渡辺努のレビュー一覧
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ネタバレ物価は、蚊ばしらである。世の中に何十万と存在する個別の商品それぞれが、一匹一匹の蚊に相当する。インフレを起こす仕組みとして、まず物価がX%の率で上がると皆が予想し、その予想を踏まえて企業や店舗が値札を書き換える、その結果実際にその率Xで物価が上がる、というメカニズムが考えられる。国民に働きかける中央銀行の行為の98%はトークである。人々の予測に働きかけるわけである。貨幣量を増やすと一時的に失業率は減少するが、しばらくすると貨幣量の増加をインフレ予想に織り込むことが完了し、失業率の押し下げ効果がなくなり、失業率は元の水準にもどる。
日本は物価が上がらない状態がかれこれ30年続いている。人々のイン -
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人生の大半を「失われた30年」と言われるデフレ社会(ノルム)の中で生きてきて、価格は据え置かれることが当たり前という肌感覚が染み付いていた。
コロナ禍やウクライナ侵攻等の劇薬の副作用なのか。消費者・労働者・企業・政府・日銀等、各プレーヤーのマインドが変化し、「正常」な「賃金・物価スパイラル」がとうとう起動し、インフレが到来しようとしている。日銀による数多の異形の金融政策(バズーカ砲)をもってしてもことごとく空砲に終わっていたのに。
現在(2024.12.31時点)日本社会に起きていることは、途轍もなく劇的な変化だと感じる。
アタマと心に染み付いたデフレマインドをリセットし、緩やかなインフレ -
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2016年以降の国債の実質価格の急上昇がデフレ脱却できなかった大きな理由の一つ。
なぜ国債価格の急上昇が起こったのか。
①物価の上昇が止まってしまったため。
②国債の名目価格が上昇したため。
なぜこの二つが起きたのか
2016年はマイナス金利政策を始めた。
国債金利がマイナスになるということは、政府に利得が発生し、その利得によって財政収支が改善することで国債の魅力が高まる。
その結果、国債から商品への需要シフトがとまり、資金が再び国債へと向かうようになったため、国債実質価格が急上昇した。
ではどうすればよかったのか。
シムズいわく日銀のマイナス金利は間違っていない。
マイナス金利によって発生す -
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2023/04/24 読み終わった
ゆる言語学ラジオで紹介されていたので。
タイトルからがっぷり四つの迫力ある本だけど、中身はもっと骨太だった。高校程度の経済知識しか持っていなかった自分には目からウロコだった。
中でも一番面白かったのは、中央銀行総裁は嘘つきが一番いいというくだり。
情報公開なんてしたらしただけいいだろうと思っていたが、昔の中央銀行はそうではなかったということや、現在中央銀行が情報公開を積極的に行っている理由が単に公平性の観点ではないということ、この辺りが心に残った。
きちんと読み込まないと理解が追いつかない部分もあった。何度も読んで理解したい。 -
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ネタバレ価格の硬直性についての理論的説明が繰り広げられた。メニューコストなのか、情報の制約なのか、、そしてしまいに出てくる日本の価格を上げられない消費者の厳しい目線というカルチャー的なもの。他の会社の価格に共鳴的に営業を及ぼすような価格支配力も失われ、、日本人は必死にコスト削減に命を燃やす、、その時間、付加価値付与に当てればいいのに!!すごく残念な気持ちになったけど、読み応え抜群です。
日本は新しい商品のうみかえで価格を上げている。そうでもしないと消費者の目が厳しい日本!ひいては儲けは賃金にもつながるのに、、。
フィリップス曲線についても教科書を超えた考察で、また勉強を重ねたら振り返って読みたい。 -
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個人的に今まで読んだ学術書の中で1位。
歴史、経済、金融、心理学など興味あるものはかじってきた人ですが、物価という身近すぎて気にしたことがなかったのですごく面白かったです。
今日本に住んでいて、デフレと言われてはいるものの、個人の体感としては物価は上がっていると感じていました。
じゃあそのデフレって何?巷の物価上昇は何?と考えるきっかけになりました。
特に興味深かったのは、インフレ率は人々のインフレ予測によるということ。
みんながデフレになると思えば、そうなるし、インフレになると思えばそうなる。
だったら中央銀行はどうするのか。影響力を持ちたいと思いつつ、持たない方がいい。
そんな矛盾 -
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ずっと積読リストに入れていたのだけれど、もっと早く読めばよかった、と後悔するほど面白い本でした!
