原田隆之のレビュー一覧

  • 入門 犯罪心理学

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    ネタバレ

    犯罪心理学に興味を持った初心者には分かりやすく読みやすかったです。筆者が言いたいことは、現代の日本の犯罪心理学は主観的な考え方で各々の事件の要因を決めつける傾向があり、客観的なデータとしての対策をすることが少ない。つまり、科学的な根拠を元にした犯罪心理学があまり発展してない。
    日本の犯罪は刑罰を下すだけで、その後のことを考えた対策をあまりしていなく犯罪者に対しての治療が外国と比べ少ないことを伝えたいと分かった。
    筆者はとにかくセラピーなどのような人間が人間を治療するという、その指導する側の判断で分析するような心理学はほぼ意味がなく科学的な心理学が必須だと伝えていた。

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    2020年11月13日
  • 痴漢外来 ──性犯罪と闘う科学

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    性犯罪者をどう処するか、というのは「荒れる」議論になりがちだ。被害者に与えるダメージの大きさから、感情的な処罰が提言されることも多い。

    しかし、厳罰化には抑止も再販防止の効果もなく、永久に施設に入れる(実際米国にはそういう施設がある)のは税金がかかりすぎる。

    データが取りにくいなか、現状で最も効果が高いと思われるのが認知行動療法や弁証法的行動療法を通した治療である。性犯罪につながらなくとも、性にまつわる「逸脱した」行動(カッコ書きにしたのは回数や頻度の面などで明らかに社会的な生活に支障が出ている状態を指す)はアルコール依存症等と同じくAddictionの要素が強く、似たようなアプローチをと

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    2020年08月23日
  • 痴漢外来 ──性犯罪と闘う科学

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    ネタバレ

    われわれにとって「性」の問題は、そのまま「生」の問題でもある。性は、われわれの人生を豊かで彩のあるものとしてくれる反面、大きな苦しみの源泉となることがある。
    傷つけた人も、傷つけられた人も、人に受け入れられてはじめて、本当の自分を見出し、新しい人生を見据えて前を向かなければならない。

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    2020年08月25日
  • 痴漢外来 ──性犯罪と闘う科学

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    今までなんとなく避けてきた話題だったけれど、読んでみて当事者の苦悩が伝わってきた。
    痴漢を行う動機として、最初はのきっかけは性的な要素が強くても次第に薄れていく。そして、最終的に強迫、辛いことからの逃避行動、条件付けなどが要因となっているのだそう。

    正直、単純に性的衝動に支配されているのだとばかり思っていたが、性的依存症も他のアルコールなどの依存症と同じなのだと知って驚いた。

    その他勉強になったことを箇条書きにする
    ・依存症の人は、落ち込んだときのコーピングのレパートリーが少ない
    ・痴漢は刑罰を課しても犯罪は減るどころか僅かに増える一方、治療特に認知行動療法を行えば30%程度減少する
    ・家

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    2020年08月18日
  • 入門 犯罪心理学

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    入門と謳っている通り、入門書として完璧に近い仕上がり。読んでて凄く知的好奇心が刺激されるし、疑問が湧いてくる。面白かった。筆者の書き方が学者っぽくもありながら例やデータを沢山上げて解説してくれるからわかりやすい。

    心理学の証拠を重視する姿勢から、様々な学者や説に対してその信頼性などを示していくのが特に面白かった。

    ただ、情報量が多いので1度では完璧に理解しにくい。最低2周読むことが必要。(個人差があるが...私は無理だった)なので星4

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    2020年06月22日
  • サイコパスの真実

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    巷で何かと話題になる“サイコパス”を科学的にアプローチした一冊。
    統計的に見て1%のサイコパスが存在していると考えると映画や本などのフィクションの存在ではなく、身近にあるものとして考えた方が現実的。
    併せて他人事ではなく自省することも必要だと感じた。
    発達特性のように多様性を理解しつつ、対応していくことが大事。
    著者の原田先生が仰るように、偏った捉え方をせず多角的に見ていくことの重要性を再認識。

