江頭路子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
詩人の谷川俊太郎さんと、えがしらみちこさんの絵による、2015年の作品。
えがしらさんの淡く透き通るような水彩画から漂う、目映いばかりの爽やかな雰囲気は、子どもたちが楽しそうに遊んでいる幸せな光景にぴったりで、何故そのように感じられたのかというと、そこにそっと添えられた谷川さんの言葉『ちょうちょと ちょうちょは せんそうしない』等から、私の身の回りには戦争をしないものばかりであることに、改めて気付かせてくれたからなのだと思います。
それとは対照的な「戦争をしているものは何のためにしているのだろうか?」という問い掛けには、胸を打たれるものがあったものの、それでかけがえのない大切なものを失うことだってあるのだということに加え、「果たしてそうした権利を人間は持っているのだろうか?」という疑問点は、それまでの爽やかさから一転して生命の息吹を全く感じられない悲しみだけが取り残された、えがしらさんの絵と共に、決して忘れてはならないことなのだと思います。
捉え方として近いものに、動物の世界で起こっている食物連鎖がありますが、人間には自ら考えることのできる脳や、相手の気持ちを慮ることのできる心があるはずだということを私は信じたいですし、そうした思いというのは、真っ直ぐに姿勢よく立つ子どもたちの真剣な様子を描いた、表紙の絵にもよく表れていて、あなたはそんな子どもたちからのメッセージに、どう答えますか? -
Posted by ブクログ
【ママ評価】★★★★
葉っぱの色がすごく綺麗。
木の幹なども色合いが素敵で、秋の散歩で木々や草花の紅葉をゆっくり眺めるような時間を感じられる。
こちらの作品は体を動かして真似っこする内容だった。
ストーリーの中なので真似しないでストーリーを読んでもいいし、真似して体を動かしてもいいし、読み手や子どもに合わせて読み進められる感じが良い。
ボリュームが少なめでサラッと読めるのもちょうど良い。
明るく温かみのある絵本シリーズ。
【息子評価】★★★
息子にはそんなにヒットしないシリーズ。
ほっこり優しい絵本なので、ハッキリわかりやすいのが好きな息子には好みではないらしい。
4歳3ヶ月
【娘評価】
1歳9ヶ月 -
Posted by ブクログ
【ママ評価】★★★★
水彩絵が綺麗。
野草をはじめとする草花が青々しく生き生きと描かれていて、散歩で身近な緑の美しさに出会った時のよう。
温かみがある可愛らしい絵とリズミカルな文が印象的。
タイトルの字体や色合いからも優しく品のある雰囲気が漂う。
短めのシンプルな文で、主人公の女の子目線で進んでいく。
当たり前の何でもないような日常を子ども目線で描かれているので、子どもは共感できるだろうし、親はほっこり楽しめそう。
【息子評価】★★★
「またとんでっちゃったの〜?」と笑いながら読んでいた。
息子より幼い子向けの絵本だからか、ちょっと物足りない感じだったかも。
サラッと読んで終わった。
3歳11ヶ月
【娘評価】
1歳5ヶ月 -
Posted by ブクログ
えがしらみちこさんの「おさんぽ」シリーズ(幼年向け)の秋バージョンは、表紙や見返しのはらはらと舞い落ちる、紅葉したものもその途中であるものも含めて、子どもにとって色鮮やかな落ち葉自体が宝物とも思われる中、散歩のきっかけは女の子と猫が窓から見上げている、扉絵のひつじ雲の群れに誘われるようでもあった、そんな「あきぞらさんぽ」に『じゅんびできたよ いってきまーす』。
秋といったら、やはり赤系統の色だろうなと思われたが、えがしらさんの水彩は落ち葉同様に、緑の残る部分も併せて柔らかく描くことによって、より紅く色付いた部分の美しさを際立たせる効果があるようで、女の子の服装も、お気に入りの緑色のセーターの上に赤系統の上着を羽織ってと、まるで女の子自身が紅葉したような姿には、まさに今回の散歩の楽しみ方である『まねっこしよう』を、まず自らが無意識に実践しているかのように思われた、そんなところに子どもならではのひたむきな可愛らしさを感じられる。