本書を読むまでは、ロシア侵攻のせいで世界中がインフレになり、日本は円安の影響でそれが特に増幅されている、と思っていました。
が、そうではありませんでした。本書は過去の社会現象を振り返りながら、著者が現在の考えに至るまでの思考の軌跡を追う形で、素人にも理解が及ぶよう、世界インフレについて分かり易く丁寧に解説した本です。
経済学の勉強をしたことのない私にも感動的に分かり易くて、皆におススメしたいです。。
今回の世界インフレは、コロナの出現そのものではなく、その出現によって、人類が社会的、経済的な行 -
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ネタバレ# 政府・日銀・民草の我々がどのようにマクロ経済を作り出しているか、学べる一冊
## 面白かったところ
- 「物価は地震に似ている」という破天荒な発見と、その裏打ちされた説得
- 財務省や日本銀行が行っているオペレーションの目的が改めて知れる点
## 微妙だったところ
特になし
## 感想
個人的に2022年に読んだ本の中で最も驚きが多かった一冊。読みやすくて面白かった。
「地震と物価のグラフや性質が似ている」なんて突拍子もないアイデアがまず面白い。
地震は頻度・規模が記録され、物価は価格更新が行われた回数(頻度)・価格変動の幅(規模)が記録される。地震は本震から時間が経つにつ -
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今読むべき良書。わかりやすく、新書ながら学びも多い。
パンデミックによる消費者・労働者・企業の3つの行動変容が世界インフレの原因という解明が前半。
後半はデフレの続く日本経済の現状と処方。デフレ脱却は、消費者の物価上昇予想と労働者の賃上げがポイントと説く。安倍政権のトリクルダウン理論への言及もわかりやすい。(賃金解凍スパイラルの回転方向が逆だったので、デフレ脱却のスパイラルが起きなかった)
この本の出た2022/10時点では物価上昇の気配は出始めたが、賃上げ動向は不明だった。2023春は物価上昇は大勢となり、春闘も賃上げの流れとなり、著者の説だと日本もついにデフレ脱却へのスパイラルが始まるは -
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◯巨額の債務があるにもかかわらず、貨幣の魅力が決済サービスのみに由来するという伝統的な考え方に固執しているという点で、日本とブラジルは同じ間違いを犯している(34p)
◯Xが低すぎる場合には、臨界点を超えると対応不能であり、その予想を潰せません。この意味で、中央銀行が物価をコントロールする能力は、インフレとデフレで非対称なのです。(112p)
◯価格据え置きの常態化は、現場の技術者から前向きな商品開発に取り組む機会を奪うというかたちで、社会に歪みを生んでいるのです。(283p)
◯緩やかな物価下落は、日本企業から価格支配力を着実に奪っていくこととなりました。(287p)
★語り口が丁寧 -
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出版直後に入手していたものの一字一句理解しようと読んでは戻り読んでは戻りしてようやく読み終わった。
これまで読んだ経済関連の本で一番と言っても良いのではないだろうか。経済学は社会科学の女王と称されるだけあって研究者も高尚で高貴というのが否めないが、筆者は研究のレベルの高さとは逆な意味での庶民視点が感じられる。(しかし本当の意味で庶民ではないのは明らかだが)一時、次期日銀総裁候補として名前が挙がることもあったがそれも非現実的であったのだろう。正統派としてど真ん中、正論で生きるのではなく、少し皮肉や少数派論を込めて斜めから見る態度は主役ではなくブレインが似合う。とは言え、現実の正統派はこういった亜