宮坂宏美のレビュー一覧

  • 崖の上のヒバリたち

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    読後の余韻は圧倒的。子どもたちに薦めたい。
    ずっと子どもたちの記憶にのこり、糧になりそうな作品です。
    移動生活をする家族の話であり、社会的弱者の話であり、イジメの話であり、ゆるしの話でもあり、ほかにももっと。
    横書きで文字も大きく絵もあり手に取りやすい。ダウドさん、この物語を書いてくださってありがとう。宮坂さん、訳してくださってありがとう。

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    2026年04月10日
  • 崖の上のヒバリたち

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    アイルランドの移動生活者(パヴィー)の青年ジムは、新しい学校に通うことになった。別に行きたくて行くわけじゃない。役人が行けと言うから行くだけだ。でも、母さんはジムに、文字の読み方を覚えてほしいと期待している。ジムの家族はみんな文字が読めないのだ。登校すると早速生徒たちからお馴染みの差別的な反応が返ってきた。ただ一人、キットという子だけは違った。

    移動生活をしている人たちがアイルランドに今もいることを初めて知りました。家族全員文字が読めないということから、移動生活をしている人々が抱える困難が垣間見えるように思いました。この本は、差別などの問題について書かれた本であると同時に、美しい恋愛小説でもあると思います。キットも言っていましたが、『ロミオとジュリエット』を思い出しました。

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    2025年12月25日
  • すばやい澄んだ叫び

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    ★5 ヤングケアラ―15歳少女、周りの大人に助けを求められず隠し通したこと… #すばやい澄んだ叫び

    ■あらすじ
    アイルランドの小さな街、15歳の少女シェルはいつも悩み事がいっぱいの日々を送っていた。母は既に病気で亡くなり、父は仕事をせず寄付活動に没頭して貧乏な暮らし。毎日、弟と妹の面倒を見たり家事にも追われ、本人は満足に学校にも行けていない。いつも幼馴染の少年デクランや親友ブライディと悪だくみをして気を紛らわしていた。

    ある日デクランの強引なアプローチにシェルは男女の仲になってしまう。親友ブライディとも関係にひびが入ってしまい、さらには…

    ■きっと読みたくなるレビュー
    大好きな作家、シヴォーン・ダウド。デビュー作が翻訳されたとのことで、ものすごい勢いで手に取りました。

    ロンドン・アイの謎、グッケンハイムの謎でのピュアな少年少女たちが忘れられないんですよね。いつの間にか汚い大人の世界に浸ってしまっているわたくし… この一冊で私を浄化してください。

    さて本作の主人公の女の子シェル。彼女はヤングケアラーなんです。現実が受け行けられず逃げてばかりいる父をもち、幼い弟と妹の世話をしながら家事も行う。当然お金はなく、周囲に手を伸ばしてくれる大人たちもいないという。

    いつも辛い思いをしている彼女は、大自然の囁きやキリスト教の癒しなどからほんの少しの希望を感じ、その日その日をギリギリで生きているんです。特に亡き母を想う切なさは、ほんとに胸が苦しくなるんだよね。

    そして物語の中盤からさらに辛いことが彼女を襲う、神様は試練を与えすぎですよ。マジどうするのよって感じで物語が進行していくんですが、ああもうどんどん酷いことに… 正直もう読んでられない。読むけど…

    出てくる大人や男どもは、まったくもってどうしようもない奴らばかり。醜い大人って感じではなく、幼稚で愚か、有り体に言うとアホ。自分の生き方に責任をとらない奴は、周りの人間に迷惑をかけるんですよ、まったくもう。

    後半に入ると、なんとミステリーな展開になってくる。こんなにも物悲しい謎とき用意してくれなくていいんだけども。そして真相は救われたような、救われてないような… 腹立たしく、何もしてあげられない自分が悔しくてしょうがない。

    読み終わってみるとひたすら酷い話なんですが、読後感は心地いいんです。いっさい穢れがなく、ピュアな心を持っている少女シェル。何があっても捨て鉢にならず、厭世的にならず、胸を張って歩いているんですよね。

    これから彼女にどんな人生が待っていても、きっと乗り越えられるという希望の光が見えたからです。

    ■ぜっさん推しポイント
    人を救うための宗教であるはずのキリスト教。しかし彼女にとっては希望を匂わせるだけで、何の助けにもなってません。周りの大人たちは何をやっていたのかと怒り心頭です。

    ローズ神父の叫びが虚しすぎる。確かにあなたは良い人、でも結果はどうだったんだと言いたい。人を救うってことは、生半可な気持ちではできず、自分自身を犠牲にする覚悟が必要なんすよね。

    現代にもある格差社会、貧困家庭にも通ずる問題、まずは手を差し伸べる機構や仕組みが必要です。さらに政治や行政に任せるだけではなく、自分自身の身銭や時間を犠牲にする覚悟が重要なんだと思いました。

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    2025年01月24日
  • 完訳 オズの小さな物語

