あらすじ
2010年6月に河出書房新社から刊行された『ワインの歴史』を改題、改訂し、文庫化しました。
ワインはメソポタミアに始まり、
エジプト、ギリシャ、ローマを経て、
欧州、世界へどのように広がったのか?
旧約聖書と新約聖書のワイン記述の違い
130種類以上のワインがあった古代ギリシャ
ワインはローマ軍の必需装備だった
ブルゴーニュワインはシトー派修道院が源流
ナポレオン三世が「格付け」を作らせた
--等々、ワインのことをあまり知らない読者も
楽しく読むことができる歴史読み物です。
文庫化にあたっては第10章を改訂し、文庫あとがきを加えました。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
メソポタミア文明から始まり、現代のワイン世界情勢まで長い旅を体感できる。ある程度、世界史やワイン(生産地、ブドウ種)を知っていないと、この分野に興味がなければ面白くないかもしれないが、ワイン好きはおさえておきたい1冊。背景や歴史を知るとこでワインもより美味しくなる。中世以降はフランスを中心軸に展開していくことになるが、まさにフランスはお茶のようにワインを飲む国だ。それも水質の問題などもあり、ワインが健康に良いというのはそもそも安全な飲料水の入手が難しかったことを考えると想像に難くない。
今はある程度の金額で、昔の王様が飲んでいたより美味しいワインが飲める素晴らしい時代。しかし中世頃までは甘い白ワインが中心だったみたいで、嗜好なども全然違っていたようだが…
Posted by ブクログ
見た目に反して、かなり骨太に通史が書かれた本です。タイトル通りにしっかりと「世界史」の流れを説明した上で、そこにワインのテーマ史がどう絡んでいるかを解説してくれています。ワイン関連だけでなく歴史一般の話題も含め、文庫本とは思えない情報量の多さで圧倒されました。
以下、まとめ。
メソポタミアで初期のワインが生まれる。
エジプトで搾汁と熟成により発展。
ギリシャで庶民化され、文化としても洗練。
ローマでは享楽的な貴族の高級ワインと、キリスト教の神秘性を持った飲まれ方に二分。
中世でさらに幅が広がる。フランス王侯貴族のワイン、修道院のワイン、都市のワイン(水の代わり)。
絶対王政時代、ブルゴーニュやボルドーなどのクラシックワインの原型ができる。
18世紀、発酵の解明。
19世紀、革命でワイン作りが貴族の封建制からブルジョワの自由経営へ。
20世紀、科学的な醸造法の確立、ジャーナリズム、グローバリズム。