辻村七子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
宝石商リチャード氏の謎鑑定の著者の最新作。
未来の人口都市・・・
読み始めのあたりでは、長野まゆみさんのテレビジョン・シティを
連想してしまいました。
読後数日間、切なさを引きずった作品だったので、
裏表紙に書かれた「せめて血の色くらいは赤がよかったな」
というセリフで嫌な予感バリバリ。
ハイスペック幼児で天才馬鹿なエルとアンドロイドなのに
人間以上に人間らしい二人の噛み合わない会話がいい。
後半で、いきなり走り出す物語に、久しぶりの心臓バクバク!
ベタで王道と言えば、その通りなんだけど
その持って行き方が好き。
これはうまく誘導されてしまったなぁ~
楽しく読めました。
ただ、表紙絵は、どうにかならなかったのかしら? -
Posted by ブクログ
ネタバレ新刊読み終わった!正直、「子供向け番組」についていろいろ思うところはあるんですが、そこはフィクションにしないと本筋が進まないからかな、と納得した。
そもそも新人を使うことが多いから、1年間もあるあの番組、あてがきすることが多いのよ…?
まあ高校時代を知ってる、さらに追っかけし尽くした脚本家の前には、たかが知れてる程度かもしれませんが(笑)
少なくとも昨今の桃李くんや流星くんや志尊くんとかを知ってれば、あの番組の出演者を「おもちゃの商材」と揶揄する業界の人ってあまり居ないのでは…とかも思ったり。
番組終わって一年くらいなら、その間仕事がなくったってファンは落ちないから、だからこそ主演が彼でも通った、という現実もあると思う。
とか、リアルなことはいろいろ思えど、脚本家のビック感情にはただただ平伏した。エンタメとしては最高です!
中高生にこれは勧めたいかなー。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ人間らしさとは、を究極までに問い質している物語。
この中で一番人間らしいのは実はアンドロイドのワンで、一番人間の倫理から外れているのが唯一の人間、というのがなんとも皮肉。
ただ機械が一律同じものを作り続けられるか、と言われるとある一定の確率で必ず「不良品」は見つかるし、それは実は人間も一緒で、それを「不良品」として排除するか、「進化」として受け入れるかもまた、社会の在り方によるんだな、と考えさせられる。
最初はエルはワンの言うようにエリートだけに人間性の壊れた人物だと思ってたのが、大量生産で生まれ不良品を排除し続けた結果残った人造人間、という背景が凄まじいと思った。同じ遺伝子、同じ環境で育てられても、排除されていく個体があると、その個自身を決定するものはなんだろう?と考えてしまう。
エルが如何に最小限の被害で自分の最大の目的を遂行していくか、感情のままに行動しながらめっちゃ冷静にテキパキ物事を進めていくところが「静かにキレてる」感があって面白かった。
最小限であっても何かを誰かも傷つけても、自分以外の存在を助けたい、命令を受けなくても自ら実行していくその姿勢は、まさに人間の思考そのものだと思うので。その領域に達していれば、もう人造人間でもアンドロイドでもいいのではないかと。ワンもそうだし。
欲望に忠実、こそが人間を人間たらしめ、進化を促してきたことなのだろうな。
物理的に肉体は機械を使って不老不死にすることは可能だけど、精神を不老不死にすることは可能だろうか?
痴呆というのはいずれ向かう死についての逃避、という見方もあるというので、人はいつか死ぬし、その思考についてはAIが引き継いでいく未来もあるのかな、と思う。
あと人造人間が金色の血、てどうやって着色してるんだろう、とか(笑)人間の血が赤いのは鉄を含んでいるからだし、肌の色が違っても血の色が変わらない以上、肌の色を変えることは可能だけど、血の色はどうやって変えるのかなーとか素朴な疑問。ちなみにタコやイカは銅が含まれているから血が青いというし、ホヤに至ってはバナジウムが含まれているから緑の血だということなので。どうでもいい疑問でした。