原田隆之のレビュー一覧

  • サイコパスの真実

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    「このような(相手を魅了する)特徴を備えた者だからこそ、サイコパスは、連続殺人事件のような特異な事件を起こすことができるのだ。連続殺人事件を犯すためには、数多くの被害者を言葉巧みに誘い出して魅了することができなければならない」
    恐ろしい、シリアルキラーというイメージのサイコパス。本書では、サイコパスの特徴、原因などを科学的に解説するが、サイコパスの責任能力の議論では「自己とは何か」を問うたり、人類全体の遺伝子プールとしてサイコパスが現代にも存続している可能性に言及したり、ヒトラーを選んだようにサイコパスを指導者に選ばないようにする必要性を訴えたり、と単なる科学的な側面だけでなく哲学や社会につい

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    2025年07月28日
  • 入門 犯罪心理学

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    ニュースで犯罪者、特に性犯罪者について知るとカッとなるけれど、今後は少し穏やかになれそう。

    この本では犯罪者をどのように治療するかが書かれている部分があるけれども、そこは犯罪者でなくても参考になる部分があると思う。

    テレビやインターネットのニュースではエンタメ要素を過剰に演出している部分もあるから、見極められたらいいなと思う。

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    2025年07月07日
  • 入門 犯罪心理学

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    きちんとしたデータの蓄積・解析をしない限り、
    犯罪者の傾向も心理も何も理解できないし、
    再犯防止にもつながらない。
    大きな犯罪が起こると
    「○○が原因である」というように、
    原因を簡潔に決めつけてしまう報道傾向があるが、
    要素は複雑に絡み合っているのであり、
    そこをきちんと踏まえていかないと何も進まない。
    入門書として、とても適切であると思う

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    2025年05月02日
  • 入門 犯罪心理学

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    隠れた名書
    本のタイトルから海外ドラマ『クリミナル・マインド』などに代表されるプロファイリングや犯罪行動心理が語られる書籍かと思われるが、その実それらの話が語られるのはたった3、4章しかない
    しかしながら本書は受刑者へのカウンセリングを通じて如何にして再犯を防ぐ事をネックに置いており、現在の刑事罰の厳罰化にモノを申す内容となっており中々に見応えがある
    特に昨今における犯罪物の動画に関するコメントは目に余る物があり、それらのコメントに対する異議を申し立てられる内容とも言え現在の犯罪に関して興味がある人間は手に取っておきたい書籍と言える

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    2024年12月15日
  • 痴漢外来 ──性犯罪と闘う科学

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    依存症の中でも性的問題行動の治療に関わる著者。痴漢(全てではないが)を依存症の観点から見ること自体、新しい知識だった。
    読んでいくと、加害者の治療・再犯の予防が必要と著者が強く訴えることに納得できる。治療と聞き、加害者を守るのかと反感を感じた人ほど本書を読んで欲しい。新しい被害や再被害を防ぐ視点が社会に広まって欲しいと思う。

    また、専門家の性犯罪再犯リスクのアセスメント的中が50%と言う話から「高い金を払って専門家を雇うくらいならば、ワールドカップのときに予想を次々と的中させたタコでも飼っておいたほうがよいだろう」に笑った。
    批判的な一般人の意見はまだしも、経験則や感情のみで動く自称ベテラン

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    2023年11月09日
  • 入門 犯罪心理学

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    加害者は罰するべきという従来の考えを脱却し、加害者に今後再犯させないためにはどうするべきかに焦点を当てた本。専門用語を使う際には必ず説明があるので、初心者にもやさしい。

    犯罪者で一括りにするのではなく、どうして犯罪に走ったのか、再犯しそうかそうでないかなどで細分化していき、細やかに治療を行うことで再犯率の低下につなげることができる。

    個人的に、わずかな人達だけで6割もの犯罪がなされているというデータが衝撃だった。

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    2023年06月28日
  • 痴漢外来 ──性犯罪と闘う科学

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    新しい世界を覗いたような感覚でした。
    犯罪心理学の中でも、
    性犯罪は特に難しい分野なのですね。

    科学的に、倫理的に、そして人情を捨てずに、
    ひととかかわっていきたいとおもいました。

    全ての人が出来るだけよりよく生きるための指南書としても、良いと思います。

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    2022年05月15日
  • 入門 犯罪心理学

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    人はなぜ犯罪を犯すのか。
    どうすれば再犯が減るのか。
    という内容ではありませんでした。

    むしろ
    科学的な根拠に基づいて、人々が幸せに暮らせる社会を作るためにはどうすればいいか。
    という方が近いです。

    教育学もこのように、正しくアップデートして行かないといけないと思いました。

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    2021年12月29日
  • サイコパスの真実

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    心理学的視点からだけでなく、脳科学的、生物学的、社会学的側面など様々な角度でサイコパスというものを分析している。そのため、終始新鮮な気持ちで読むことができる。

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    2021年12月10日
  • 痴漢外来 ──性犯罪と闘う科学

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    性にまつわる問題は難しい。特にそれが問題行動にまで発展した場合。本書は性犯罪の加害者、性的依存症、強迫的性行動症に加えて性犯罪被害者の現状に触れ、現段階での科学的な到達点からその治療や寄り添い方を示している。センセーショナルに報道されたり、感情的な取り扱いをされがちな分野だけに冷静で温かな対応が必要だと感じた。

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    2021年11月02日
  • 痴漢外来 ──性犯罪と闘う科学

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    とにかく加害者被害者ともに壮絶な体験をしている。それらを知ることが出発点だろう。