また、タイトルである『あきぞらさんぽ』の素晴らしさをはっきりと実感させる展開の上手さとして、最初に森の中を散歩している時は、紅葉した葉っぱや木々に注目がいくように背景の空を白くしているのに対して、途中の見開きで森を抜け出た場面に変わったとき、鮮やかに目に飛び込んでくるのは、何よりも淡く爽やかで開放感のある水彩の青空であり、ここに来て初めて見ることが叶うことで、秋の青空ってこんなにも心地良いんだということを思い出させてくれながら、その後のまねっこしようの前段階で緩やかな下り坂にしていることも、それがより爽やかさを呼び起こしながら秋空によく映えるからであり、こうした合わせ技の上手さで『あきぞらさんぽ』の素晴らしさを実感できることには、このタイトルにした理由にも納得といったところであった。
しかし更に驚いたのは、まねっこしようのあまりのひたむきさが、ついにまねっこではなくなったのかと思わせる意外な展開であり、ははあ、こういう散歩もありってわけねということで、真似っこを本物にしてくれる存在の素晴らしさを噛みしめながら、それまでずっと横向きの視点で展開されていたのが、見下ろしたり見上げたりといった視点に立ち替わる構図や、子どもならではの物の見方にハッとさせられる中で、最後の絵には、秋特有の少しばかりの切なさを潜ませながらも、コスモスが「また明日ね」と言っているような温かさは、女の子を取り巻く関係性にもきっと当てはまる、そんな様々な要素を含めた終わり方に、えがしらさん自身の優しい人柄を感じられるようで、私には最も印象に残る場面であった。 -
Posted by ブクログ
女の子が春のお散歩をする。
植物や生き物など春のモノがいっぱい描かれている。
水彩で描かれた明るくとても優しい絵。
【ママ評価】★★★★
とっても可愛らしい絵。
ページをめくるたびに春がこぼれ落ちてくるような、優しく柔らかい雰囲気でいっぱい。
メイちゃんみたいな女の子が愛らしい表情で、女の子特有のの可愛さみたいなものが伝わってくる感じがする。
花がいっぱい描かれていて素敵。
ちょっとした散歩のような気軽に読める絵本。
【息子評価】★★★★
女の子のヒザが赤いのをやたら気にしていた。
大人はそういう表現だとわかるけど、子どもにとっては「あかい!けがしてる!」と感じるらしい。
確かにね。
「あかいねえ」「おいしゃさんにみせなきゃね」と指差す息子が、子どもならではの純粋な視点だと感じた。
「だんごむし?」「わたげ!」などといろいろなところに興味を持っていた。
春のモノが沢山描かれているので、親子で「これは◯◯っていうんだよ」なんて会話しながらのんびり読むのが楽しい一冊だった。
2歳11ヶ月 -
Posted by ブクログ
えがしらみちこさんの柔らかい水彩による自然の瑞々しさと、女の子の素直な反応が魅力の「おさんぽ」シリーズ(幼年むき)、今回は夏バージョンです。
女の子にとっての楽しいお散歩は、出かける前から始まっていて、今回も鏡に向かってお気に入りの帽子をあれこれと調整している姿は、とても嬉しそうで微笑ましく、更にポシェットにハンカチを入れて靴を履いたら、準備できたよ、いってきまーす。
さん さん さんぽ
いち に さん
と、リズム感のある文体に乗って始まったお散歩、今回は帽子が案内役みたいで、最初は風に吹かれていたそれも、なぜかぴょんぴょんぴょーんと跳ね出す絵本ならでの不思議な面白さもある中、やっと捕まえたその中にいたのは、なんと、ばったさんだったよ。
ばったさん みーつけた
みつかっちゃった
ばったさんの受け答えも温かさを感じる中、また吹かれて行った帽子、今度はどこに行くんだろうね?
