原田隆之のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
■ 犯罪の実像と社会認識
・我々がニュースで見る犯罪像は、報道用に作られたストーリーであり、実際の統計や実態とかけ離れている場合が多い。
■ 犯罪者の分類(米国の研究)
・犯罪者は「青年期限定犯罪者」と「生涯継続型犯罪者」に大別される。
・前者は「若い頃は無茶した」という一時的な逸脱で、成長に伴い改善することが多い。
・後者は生涯にわたり犯罪行動が持続する傾向があり、治療・介入が重要。
■ 犯罪統計(日本)
・日本の犯罪件数は長期的に一貫して減少傾向だった。
・ただし2022年から増加に転じた。
・刑法犯の中で最も多いのは窃盗。
・特別法犯の主軸は覚せい剤。
・欧州では密輸・密売は重罪だ -
Posted by ブクログ
行為依存について整理されており理解が深まった。再犯防止には刑罰も治療もという立場。ただし,やたらとエビデンスベースドを強調するのは,ちょっと引っかかる。メタアナリシスって結局統計だから,個別具体性を取りこぼすような気がするんですよね。統計学を理解してない門外漢の偏見かもしれないけど。
この分野にも自助グループがあるのには驚いたが,数は少ないようで,地方では繫がれないだろうなぁ。。。あと,性的衝動の強い人たちが集まることで,トラブルは起きないのだろうかと心配になるのも事実。
性犯罪の構成要件が厳しすぎるという主張は,その後の不同意性交罪の創設に繋がってますね。
読み終わってから気付いたのだが,人 -
Posted by ブクログ
ネタバレこういった犯罪系の分野にうとい自分にとって、専門分野としても勉強になったし、何より読みやすかった。ミクロな視点とマクロな視点、科学的なエビデンスや哲学的な考察など、色んな角度からの視点が書かれており、何度か読み返したいと思えた一冊。
P231
■マクロな視点から見たサイコパス
病気を克服し生命を守ろうとして医学が進歩したが、超高齢化社会や人口増加に歯止めがかからない。幸福を追求しようとして産業が発展したが、環境破壊や地球温暖化は悪化の一途である。自らの国を守ろうとして多くの兵器を開発したが、地球を破壊するほどの核兵器を保有するに至った。人類はまさに、地球と言う乗り物、知恵と言う毒針で何度も -
Posted by ブクログ
アルコールやたばこ、麻薬的な薬物、そしてギャンブルなど、いろいろな依存症を扱っていて、そういう意味では勉強になりました。
が、「構図はすべて同じ」という扱いなので、そういう意味では単調で退屈でした。
日本では、依存症は「意志の問題」とか「刑罰の対象」と短絡的に考えがちですが、それよりも、「脳の病気」と捉え、医師などの助けを借りながら治療していく方が効果的であることが証明されつつあるようです。
もちろん、日本でも後者の動きが大きくなりつつあるようです。
また、人類が依存症になることについては、進化の過程上、逃れられなかった、という観点も重要だと思います。
依存症は、「快」を求め「不安」を避け -
Posted by ブクログ
自分は幸いなことに禁煙も禁酒もできている
ここで大事だったのは、何がなんでも我慢するという意思による強制ではなく、本書末尾で触れられている「recovery is fun」だったと思う。
このように依存症との戦いは辛く厳しいものというイメージをいかにして変えていくかということが大事なのだろう
また、まずは依存症に陥るメカニズムを知り、自分がそのような状況にないかということを認識することも、予防という意味では重要になってくると考える。
一方で、依存症になっているのが自分以外の場合はなかなかそれを認識させるのが難しい。
対処法として、第3章で触れられているOARSコミュニケーションは大変参考