    以下メモ
    性犯罪の再犯率は5%。しかし痴漢や盗撮の再犯率は30~50%ほどある。厳罰化は再犯率を増加させるというエビデンスもある。(適正化は必要だか)
    DSM5にもICD10にも疾患(パラフィリア障害群)として分類されている。(ICD11では「強迫的性行動症」が新たに追加)

    性犯罪のリスクファクターはその他の犯罪と基本的に変わらない。(反社会的な行動歴、交友、態度信念、パーソナリティ。教育や仕事上の問題、家族葛藤、物質使用、不適切な余暇活用。)

    犯罪者治療には「RNR原則」というものがある。リスク原則は、リ

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    2020年10月20日
  • 痴漢外来 ──性犯罪と闘う科学

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    冒頭に"治療を伴わない刑罰は再犯防止効果がない"とあったが、重要な指摘だと感じた.性依存症の存在を否定する学者らの言い訳を、地道に確実に乗り越えて、再犯率の低下を得ている事実は素晴らしいことだ.フロイトの精神分析の欠点や過ちを認めないで、古い知識に拘泥している学者の存在を指摘していたが、どの世界でも常に新しい知識を吸収する努力は絶対必要だと感じた.性依存症にはパラフィリア障害と脅迫的性行動症があるとの指摘で、前者には痴漢や盗撮、後者には過剰なセックスやマスターベーション、風俗店通いを例示していたが、いずれも治療可能だと強調している.参考になった.

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    2020年07月13日
  • 痴漢外来 ──性犯罪と闘う科学

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    ■強い意志を持つこと,我慢することは確かに重要。反省ももちろん重要。しかし,それで収まるなら苦労はなく,むしろそれで収まるくらいならそもそも依存症ではない。圧倒的な衝動に突き動かされて理性や意志の力がなぎ倒されてしまうのが依存症の本質。
    ・脳が乗っ取られたような状態になり意志の力では太刀打ちできなくなる
    ・意志の力に訴えかけ反省を促す「処罰」だけではこの問題を解決できない
    ■痴漢の再犯率は30%とされているところ,痴漢外来で治療を受けた人の再犯率は3%弱。
    ■DSM-5(精神障害の診断と統計マニュアル)やWHO(世界保健機関)の国際疾病分類(ICD-11)には「窃触障害」という疾患がリストアッ

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    2020年03月01日
  • サイコパスの真実

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    興味本位で取り上げられがちなサイコパスをしっかりとエビデンスに基づいて解説した良書。筆者の広範な知識となによりも実践に裏打ちされた解説は説得力がある。アプローチの方法も多様で飽きさせない。

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    2020年02月10日
  • 心理職のためのエビデンス・ベイスト・プラクティス入門 エビデンスを「まなぶ」「つくる」「つかう」

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    論文を読んで、自分の地肉にしていきたい人にとてもおすすめ。
    論文の種類とか、質とかがわかるようになる。

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    2019年01月31日
  • サイコパスの真実

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    学術的視点から綴られた、サイコパスについての一冊。
    著者による考察もあるが、ほとんどが研究の歴史と結果や事実の紹介です。
    淡々と驚きの真実が語られ、情報量の多い新書という印象を受けました。
    日本で起きた最近のものを含む犯罪もサンプルとされています。
    18歳になった男性に脳スキャンとDNA検査を義務付ける「ロンブローゾ・プログラム」によって、潜在的な犯罪者が隔離・治療を強制される未来を想像しました。
    提唱者エイドリアン・レインに興味を持つ切っ掛けになりました。

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    2018年05月16日
  • 入門 犯罪心理学

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    重大犯罪が発生すると、犯人の生育歴も含めた報道がされることもあるけれど、覗き趣味を満足させる程度の報道でしかないように感じる。こういう知識を付けたら、また違った見方ができるのではないかと思って借りた。自分の身を守る役にも立つではという期待もある。あとはこういう本もあるんだ、という好奇心。

    ありふれた事件は報じられない。たくさん起こっているのに、いちいち報じていたら、きりがないから。面白くもないし。ありふれた事件にはニュースバリューがない。だから報じられない。
    私たちがニュースやワイドショー、週刊誌などで接する「犯罪」は、報道用に作られた「ストーリー」であって、事実とは異なっている可能性が多い

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    2017年07月06日
  • 入門 犯罪心理学

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    犯罪心理学の流れだけでなく、日本での犯罪者治療の現状も書かれており、私のように専門的知識がないものにはとてもわかりやすく読むことができた。

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    2016年06月23日
  • 入門 犯罪心理学

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    犯罪心理学の専門家として、様々な機関で活動してきた著者による、「真っ当な」犯罪心理学入門。

    科学的エビデンスに基づいた犯罪理解、犯罪対策の重要性を説く。
    従来の心理学(たとえば、フロイト流の精神分析やロールシャッハテスト)が、いかにエビデンスに基づかない「似非科学」であったかがよくわかる。

    難解な専門用語などは使わず、具体例豊富かつ科学的エビデンス(根拠)に基づいた記述のため、とても読みやすく腑に落ちやすい。

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    2016年04月10日
  • 入門 犯罪心理学

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    心理学系で見知らぬ人の本を読むのは大きな冒険だが、アンチフロイトでDSMとか言ってるし大丈夫そう。序盤は膨大なデータとか言いながら出典出てこないしダメかと思ったが…
    犯罪者について、心理学については慎重にエビデンスから言えることのみを扱っており良心的だったが、そこから外れると無根拠な断言がやたらと目立ったのは気にしすぎだろうか… まあ本筋とは関係ないところだけどね。
    統計的に確かと言える犯罪者になりやすい要因、再犯しやすい要因はどのようなもので、どうやったらそれを治せるかについて、など。

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    2015年04月08日