【感想・ネタバレ】物価とは何かのレビュー

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Posted by ブクログ

2023/4/24 読み終わった
ゆる言語学ラジオで紹介されていたので。

タイトルからがっぷり四つの迫力ある本だけど、中身はもっと骨太だった。高校程度の経済知識しか持っていなかった自分には目からウロコだった。

中でも一番面白かったのは、中央銀行総裁は嘘つきが一番いいというくだり。

情報公開なんてしたらしただけいいだろうと思っていたが、昔の中央銀行はそうではなかったということや、現在中央銀行が情報公開を積極的に行っている理由が単に公平性の観点ではないということ、この辺りが心に残った。

きちんと読み込まないと理解が追いつかない部分もあった。何度も読んで理解したい。

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2024年06月07日

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ネタバレ

価格の硬直性についての理論的説明が繰り広げられた。メニューコストなのか、情報の制約なのか、、そしてしまいに出てくる日本の価格を上げられない消費者の厳しい目線というカルチャー的なもの。他の会社の価格に共鳴的に営業を及ぼすような価格支配力も失われ、、日本人は必死にコスト削減に命を燃やす、、その時間、付加価値付与に当てればいいのに!!すごく残念な気持ちになったけど、読み応え抜群です。
日本は新しい商品のうみかえで価格を上げている。そうでもしないと消費者の目が厳しい日本!ひいては儲けは賃金にもつながるのに、、。
フィリップス曲線についても教科書を超えた考察で、また勉強を重ねたら振り返って読みたい。

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2024年04月02日

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日銀から東京大学教授を経験された著者が物価とは何か?を数式なしで分かりやすくまとめてくれている本著。マクロとミクロで考える思考が非常に参考になった。

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2024年01月04日

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ゆる言語学ラジオでおすすめされていたので購入。物価について、経済学の研究者である著者が一般向けに書いています。価格の硬直性、デフレの原因など、過去に実際に起きた現象、とくに直近の日本のデフレをテーマにその原理となる仮説がわかりやすかったです。人々の予想によって物価が決まっていて、それに働きかけることが物価安定の取り組みであることなど、いままで何もわかっていなかったことが素人レベルでなるほどと思えて、最後まで楽しく読めました。

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2023年12月10日

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個人的に今まで読んだ学術書の中で1位。

歴史、経済、金融、心理学など興味あるものはかじってきた人ですが、物価という身近すぎて気にしたことがなかったのですごく面白かったです。

今日本に住んでいて、デフレと言われてはいるものの、個人の体感としては物価は上がっていると感じていました。
じゃあそのデフレって何?巷の物価上昇は何?と考えるきっかけになりました。

特に興味深かったのは、インフレ率は人々のインフレ予測によるということ。
みんながデフレになると思えば、そうなるし、インフレになると思えばそうなる。

だったら中央銀行はどうするのか。影響力を持ちたいと思いつつ、持たない方がいい。
そんな矛盾することが今世界で起こっている。

それに加えて、バブル期に物価が上がっていないこと、ハイパーインフレも住んでる人からしたら大きな影響がないことはびっくりしました。

本当に物価って面白いんだなと思えます。

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2023年11月22日

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ネタバレ

# 政府・日銀・民草の我々がどのようにマクロ経済を作り出しているか、学べる一冊

## 面白かったところ

- 「物価は地震に似ている」という破天荒な発見と、その裏打ちされた説得
- 財務省や日本銀行が行っているオペレーションの目的が改めて知れる点

## 微妙だったところ

特になし

## 感想

個人的に2022年に読んだ本の中で最も驚きが多かった一冊。読みやすくて面白かった。

「地震と物価のグラフや性質が似ている」なんて突拍子もないアイデアがまず面白い。

地震は頻度・規模が記録され、物価は価格更新が行われた回数(頻度)・価格変動の幅(規模)が記録される。地震は本震から時間が経つにつれて余震の感覚が開き、物価も新品として市場にが出た時からは頻繁に価格が上がったり下がったりする。

地震と言ったらあまりいいイメージではないが、急に、大きく崩してはいけない物価を見る新たな物差しとして使われることになるとは想定外である。

メニューコスト仮説により、まるで談合されたかのように市場価格が動かないことや、弁当の嵩増しから見るインフレなど、割と身の回りのトピックもソフトに取り上げている点も、読んでいて好感を抱いた点のひとつである。

また著者の別の本も読みたい。

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2023年10月14日

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◯巨額の債務があるにもかかわらず、貨幣の魅力が決済サービスのみに由来するという伝統的な考え方に固執しているという点で、日本とブラジルは同じ間違いを犯している(34p)

