堀田善衞のレビュー一覧

  • ゴヤ III 巨人の影に

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    ゴヤの生涯とその時代背景を追っていく。ヨーロッパはまさにナポレオン戦争の時代であり、スペインも戦禍に見えて行く。ゴヤの「戦争の惨禍」といった版画集がその悲惨さを描いていく。ゴヤの作品といえば、「着衣のマヤ」「裸のマヤ」のイメージしかなかったが、戦争に苦しむ民衆を描くことこそ、むしろ近代的画家として、ゴヤのゴヤたる所以であろう。
    ゴヤの生涯を見ていくと、その絵画の題材の変遷も興味深い。宗教画に始まり、肖像画そして民衆と、画家に求める時代の要請の変化が分かる。

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    2013年06月23日
  • ゴヤ III 巨人の影に

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    いよいよゴヤの晩年に近づいていく。ゴヤの人生とともにスペインの激動の歴史も知れるという一鳥二石なこの本。ややこしくて分かりにくこの辺りの歴史を読み物としても面白く、知的かつ情緒的に描き出しているのに、なにゆえこんなに読み進めないのか不思議。私にとって高尚すぎるだけだけど。けど面白いのは事実。少しずつでもいいから読み進めて、最後の1巻を年内に読み終えるわよ。

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    2012年10月07日
  • ゴヤ II マドリード・砂漠と緑

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    やっと2巻読み終えられた。激動のスペイン。ゴヤという画家の一生を通して、スペインの歴史を見事に描いている。スペインに対しての印象が4巻を読破したときには、読破する前とまるっきり変わってしまいそうな予感。

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    2012年08月14日
  • ゴヤ I スペイン・光と影

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    昨年友達がスペインのアルハンブラ宮殿を訪れて、
    その素晴らしい写真を見てから、テレビでイザベル女王の特集番組を見て、
    いままで映画や本やオペラで見知った断片がつながり始めて、
    スペイン・ハプスブルグ家の歴史を絵画の本で知って…
    と、流れ流れてこのゴヤの生涯を書いた本に出会った。

    作者の粘着気質気味の文章に最初はとまどった。
    その分、当時の風俗や政治について詳しく書かれているけれども。

    ゴヤがとにかく押しの強い上昇志向の強い男であることに驚く。
    全四巻の本作で、一巻目は宮廷画家になったところまでしか書かれていない。
    これからが楽しみ。

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    2012年06月01日
  • ゴヤ I スペイン・光と影

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    画家というのは変わった人が多く、それ故に数奇な生涯を送る人が多い。
    昔、ゴヤを主人公にした映画を見たことがあるが、内容をほとんど覚えていない。ただ、その生涯に興味を持って、小説にした人がいるのは事実のようだ。
    著者は、ゴヤという人物の背景にあるスペインを描く。
    当時、スペインという国はヨーロッパでは後進国だったようだ。国家とは呼べない単なる地域だったかもしれない。貧しい地域だったことは間違いない。
    著者が描くゴヤという人物もあまり付き合いたくない人物だ。身勝手で、現生の出世欲が強い人物だ。こういう人物を著者が描いてみようと思った理由がよく分からない。その理由は、次巻以降で解き明かされるかもしれ

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    2011年02月06日
  • 上海にて

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    著者といえばフランシスコ・デ・ゴヤ、位のイメージしかなかったので、戦後1年以上(捕虜ではなく)中国で暮らしていた一面を知れたのは収穫だった。

    1959年に訪中しているが、その時には既に大躍進政策は始まっていた。その危うさは感じられなかったのだろうか。結果論から安易に非難してはいけないのだが。

    大吉堂にて購入。

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    2025年05月05日
  • 広場の孤独

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    朝鮮戦争が始まった時期の東京で、降って湧いたような軍事特需の中で慌ただしく新聞社で働く翻訳記者、内職で海外小説の翻訳もしている主人公・木垣がその時代や世相に否応なく巻き込まれ社会にcommitせざるを得なくなり、自身の魂を如何にして守るか・保ち生きていけるのかを悩み足掻く作品。やがて新たな自己の現実を創造する以外に道のないことを悟り、その一歩を踏み出す、それは題名にもある『広場の孤独』という小説を書き出そうとしたところで作品は終わる。絶妙且つ作為的、それはコミュニストかと疑われる同僚の記者に「御国」と名付ける企みからも明らかで、国の政治がいかに莫迦げて滑稽かということを表している。何だか出来す