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    ネタバレ

    シリーズの最後の本は6話の短編集です。
    どれも初めて読む話で面白かったです。
    私が子供時代に読んでいたハヤカワ文庫のシリーズを読み直したく思っていました。
    子供が産まれた頃に出版された、こちらのオズシリーズ。
    今ではハヤカワ文庫版は手に入れるのが難しいので、この本と出会えてとても嬉しかったです。

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    2022年12月12日
  • 完訳 オズのグリンダ

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    ネタバレ

    オズシリーズ最終巻!
    短編集があと一冊ありますが、長編はこれが最後だということで寂しい気持ちでいっぱいで読みました。
    とてもオズらしい内容で魔法もたくさん出ますし、お馴染みの登場人物も集結します。

    思わず「オズマ姫の12人」と頭に浮かんだ相談役たち。
    シリーズを重ねるごとに登場人物も増えましたね。
    偶然なのでしょうが、最後の長編がドロシーとオズマ姫の2人旅なのも最後にふさわしい終わり方ではないでしょうか。

    最初は「ハヤカワ文庫が読みたかったのに」と思いながら読み始めたオズシリーズでしたが、こちらのシリーズもとても読みやすくて良かったです。
    小3の子供でもひとりでさらさらと読めました。

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    2022年10月02日
  • 完訳 オズの消えた姫

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    ネタバレ

    エメラルドの都から突然消えてしまったオズマ姫。
    同時にグリンダやオズの魔法も奪われてしまって…。
    ドロシーと仲間たちはオズマ姫を探す旅に出ます。

    今回は久しぶりにドロシーが主人公。
    相棒のトトは今までになくおしゃべりです。
    あとがきにもありますが、ミステリ仕立てで面白いです。
    ウグの最後もオズの魔法使いらしい終わり方。

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    2022年08月03日
  • 完訳 オズのチクタク

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    ネタバレ

    タイトルは「オズのチクタク」ですが、チクタクはあまり活躍しません。
    今回の主人公は、難破した船に乗ってオズの国に着いたベッツィや、おなじみのボサ男だと思います。

    新しい登場人物を迎えた、懐かしいと思える仲間たちの物語は、一緒に旅に出ているようで楽しい気持ちになります。

    今回の物語の最大の驚きはラスト。
    ちょうどこの本を読んでいる最中に「ファンタスティックビースト ダンブルドアの秘密」を映画館で観たのですが、子供はこちらの秘密の方が何倍も驚いたそうです。
    私も子供時代に驚いて、今もしっかりと覚えているくらいです。

    次の物語も楽しみです。

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    2022年05月07日
  • 完訳 オズへの道

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    ネタバレ

    オズシリーズ、第五作目。

    今回は久しぶりにトトが登場。
    ドロシーとボサ男やボタン・ブライト、虹の娘との旅の物語です。

    子供からの「トトは人の言葉喋らないの?」の質問に」何でだろうね〜」今はと答えるしかない。
    小学2年生の子供でもどんどん読み進めているのは、それだけ面白いということでしょう。

    私も同じくらいの年齢でオズシリーズを読んでいて、オズの国に強い憧れもありました。
    大人になって読んでみても、やっぱり気持ちは変わらないものですね。

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    2022年02月20日
  • 完訳 オズのふしぎな国

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    ネタバレ

    オズの魔法使いの続編。

    前作以上に変わった登場人物が出てきます。
    かかしやブリキの木こりも再登場。
    主人公のチップが良い子なのか悪い子なのか微妙なところも面白いです。

    子供の時に読んで以来なので、とても新鮮な気持ちで読めました。
    オズマ姫の正体には驚かされます。

    小学生の子供はジャック・カボチャアタマやノコギリ馬、クルクルムシが大好きになったそうです。

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    2022年01月22日
  • 完訳 オズの魔法使い

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    ネタバレ

    私が小学生の時に特に好きだった本がオズの魔法使いでした。
    ハヤカワ文庫から出ていたシリーズを全部揃えたのも良い思い出です。
    いま子供が小学生になって、ぜひ読ませたいと思って本を探しました。
    ハヤカワのシリーズは今は手に入らなかったので、どの出版社の本にするかかなり悩みました。
    私としては挿絵も重要で、新井苑子さんのイラストがとても好きです。
    集英社から出ている子供向けの本は新井苑子さんの挿絵で良かったかのですが、トトの名前がトートーに訳されていて、どうしても馴染めなかったのでこちらの本を選びました。

    こちらは全ての漢字に振り仮名かあるので子供でも読めます。
    最初の部分だけ私が読み聞かせて、残りは小二の子供でもスラスラ読めました。

    何歳になってもオズの魔法使いは私の心をワクワクさせてくれます。

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    2022年01月17日
  • 完訳 オズのふしぎな国

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    オズの魔法使いシリーズ第2巻。

    今回はチップという少年が主人公。でも舞台はオズの国だし、かかしときこりも出てくるし、続編っぽさ満載。
    オズの大魔法使いの扱いが前作と違うような……と思っていたら、訳者解説できちんと話題に上げてくれていました。

    とにかく今回の話は面白かった!!下手したら前作より面白いかも……(笑)
    冒険あり戦いあり謎解きあり……ラストは普通に驚いた!あの婆さんにそんな力があるとは!!
    前作では優しいだけのグリンダもくるくる感情が変わって良かったし、ネズミの女王も出てきてほくほく。

