山本博のレビュー一覧

  • ワインが語るフランスの歴史

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    フランスの歴史とそれにちなんだワインの紹介をしている一冊。ある程度のフランス史の知識とワインの知識が必要だが、知っていればこれほど有機的にふたつが結びつけられる本は無い。

    石器時代からフィロキセラまでの歴史。間にはカール大帝のエピソードやドンペリニヨンのエピソードといった有名なものから、アヴィニョンの幽囚なナポレオンにちなんだものもある。1つ1つのエピソードは10ページ程度でそれが36エピソード入っているので読み応えも十分にある。

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    2012年07月07日
  • 閉じられた棺

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    クリスティへのオマージュに満ちた作品。もちろん探偵は、ポアロ。ある日突然自分の遺産を、自分の息子たちではなく、病気で余命の短い秘書に相続させるという老婦人。その意図は何なのか?というのが、最初の方の謎。しかし、その後、被害者に意外な事実が発見されて、そこから見え方がガラッと変わる作品でした。最後の終わり方は、いかにもクリスティなら、こうするのだろうなという終わり方でした。

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    2023年05月28日
  • ワインの世界史 自然の恵みと人間の知恵の歩み

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    見た目に反して、かなり骨太に通史が書かれた本です。タイトル通りにしっかりと「世界史」の流れを説明した上で、そこにワインのテーマ史がどう絡んでいるかを解説してくれています。ワイン関連だけでなく歴史一般の話題も含め、文庫本とは思えない情報量の多さで圧倒されました。

    以下、まとめ。
    メソポタミアで初期のワインが生まれる。
    エジプトで搾汁と熟成により発展。
    ギリシャで庶民化され、文化としても洗練。
    ローマでは享楽的な貴族の高級ワインと、キリスト教の神秘性を持った飲まれ方に二分。
    中世でさらに幅が広がる。フランス王侯貴族のワイン、修道院のワイン、都市のワイン(水の代わり)。
    絶対王政時代、ブルゴーニュ

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    2022年09月10日
  • ワインの世界史 自然の恵みと人間の知恵の歩み

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    ワインが、より美味しく、より一層好きになる作品。
    日本の酒文化から、ヨーロッパのクラシックワインの成立までのワイン文化史。

    特にボルドーとブルゴーニュの二大フランスワインの歴史の体系は詳しく必読。
    アメリカを中心としたニューワールドワインの歴史や最新トレンドも嬉しい。

    物流革命によるパリ近郊にあったワイナリーの衰退、ステンレス製のイノベーション、化学によるワイン成立過程の発見など。
    ワインを中心とした経済・文化史と言っても過言ではない。

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    2018年06月10日
  • 閉じられた棺

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    ソフィー・ハナ版2冊目。前のより面白かった。ポワロとして、と言うのはもう置いておくことにした。
    ちょっと独特のユーモアと言い回しの癖というか否定の否定みたいな複雑にしようとするきらいがあるけど、これって訳の問題かなあ。
    話として面白かったな。

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    2018年03月11日
  • ビッグ・バッド・シティ

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    >この小説に現れる都市は架空のものである。
    >登場人物も場所も全て虚構である。
    >ただし、警察活動は実際の捜査方法に基づいている。
    久しぶりに戻ってきましたアイソラの街に。
    今回はなかなか良かった。
    シリーズ49作目。私にとっては、どうやら4年ぶりの作品のようです。
    マクベインは、今回もいつものように複数の事件を同時進行させます。豊胸手術をした修道女の殺害事件、被害者の枕の上にチョコレートクッキーを残すクッキー・ボーイと呼ばれる空き巣事件、そして主人公・キャレラを殺害しようとする男。
    手法的にも例によってフラッシュ・バックを多用し、スピーディーに展開していきま

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    2017年10月30日
  • 最後の旋律

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    1956年から始まった50年に渡る最終作読み終えてしまった。これでもう87分署シリーズはもう読めないんだ。

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    2016年05月10日
  • モノグラム殺人事件

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    ネタバレ

    ポワロ最新作。
    とてもおもしろかった。

    ドラマ再放送中のため、それを観た後に読む。
    俳優さんも声優さんもお亡くなりになってしまったが、
    私の中で彼らは永遠にポワロだ。
    だいすきだ~~。

    「カーテン」でショッキングなラストをむかえたポワロシリーズ。アガサクリスティは自分の死後、勝手に名探偵の話を続けられるのはイヤだったとのこと。
    そーゆーものなのかなあ。

    設定としては、原作の空白部分を利用しているらしい。
    新しい相棒?助手?に若手の警部。
    どこか彼を育て導こうとする感のあるポワロ。
    事件はポワロのお気に入りの店で始まる。
    そして3人の死体。
    最後までどうなるどうなる、と一気に読み切れた。

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    2015年11月09日
  • シャンパン大全 その華麗なワインと造り手たち

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    日本語でシャンパンの歴史を学べるのは貴重。特にメーカー毎の概要が充実しており、自分の無知に気づかせてくれる。

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    2024年05月22日
  • シャンパン大全 その華麗なワインと造り手たち