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    2024年08月20日
  • バルセローナにて

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    ・スペインの光と陰。理解しようにも結局は理解が及ばないスペインを覆う内戦の意識・無意識下の記憶。
    ・青春の入口で暗い陰を落として来ていたその内戦の記憶が突然終わりを告げた。そんなお話し。

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    2018年04月02日
  • ゴヤ II マドリード・砂漠と緑

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    ゴヤという人間を通して描かれる、ブルボン朝スペインの貴族の豪奢で乱れた暮らしぶりと階級社会。ゴヤという人間と絵画作品の評伝でもあり、その時代の政治経済のみならず世俗文化まで圧倒的な取材力をバックボーンに書かれた歴史小説でもある。いずれの部分も面白く、これを読んでから裸のマハを見に行かずしていつ行くか。(※まだ見てないが…)

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    2014年01月05日
  • ゴヤ I スペイン・光と影

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    裸のマハの上野来日にあわせたゴヤフェスに併せて買った本。大分時間が経っているのに、未だ四部作の2作目の途中。話自体は教養深くて非常に面白い。漠然と持っていたスペインに対するイメージが覆され、かつ興味がわき立てられる。でも読書はなかなか捗らず。高尚すぎるのがいけないのかな?

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    2012年07月16日
  • ゴヤ I スペイン・光と影

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    一巻では、なかなかゴヤは仕事をしてくれません 。
    なので、ゴヤ自身よりもスペインやヨーロッパに関する論考に紙幅を割いています。
    スペインって……おもしろいなぁ。

    二巻購入は……考え中。今読んでるのが終わってからかな。

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    2011年06月28日
  • ゴヤ II マドリード・砂漠と緑

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    かなり分厚い本だ。それも4巻まである。
    ゴヤを通してスペイン、ないしヨーロッパの時代背景を描く。
    ゴヤはついに宮廷画家となるが、当時のスペイン王室や貴族が如何に頽廃していたか。フランス革命は歴史の必然かもしれない。
    ヨーロッパは革命から、さらにナポレオンの時代へと移っていく。当然ゴヤも時代の波に巻き込まれていく。

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    2011年06月11日
  • 広場の孤独

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    学校の課題として出されたため読んだのですが、正直私の年にはまだ早すぎたと思いました
    もう理解しなくてはならないのかもしれませんが
    全体を通して話は一つなのですけれども、短編の連作のようにバラけていて焦点が上手く定まりません
    でもそこがかえってリアルで、主人公が、この混乱しきった時代の日本で生きている、ということを事実へと近づけているようでした
    この作品は政治色がかなり色濃く、文章の端々から作者の論理的な思考能力の高さ、頭の良さが見受けられます
    今のゆとりを出た私たちの世代にはまだ理解できないかもしれませんが、知っておくべきことだと思うので、同世代の方に是非読んでもらいたいです

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    2010年12月18日
  • ゴヤ I スペイン・光と影

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    文庫になったので購入してしまいました。
    旅先で。
    しかし、高橋源一郎のあとがきがいただけない。
    折角の本なのに 代表する作家をあげるが、果たしてそれが「代表」などと少なくとも私世代は思わないだろう。
    かなりぶれている人の 印象が否めない。
    本が良いだけに、このあとがきは残念だ。

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    2010年11月29日
  • ミシェル 城館の人 第一部 争乱の時代

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    モンテーニュを読んだので、堀田善衛も読みたくなった。堀田善衛の文章はとても独特で読みにくいのだが、読み慣れると病みつきになりそうになる。

    偏屈でわがままな城主がどんなものだったかは、ちょっとわかったかな。

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    2010年11月20日