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    2020年05月20日
  • サイコパスの真実

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    科学的視点で見たサイコパスの話から最終的には哲学の話へ。
    人類が生き延びるためにサイコパスという存在は必要かもしれないという考えは理解したが、やはり残虐な殺人や動物にひどい苦しみを与え殺してもなんとも思わない彼らは恐ろしいし本当に世の中に必要な存在なのだろうかと思わずにいられない。
    脳の病気だから仕方ないですむのだろうか。

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    2020年03月03日
  • 痴漢外来 ──性犯罪と闘う科学

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    性的犯罪者に対しては世論が感情的になり、厳罰化、隔離、ホルモン治療といった過激な治療がある。それより効果を持つのが本書で語られる認知行動療法と、自助グループでの活動だ。
    性的犯罪者を他の犯罪者と区別せず、再犯リスクを低くして社会復帰できるようになるなら、是非ともこの治療や活動を応援したい。

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    2019年10月24日
  • 入門 犯罪心理学

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    結局、犯罪対策とは「犯罪を犯す人と犯さない人の違いは何か?」なのだろうけど、それは、社会階層や貧困や知能や精神病歴や幼少時のトラウマではなく、反社会的なパーソナリティや交友関係、認知癖を持つかどうかなどハードルを超えやすい行動様式を持っているかどうか、なんだな。

    生まれつき(衝動をコントロールできるか、他人に共感できるか、刺激を求めがちか)と育った環境(違法性への価値観、仲間)も影響がそれぞれあり。

    犯罪を起こしやすい因子を複数持つ人たちが必ず一定数(数%)いて、犯罪の約半分に関わっているという話。
    そして、犯罪を起こしやすい因子を持っていても、必ず犯罪を起こすとは限らない。

    「犯罪的他

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    2019年04月09日
  • サイコパスの真実

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    サイコパスは"良心が欠如していること"と定義されるようだが,犯罪者になる悪い面ばかりでなく,成功する場合もある由.ビジネスの場での事例などが詳細に示されている.症状としては,他人の表情を見分けることができないとか何例が出てきて,治療方法も紹介されているが,難しい感じだ.最後に出てきた「サイコパスを指導者として選ばないこと」が重要だとあったが,安倍は大丈夫かな?

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    2018年12月15日
  • サイコパスの真実

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    いや、存外面白かった。
    サイコパスに正面切って接して来た著者。
    綺麗事ではない、サイコパスは、欠けている。それは、もう気持ちとかの問題だけでなく、欠けているのだ。そうしてそう言う人間は一定の割合で現実に存在している。
    その怖さ。
    だが、この著者のすごいと思ったのは、元々人間というのは過酷な環境にあり、その中でサイコパスというのは一つの利点でもあった。環境は穏やかになって来たからこそ目立つ、あるいは不適合とされるのであって、英雄と呼ばれる人間にもサイコパスの要素が見られることは多見される。
    人間という種を考えた時に、サイコパスは、それだけで排除されるものではない。

    うーん。

    やってはいけない

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    2018年11月20日
  • サイコパスの真実

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    サイコパス=犯罪者ではない。成功して社会に馴染むサイコパスもいる。サイコパスは身近にいる存在。心理学用語とサイコパスについて理解を深められる良い本でした。

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    2018年10月28日
  • サイコパスの真実

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    サイコパスとは良心を欠いて生まれた人々。専門家によれば、程度の差こそあれ人口の1%は該当するという。スティーブ・ジョブズやトランプ大統領に関する考察も参考になるが、サイコパスの原因についての科学的知見や、その存在に対する歴史的視点を踏まえた捉え方が参考になった。

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    2018年10月06日
  • 入門 犯罪心理学

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    犯罪心理学に というよりはむしろ、著者がいわゆるエビデンス派だからという理由でこの本を手に取ってみた。

    私はエビデンス派「ではない」。今の時代、避けては通れないことは知っている。でも、これまで私と実際に関わりのあったエビデンス派の人々が、余りに度量が狭いことに心底辟易させられ、敬遠していたに過ぎない。