◯Xが低すぎる場合には、臨界点を超えると対応不能であり、その予想を潰せません。この意味で、中央銀行が物価をコントロールする能力は、インフレとデフレで非対称なのです。(112p)

◯価格据え置きの常態化は、現場の技術者から前向きな商品開発に取り組む機会を奪うというかたちで、社会に歪みを生んでいるのです。(283p)

◯緩やかな物価下落は、日本企業から価格支配力を着実に奪っていくこととなりました。(287p)

★語り口が丁寧で、講義を聞いているようだった。

★社会の変化に合わせて、現在進行形で変化している学問だと感じた。(多くの最先端の学問がそうかもしれない)

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2023年05月07日

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名著。筆者は研究者であるが物価理論という雲を掴むような理論を素人にも分かりやすくアウトプットする能力に著しく長けている。ページを読み進めるごとに目から鱗が落ちる感覚を味わった。また、コロナでインフレが起こることを予言する先見の明からも分かる通り研究者としての知見見識も目を見張るものがある。
堅苦しいと思われがちな種々の理論を分かりやすく噛み砕いて説明し、ステルス値上げや鳥貴族の値上げ挑戦といった身近な話題も絡めながら物価を取り巻く理論構造をわかりやすく説く。物価の謎を研究し解き明かすことは楽しいことだと思わせてくれた。

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2023年05月05日

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経済学の学説と学説のつながり、歴史、関連する事項などが、頭の中でピタッとはまる感覚。
ページをめくる度に目から鱗が落ちてきた。
素晴らしい名著。

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2023年04月12日

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出版直後に入手していたものの一字一句理解しようと読んでは戻り読んでは戻りしてようやく読み終わった。
これまで読んだ経済関連の本で一番と言っても良いのではないだろうか。経済学は社会科学の女王と称されるだけあって研究者も高尚で高貴というのが否めないが、筆者は研究のレベルの高さとは逆な意味での庶民視点が感じられる。(しかし本当の意味で庶民ではないのは明らかだが)一時、次期日銀総裁候補として名前が挙がることもあったがそれも非現実的であったのだろう。正統派としてど真ん中、正論で生きるのではなく、少し皮肉や少数派論を込めて斜めから見る態度は主役ではなくブレインが似合う。とは言え、現実の正統派はこういった亜流をうまく使いこなせず疎んでしまい、結局味方につけることができず損をすることが多い。研究者としてのレベルはあまりにかけ離れてはいるが、何やら世の中を斜めから見つつ我が道を行くところはまるで自分の様だ。
物価、それは近く遠く、裏であり表であり、どうでも良いことで重要なことであり、抽象的であり具体的なことであり、小さく大きな課題なのだろう。

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2023年03月26日

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日本はデフレ脱却を目指し苦しんでいた。昨今は物価が上がりインフレ基調にある。デフレに慣れてしまき価格硬直性のため反発が大きいが、長い目で見るとこのインフレは必然なのかもしれない。今のところ急激といえるほどのインフレではないけど、日銀や政府は対策を迫られている。これも今までのデフレの影響が大きいのかもしれない。分かっていたつもりのインフレについて再認識できたと思う。

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2023年02月26日

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経済について勉強したいと思い、経済の本を読もうと挑戦してきたが、何度も挫折しできた。しかしこの本は最後まで読むことができた。

物価について、蚊柱に例えて説明していたのが大変わかりやすかった。(著者のアイデアではないそうだが)一匹一匹の蚊が個々の値段を表しており、それぞれの上下運動が価格の変動だ。個々の変動は激しく、しかし全体としては安定している状態が理想だという。

中央銀行の働きもわかりやすく書かれていた。我々は日銀が何を狙ってどうしているのか、もっと興味を持たないといけないという感想を持ったが、国民が中央銀行のことに興味を持たず、それぞれ自分のことをやっている状態が理想なんだという説も紹介されており、こちらも興味深かった。

インフレ、デフレ時のお金の動きがよく整理できた。

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2023年01月16日

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2021年の本なのでコロナ禍を踏まえた比較的新しい現状についての記述されているか、2022年に始まったインフレについての記述はない。エネルギー問題、コロナによるサプライチェーン縮小、需要増大が原因とされているが著者の見解を聞きたい。
本の内容は、物価を決めるのは人々の予想であり、人々の予想をどうコントロールしていくかを考察している。