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    シャンパーニュ地方のお酒なのに、全く知らないメーカー、ブランドがあるのかと驚きの全てのシャンパン好きには見逃せない一冊。
    日本で入手は不可能かも知れないが家族経営の小さな作り手のシャンパンを飲んでみたくなった。
    ところで、1本いくらするんだろう。値段の目安ぐらいは書いて欲しかったなぁ。

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    2020年05月21日
  • モノグラム殺人事件

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    名探偵ポアロシリーズをイギリスの作家が書いてみた、というやつ。白状すればポアロシリーズをきちんと読んだことがなく、テレビで見たくらいの浅さなので、実際のポアロと比べてどうか、という話は出来ない。なので単純にポアロという気難しい元警察官が出てくるミステリーとしてはそれなりに楽しく読んだ。まあ全体的に冗長すぎる会話や説明、どんでん返しにつぐどんでん返しの多さ、そして何より語り手である今回の相棒の内面のめんどくささ、そしてそれの活かされてなさ、などなど気になることをあげればキリがないが……まあ往年のファンが気に入らないことはなんとなくわかる。ムラは海外であっても怖い。

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    2018年10月03日
  • モノグラム殺人事件

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    クリスティ亡き後、ポアロの新作が読めるとは思っていなかったのでとにかく読んでみたのだが、別にポアロでなくても良いような、ポアロでなかった方がすんなりと楽しめたでは?と思ってしまう。以前クリスティーが戯曲として書いたポアロの「ブラックコーヒー」を違う作家が後に小説にしたものを読んだが、そちらの方は、すんなりとポアロの世界に入り込めて、読みながら時折「これ、これ。」と思えたのだが、、、。今回は作者のポアロのイメージと、自分のポアロに対するイメージがあんまり合わなかったのか、相性が悪かったのか、そんな感じだ。

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    2018年01月06日
  • 閉じられた棺

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    ミステリ作家で元子爵夫人のレディ・プレイフォードの屋敷に招かれる。彼女の遺言が変更され、全財産を秘書のジョセフに遺すと発表される。そしてその晩にジョセフは殺害される。クリスティの世界観を踏襲してポアロの推理が展開される。犯人は意外のようで意外でもない人物だった。推理は多少強引なところもある。もっと推理にキレが欲しかった。ポアロがもっといやらしいほど自信家であったならもっと良かったかもしれない。ポアロが前面に出ている感じがしなかった。改めてクリスティの人物造形などが優れていたことに気がついた。作品としては及第点だが、クリスティの域には達していない。

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    2017年12月05日
  • 閉じられた棺

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    ネタバレ

    評価は少し辛口にしましたが、前作『モノグラム殺人事件』に比べれば面白く、星4つの評価にも相応しいと思います。(それを星3つにした理由は後述。)
    『モノグラム〜』に出てくる登場人物が揃いも揃って魅力がない、というより嫌悪感を感じる人達ばかり(その最たるものが、今回も語り部を務めるキャッチプール)に比べれば、『閉じられた棺』の登場人物はどこか憎めず、アガサ・クリスティーが描いてもおかしくないようなキャラクターが集まっています。語り部のキャッチプールも、前作のようなこちらが辟易するような独白は今回控えているので、その分少しは読みやすくなっていると思います。
    『モノグラム〜』のメイン・プロットがクリス

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    2017年07月19日
  • ワインが語るフランスの歴史

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    とても詳しくて良い本だと思うんだけど、フランス全土の地理がしっかり頭に入ってる人が、地図を片手に読むかしないと地勢が頭に入りづらい。なよって読むにのすごく時間かかる。なので☆3つ。

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    2016年06月12日
  • モノグラム殺人事件

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    名探偵エルキュール・ポアロは、お気に入りの珈琲館で夕べのひとときを過ごしていた。灰色の脳細胞の束の間の休息。そこへ、一人の半狂乱の女が駆け込んできた。どうやら誰かに追われているようだ。ポアロが事情を尋ねると、女の口からは意外な言葉が。彼女は殺される予定だというのだ。しかも、その女ジェニーは、それは当然の報いであり、殺されたとしても決して捜査はしないでと懇願し、夜の街へと姿を消した。同じ頃、ロンドンの一流ホテルで三人の人間が殺害された。すべての死体は口にモノグラム(イニシャルの図案)付きのカフスボタンが入れられていた。ジェニーは被害者ではなかったが、関連を嗅ぎ取ったポアロは、友人の刑事キャッチプ

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    2015年04月18日
  • 歌姫

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    ネタバレ

    87分署シリーズ。

    新人歌手が披露パーティの場で誘拐されたところから始まる本書。
    うまく話しが繋がって行って、相変わらずコンパクトで面白いです。

    しかし、オリーと彼女の話はどうなんだろう。

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    2012年10月14日
  • 最後の旋律

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    一見何の繋がりもない人物が同じ銃で2発ずつ打ち込まれた連続殺人事件。
    同じタイプを狙ってはいないので、いわゆる連続殺人犯のプロファイルには当てはまらない…過去に何があったのか?
    犯人が良いとまでは言えないが情状酌量の余地あり?
    被害者も相当な嫌なやつで〜時代を現すありがちな典型として描いているのかも知れない。
    八十七分署シリーズの最後の作となりました。このシリーズ全体には五つ星を文句なく献上します!

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    2009年10月14日