富田彬のレビュー一覧
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ネタバレエリザベスの生き方から、どんなときも自分に正直に、誠実に生きること、どんな相手にも誠意を持って向き合うこと、時に自分の間違いを認めることがあっても、それに対して悲観しすぎずに、今この時、これからをどうしていくのかに意識を集中させることを学ぶことができた。
舞台は1800年頃のイギリスに住む、とある家族の日常を描いた物語。スマホなんてもちろんないのだから、情報交換の手段は人々のおしゃべりと手紙。その語りの詳細さといったら、現代人が写真や動画にヤバイの一言で片付けてしまう内容を、これでもかというくらいの長文で説明してくる。その饒舌さが前回読んだ時にはどうにも蛇足に感じてしまい挫折してしまったのだ -
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ネタバレ下巻に入るとぐっと萌えどころが増える!
とりわけペムバリーでダーシーとエリザベスがばったり出会してお互い赤面するシーンはきゅんきゅんしちゃった。楽しい〜。ラブロマンス楽しい〜。
ダーシーがあまりにも身を粉にしてベネット家つまりエリザベスのために親切なものだから、そんなに尽くして大丈夫!?とかえってハラハラしちゃった。
身分差のある結婚についての是非というより、こんな狂人めいた家族と身内になるのは古今東西問わずイヤよね…と思っちゃったり。それでもぐっとこらえてエリザベスを選んでくれてありがとうの気持ち。
ずっと名前は知ってる名作だったけど、私にとって読むタイミングも良かったかも。
高慢くんと偏 -
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ダーシーに起こった変化は、「注文を寿司屋の大将に拒否されて驚いた資本主義信奉者の客が、書いての高慢を捨て、売り手との共創について考える」という類のもので、非常に普遍的なパラダイムチェンジといってよいものである。一方エリザベスに起こった変化は、アドホックに一人の人間に対する一つの偏見を解消するもので、彼女は「私偏見いだきがち〜今後の人生では第一印象で判断しないように気をつけよう〜♪」くらいの示唆しか得ないだろう。ここに高慢&偏見と双頭のテーマとなるには些かアンバランスさを感じた。強いて注文をつけるなら、であるが。
手垢のついた解釈だが、結婚やシンデレラ願望が、資本主義闘争的な面を、これは現代に -
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古典恋愛文学!
お互いが気にしているうちに好きになっていく様子がとてもかわいい。
再度ダーシー氏が現れてからの、互いに様子を伺っている状態も、ふたりがうまくいってどんどん仲良くなっていく様子も、どきどきしながら見守った。台詞の遠回しすぎるくらいの言葉の選び方は、恐らくもっと意訳してもよかった部分であり、賛否両論ありそうだが、溢れる想いを押しとどめながら言葉を選びえらび伝えたいという気持ちが表現されているようにも感じられて、盛り上がった。
ジェーンとビングリー氏は他人の意見に左右されすぎ。それだけ互いに気を遣ってしまう優しいふたりだということなのでしょう。
21歳の処女作だということにびっくり -
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数年に一度のペースで読み返している小説。
18世紀イギリスの中産階級家庭を舞台にした古典文学、といっても全く堅苦しいものではありません。好奇心旺盛で知的、活発な主人公エリザベスと、聡明で思いやり深い姉ジェーンが結婚に至るまでの過程をユーモラスに、ある意味下世話な目線で描いています。主題は「結婚」ですが、高尚な哲学とか苦悩とかドラマチックさなどとはまったく無縁。結婚には家同士の格や財産などの条件が最重要事項であり、登場人物たちは当然のこととして、恋愛感情と同時にそういった条件部分を判断していきます。
登場人物それぞれが長所も短所も持ち合わせており、例えばエリザベスには第一印象だけで相手を評価 -
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1813年に出版されたが、執筆されたのは1796年、作者が21歳の頃だったようだ。
この作品はずっと昔どこかで読んだ記憶があるのだが、昨年『マンスフィールド・パーク』を読んでとても面白かったので、再読したのである。
ジェーン・オースティンは彼女自身が育った環境、イギリスの田舎に住む「中の上」くらいの階級の、平凡な家庭生活の日常ばかりを書いたのだが、人間観察・描写が優れているため、このような凡庸な生活風景が面白い小説として結晶した。
現在我々が彼女の小説を読む際の面白さは、人間描写の他に、「当時のイギリスの社交界ではどうしてこんな変なマナーに全員縛られていたのだろう?」といった、人類学的