○考えたこと1
・インフレ抑制するために日銀総裁はタカ派が望ましい。
・人々が日銀総裁の名前を答えられなければ、その時が物価安定。
↑人々の予想と対峙する日銀総裁は「三体」の黒暗森林理論の執剣者に似てる

○考えたこと2
「価格の硬直性」を無視して賃金や家賃、物価が自由に決められる共産主義は理論上は最強。

○面白かったところ
「ある人のインフレ予想は、その人がこれまで人生で経験してきたインフレに左右される」仮説

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2023年01月15日

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物価の考え方をわかりやすく解説
日本は緩やかなデフレのため価格上昇への拒否反応が強く新商品の発売か減量で対応するケースが多い。

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2022年12月27日

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物価に関する理論や実証分析の結果について、わかりやすく、面白くまとめられた本。
経済学の素養がなくても読みやすいだろうと思った。

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2022年12月27日

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元日銀マンの大学教授が物価とは何なのか詳しく教えてくれる。

「ゆる言語学ラジオ」で薦められていた。物価指数にも色々あるとか知らないことだらけ。前半は分かりやすかったんだけど、後半は難しくなった。

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2024年03月27日

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良本、インフレやデフレといった概念をさらに細かく分解して説明していたりする。

難しい数式はなく、一般人にわかりやすい説明。

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2024年03月02日

Posted by ブクログ

大学で経済学を学んでいた頃は、理論はそうかもしれないが実態はね、と違和感を感じていた。
その後、モデルの改善は続いて、かなりわかってきた部分があるようで、納得のいく部分が増えたかなと感じる。
日本人の値上げ値下げに対する態度が非常に値上げに対して非常に厳しいと知り、ダウンサイジングは個人的には気に入らないが、企業の戦略としては巧妙だったんだと納得。
黒田バズーカも単なるバカ騒ぎではなく、経済理論に即した対応だったことを理解できた。
このところ賃上げが進んでいるが、これが継続するのか、大きな経済的なショックが起きないことを願う。

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2024年02月08日

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久しぶりに重厚な経済理論本を読んだ感あり。
コロナの環境を読み解く嗅覚というか考察力は感服です。
言われてみりゃそうだなと思わせる力がある本は良い本かと。

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2023年12月27日

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正直積極的に読みたくなるようなタイトルと装丁ではないですが、蓋を開けてみると、物価について、とてもわかりやすく噛み砕いて書いてあり、浅学非才の私でも楽しく読むことができました。

中でも特に印象的だったのは関心の総量について。私は、何かを判断するときに、時間や労力といった項目をとても重視するのですが、その考え方について、完璧に文章化されていました。これは単なる自分の行動指針と思っていましたが、確かに物価の話に通ずるし、非常に腑に落ちたところでした。

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私たちがもっている関心の総量には限りがあり、ある事柄について情報を取得し咀嚼するには、限りある資源である関心をその事柄のために割かなければなりません。総量の天井がある以上、何かに関心を割けば、その分だけ別の事柄に割く関心が少なくなります。これがサイモンの言いたかったことの核心です。
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2023年12月26日

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ネタバレ

物価とは人々の予想で決まる
価格硬直性がキーワード。日本は価格据え置きがスタンダードになっている。インフレに向かいづらい、
グリーンスパンによる物価安定の定義、経済主体が意思決定をおこなうにあたり、将来の物価水準の変動を気にしなくて良い状態
経済学の知識を蓄えたりすることがこの本の趣旨ではなく、読んで直感を得ることと書いてあるのが印象的だった。

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2023年06月29日

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著者がこの本の一年後に書いた本「世界インフレの謎」を先に読み、今この本に追いついた。先日受けたセミナーで、参考書の1つとして取り上げられていた。物価だけではなく経済学全体について理解を深められる本。世界インフレの謎に比べるとぐっと難し目の記述だけれど、学者が一般人の目線に頑張って合わせて書いてくれているのがよく分かる。物価の蚊柱理論は目からウロコ。

知性が集める経済学界も、まだ理解しきれていない問題がふんだんにあり、中央銀行含めトライアンドエラーを継続している状態。例えば、中央銀行が政策内容をオープンにして市場と積極的にコミュニケーション始めたのは1990年代からとごく最近。それ以前は何を考えているのか、その行動から推し量るしかなかった。そして、最終的には中央銀行の動向に対して世間が無関心になっても経済がきれいに回るのが理想的なのだと。とすれば、今はまだまだか。