ぼうし まて まて
ふわ ふわ ふわ~
ゆら ゆら ゆら~ん
つかまえた!
その揺れている頭から帽子を取ってみると、なんと、その中にいたのは笑顔も可愛いひまわりさんだね。
ひまわりさん みーつけた
みつかっちゃった
まるで、かくれんぼしているみたいな楽しさの中、またまた吹かれていった帽子、でも今度はかなり長い間飛んでいるみたいで、それを追いかけるように夢中で飛び込んでいった涼しげな森の中、この先にはいったい何が待っているの?
そして、ここでの場面転換と合わせた、えがしらさんの劇的な展開の描き方が素敵で、最初は薄暗い幻想的な森の景色から、シンプルな見開きで一拍置いてからの、その先に待っていた爽やかで眩しい景色には、まるで女の子自身が感じた素直な驚きをそのまま描写したような、それは、自然の持つありのままの美しさを感じ取ることができるようで、子どもと自然のふれあう喜びを率直に伝えているのだと、私には感じられました。
それから、その案内人はもしかしたらと思うと、そこにある生き物たちとの繋がりが、夢のある子どもの世界を形作っているようにも思われて、何とも微笑ましい気持ちにさせられます。
表紙の絵の、明るい日差しにも喜びを見出せる女の子の姿は印象に残りますが、ここ最近の暑さは尋常ではありません。くれぐれもお散歩の際には無理をせず、熱中症にお気を付け下さい。 -
Posted by ブクログ
えがしらみちこさんの描く子どもの絵は、何度見ても、思わず微笑んでしまうような、淡い水彩の素朴さもあって、心をほっと和ませてくれる、そんな安心感に満ち溢れていて、教科書の挿絵を多く手がけているのも納得の親しみやすさです。
それは本書に於いても、女の子の柔らかく丸っとした頬や、赤みがかったひざ小僧の愛らしさに加えて、体全体でめいいっぱい表現する健気さには、思わず絵本の世界に入り込んでしまいそうな一体感を覚えます。
お気に入りのワンピースを着て、新しい靴をはく様子から、女の子の散歩に対する大きな期待感を抱かせられて、それは、何も無い殺風景な玄関から一変して、目にも鮮やかな緑が一面に広がる自然の世界へと踏み出す、場面転換からも窺わせる、今日はどんな素敵な驚きが待っているのだろうという、そんな期待感でいっぱい。
絵を邪魔しない短く簡潔な文章と、リズミカルなオノマトペにのせて、ひとつひとつの発見に対する自然な反応をとても丁寧に描いており、読み聞かせは2歳頃から、一人読みは5歳頃からの表記のとおり、女の子の等身大の眼差しを通した、いろんなものとの出会いを楽しむ様子を瑞々しく描いています。
それから、「はるさんぽ」ではなく、「はるかぜさんぽ」というタイトルに込められた意味、それは扉絵の、開け放った窓から吹き込む風に誘われるように、女の子が思わず出掛けたくなる、そんな爽やかな心地好い雰囲気の風と一緒に散歩をするイメージを、表したかったのかもしれません。
そして、本編に於いては、風を目に見える形で描写している場面と、目に見えなくてもそれを感じられる描写の場面と使い分けていて、前者は、それが女の子に話しかけているような心の声を、後者は、ふわふわと穏やかなのんびりした感じを表している、そうした心地好いムードが、女の子の散歩をさらに楽しいものにしているように思われたのが、なんとも印象深く、そんなのどかな雰囲気に、思わず寝転がりたくなるのも分かるような、その絵の、風や自然の動植物たちと女の子が一体化した様には、いつまでも世界がこのような形であればいいなと感じさせる、決して誰にも邪魔させない幸福感に充ち満ちています。
また、始まりと終わりで見事に繋がった、物語としての面白さも、しっかりと考えられている、そんな本書(2017年作)は、「おさんぽシリーズ」の4作目であり、前の3作品も是非読みたくなりました。