    その辺は脇に置くとして、この著者の唱えるエビデンス重視であれば、も少し話をお聞きしてもいいかな とまで思える内容だった。

    (一応)進化の最先端にいるヒトという生き物の営みは、一対一対応の因果関係という説明で片がつくはずがない。経験の積み重ねから私は日頃そのように思うのだが、著者もそのあたり

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    2018年03月06日
  • 入門 犯罪心理学

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    エビデンスに基づく犯罪対策について。犯罪と心理学というと,兇悪事件が起こる度に吹聴される通俗心理学的解説が思い浮かぶが,そういうのとは一線を画した内容。
    犯罪は犯人の素質だけに起因するものではないし,犯人の置かれた社会的環境だけに起因するものでないことが,データによっても裏付けられてきているというのは興味深いが,なかなかデリケートな問題かも知れない。こうして科学的な手続きで得られた犯罪心理学の知見は,矯正や犯罪予防にも活かされてきているようだし,活かされていくべきだろうけど,慎重さも肝要と感じた。

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    2015年04月20日
  • 痴漢外来 ──性犯罪と闘う科学

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    「痴漢外来」という聞き慣れないタイトルに興味を覚えて手に取った。痴漢は卑劣な人間による犯罪であり、治療できたり改心したりしないだろうから犯人には苛烈な処置をするべきだ、と考えていたが本書を読んで少し認識が変わった。
    痴漢や盗撮は薬物と同様に依存症であり、「治療」により再犯率が低下するばかりか、刑罰のみでは再犯率はわずかに増加する。病気という視点であっても、責任能力とは関係なく罪が軽くなるわけではない。痴漢は女性の敵であるのは勿論、冤罪に巻き込まれる可能性という意味では直接的に男性の敵でもある。「被害者を出さない」「再犯を防止する」目的では、刑罰と治療の取り組みは私達の社会にとって有効な取り組み

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    2025年07月12日
  • 痴漢外来 ──性犯罪と闘う科学

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    痴漢だけにとどまらず、あらゆる性犯罪・性的依存症に対する治療のアプローチを書いてくれている。

    この本を読み、私もフロイトの精神科学に支配されていたのだと知った。性犯罪者は、幼い頃のトラウマがあり、自分達とは全く違う存在だと思っていたのだ。

    しかし、痴漢や盗撮などの犯罪者は、私達の違いはほとんどない。そのため、彼らの犯罪開始年齢が24歳だと考慮すると、私も男である以上、性犯罪に走ってしまう可能性があることを知った。

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    2025年03月26日
  • 入門 犯罪心理学

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    なぜ非行にはしる少年たちがいるのか知りたくて本を手に取りました。主にパーソナリティーと環境の合わせ技で犯罪まで至ってしまうこと。メディアで報道される大きな事件に流されないでちゃんと犯罪者の治療をしていき更生に向かわないとダメなこと。
    犯罪を容認するわけじゃないけど、治安を保つためには更生してしっかり働いてほしいと思った。

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    2024年11月11日
  • 痴漢外来 ──性犯罪と闘う科学

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    医療関係者の強調する「エビデンス」とか「科学的…」なんてそんなものなんだ、とわかったのが最大の収穫かな。

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    2024年09月16日
  • あなたもきっと依存症 「快と不安」の病

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    嗜癖と習慣、依存症の違いは何か。考えると一瞬迷うが、それが欠落した時に呼吸が乱れ、思考がそれに囚われ優先順位が入れ替わる事、と言うと何やら心当たりがありそうだ。アルコールや薬物、ギャンブルでそのような経験はなくとも、恋愛や承認のアディクションは少なくないのでは。

    本著曰く、脳の機能が変化してしまいコントロールが効かなくなった状態を依存症という。手がかり刺激として快楽とペアになって記憶される。これを学習心理学では条件付けと呼ぶが、関連するのが大脳辺縁系の海馬と言う領域。依存症への遺伝的要因の寄与率はおよそ40から70%とも考えられている。依存し易い人、というのがいるのか。

    自らを完全にコント

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    2023年04月15日