東大発ベンチャーとして物価情報を市場提供しているナウキャスト社は、有望な投資先として親会社Finatext HDを見ていた。何処かで聞いた話だなと思って四季報見たら渡辺先生の名前が出ていてなるほど。世の中は面白い。

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2023年06月15日

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まさに「物価とは何か」に対して、日銀、大学教授、民間企業でのエコノミスト等のキャリアをバックに解説。
経済の勉強などしたことがない自分にとっては、難しくついて行けない部分があったにせよ、物価変動のメカニズム、インフレとデフレはどちらが厄介な問題か、日本の長過ぎるデフレの原因や特徴、そしてどんな解決策が考えられるか等、とても勉強になった。

以下はなるほどと思った一部。
個々の商品の価格の変動は、物価の動きとは別物で、インフレ・デフレは個々の商品の値段が上がったり下がったりするから起こる、というものではない。
物価の動きを決めているのは、貨幣への需要と、その背後にある貨幣の魅力。だから、なぜインフレなのか、なぜデフレが起こるのかという問いに答えるには、貨幣の需要が増えたり減ったりする仕組みを理解しなくてはならない。
そのとき重要なポイントになるのは、貨幣に対する需要は、今日の貨幣の魅力だけでなく、明日の魅力にも依存するということ。
例えば、明日貨幣が増発され貨幣の魅力が大きく減ることがわかっていれば、今日の魅力がいくら大きくても、今日、貨幣を持とうという気にはならない。結果、今日の貨幣需要が減り物価が上昇する。その反対に、今日の貨幣が増加したとしても、それが一過性で、明日には元の水準に戻るとわかっていれば、貨幣の魅力も需要も減らず、物価も変わらない。だから人々の関心も貨幣の魅力が「今日」どうなっているかでほなく、未来にどうなるかに注がれる。

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2023年04月27日

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経済学のド素人の私でも理解しやすい様に、例や図表を使用して詳細に説明してくれるので、置いてけぼりにならずに物価というものが何かを理解できるようになっている。素人にこそおすすめの一冊。
物価とか経済って数字を扱うので、もっと合理的な世界なのかと思ったけど、人間の行動心理や深層心理に影響されて変化していくのだと知って、更に面白さを感じた。

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2023年04月02日

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経済学の難しさと面白さがそのまま詰まった本。
学生の頃、授業で感じた違和感が何か気づせてくれた。
ただ、物価をちゃんと理解するの大変。この本を何度も読み直す必要あるなぁ。
経済学を学ぶなら軸は、この本でいいと思う。

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2023年02月04日

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ネタバレ

「景気は気から」を改めて痛感。
デフレとインフレとは何か、物価高騰の「物価」とは何か、その出口はどこなのかを考えさせられる。
貨幣量が物価を決めるという理論に基づきつつ、では貨幣量はどう変化するのかを理解しなければならない。
中央銀行の取り組みに興味がない状態を物価安定とする論があったが、それはそれでどうなのか?ある意味で今は、私を含めた国民の無関心と無知が引き起こした状況でもある。やっぱり勉強はしないよりかはしたほうが良いのではないか。

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2023年01月05日

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物価研究の第一人者が、物価のエッセンスを紹介したもの。一般向けではあるが、経済の教科書にまだ載っていない最新の知見に基づく話も多くとても面白い。
特に後半の日本の物価が上がりにくい要因に関する部分は秀逸。経済主体間の相互作用や屈折需要曲線を紹介しており、興味深い。価格が上げられない結果、コストカットや内容量の削減、商品の多頻度改定といった企業努力が後ろ向きな方向に向かう弊害が生じていると指摘した部分は納得させられた。

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2022年12月18日

Posted by ブクログ

経済に疎すぎる、残念な大人です。インフレと失業率に関係があることすら知りませんでした。
かなりわかりやすく書いてある本だと思いますが、金利についての知識がない上に数字の話が苦手なため、前半の理論部分は正直辛かったです。
しかし後半は、ステルス値上げなど消費者として聞いたことのあるワードや、身近な物価の話で、なるほどと思うことも多かったです。
講談社現代新書の同著書の本を、読んでみようと思います。

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2024年01月19日

Posted by ブクログ

経済学の本を読んで面白いと思ったのは初めてかもしれない。興味を引く実例を示しながら基礎的なことがていねいに語られている。

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2023年07月28日

Posted by ブクログ

かなり簡単に、誰でも理解できるように書いてくれていると思うしなるほど、と思う部分も多いのだが、まだ骨肉に染み付いていないというか、腹落ちた出来てない部分もある。手元に置いて、何度か読む必要がありそう。

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2023年05月27日

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