しているとのこと。
景気後退が見込まれるなら、手持ちの株は売ってしまった方が良いのかな?と思いました。 -
Posted by ブクログ
『物価とは何か』の著者による。二冊読めば更に理解が深まる。タイミング的にコロナ禍の終盤の出版であり、コロナ禍の経済影響についての考察はリアリティがあって分かりやすい反面、若干の古さが惜しい。それがあっても尚、有益な本だ。
アメリカではパンデミック初期の景気悪化によりレイオフが急増したが、経済再開が進むうちに次第に求人は回復していた。それにもかかわらず労働者が現場に戻ってこなかった。理由は、母国に帰った移民や退職を早めた老人など。こうした自発的離職の増大は人手不足を齎した。これがパンデミック2年目にアメリカにインフレを引き起こした原因だと著者は解説する。
インフレ率と失業率の相関を示すフィリ