    次巻ではドロシーが復活するみたいやし、これは是非読まなきゃ。

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    2019年09月15日
  • 完訳 オズの魔法使い

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    幼少期に本を読まずに大きくなったため、児童書にはとんと疎い私。本書も出だしのドロシーが家ごと飛ばされるシーンしか知らなかった……。

    かかし、きこり、ライオンと仲間になる感じが西洋版桃太郎みたいだなーとか思いながら読み進めて……
    え?あ?オズの魔法使いってそういうことなん?!と普通に衝撃を受ける(笑)

    今回の完訳版については、文体も読みやすく、装丁もかわいく開きやすく、とにかく読みやすい本だなーという印象。続刊があるみたいなんで、是非読んでみたい。

    あと、訳者さんのあとがきが丁寧でよかった。

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    2019年08月29日
  • 完訳 オズのふしぎな国

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    一巻より好きだった。
    ブラックユーモアもいっぱい。
    女性の考え方とか、幸せとは何かとか盛りだくさん。
    最後はサラッと切ない話もありつつ、大満足。
    続きが気になる。

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    2014年12月10日
  • 完訳 オズの魔法使い

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    オズシリーズ全14巻に日本では未刊行の番外編を
    加えた15巻を完訳なんてうれしすぎるっ!

    本自体も児童書として子供たちが読んだり
    読み聞かせてあげる本としてもより理解しやすくなっていたり、
    今までの翻訳本に比べても、ほんの少しの1行があるだけで
    大きく物語の整合性がアップしていたり、
    優しさが伝わりやすくなっていたりと
    丁寧に物語を紡いでくれていて、このシリーズで
    オズのすべてを読めると思うとますます楽しみに。

    かかしの限りない優しさと強い明るさが
    本書ではより豊かに描かれていることも
    かかしの優しさにいつも感動していた私にとっては
    よりうれしいことでした。

    ドロシーたちを包む景色の表現もとっても素敵で、
    さわやかなそよ風が眠りを覚ましてくれるのを待ったり、
    緑の野原と鮮やかな花畑で星空だけに覆われて眠ったり、
    場面を想像するためにほんの少しの表現の違いで
    こんなにも情景はよりステキに見えてくるという喜びを
    きちんと大切にしてくれている翻訳でした。

    残り14巻、とってもとっても楽しみです。

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    2013年03月21日
  • 完訳 オズへの道

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    全身ボサボサの男から、バターフィールドへの道を教えてほしいと言われたドロシー。道案内をしつつつれていくと、そこへは行きたくないから教えてほしかったという。そして何故かその場所で道が増えてしまい、カンザスの農場への道がわからなくなってしまった。
    いきなり魔法がかかったのかな、と物語は始まります。
    ボサ男、迷子の少年ボタン・ブライト、虹の娘ポリクロームたちと出会い旅をつづけ、オズマ姫の誕生日祝賀会へとむかうことなります。誕生日なので、他の巻で登場していたいろんな人物や動物が再登場。
    虹の娘もそうですが、キツネ王やロバ王など、またまた愉快なキャラクターもでてくる。頭をロバに変身されてしまったり、まあ大変!ことも起こるけれど、最後はハッピーに。オズシリーズは、みんなが楽しくなって、いいよね。

    ボサ男がね、「愛の磁石」というものを持っていて、出会うもの皆が持ってるひとを好きになるんだそうな。わたしもその磁石、ちょっとほしい

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    2013年01月03日
  • 完訳 オズのチクタク

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    船が難破して、ベッツイ・ボビンとラバのハンクは砂浜に流れ着いた。
    弟の行方を捜しているボサ男、そしてバラ王国のオズガ姫、チクタクとともに、ノーム王で金属帝王のラゲドー(以前の名前はロクワット)の洞窟へとむかうことになった。
    途中、オズの国を征服しようとたくらむウーガブーのアン女王とも合流。征服しようとするって、なんかとぼけてるんよね。
    虹の娘のポノクロームも登場。
    弟はみつかるのか、そしてアン女王の野望はどうなる?

    ドロシー達以外のキャラクター達での冒険の旅。これも読んでて楽しいよね。ほのぼのしてて。ボサ男といえば、愛の磁石。欲しい。。。


    ラストでね、トトが、まさか!です。これいちばんびっくりしたよ。

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    2013年01月03日
  • 完訳 オズのチクタク

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    オズの魔法使いシリーズ8

    なんだかチクタクの活躍が薄かった。

    オクラホマ州出身の女の子ベッツィとラバのハンク、ボサ男とバラ王国のオズガ姫、虹の妖精ポリクローム、チクタク、オズの国ウーガブー出身アン女王とその無敵軍隊、総勢二十名以上の冒険。
    各グループの目的は違ったりするけれど、共にノーム王の地下帝国へ。

    ドラゴンのクォックスは以前出てきたドラゴン赤ちゃんかなーと思ったり、王や女王たちを統治するひとりしかいない一般市民が最高統治者の国ってスゴイ発想力とビックリしたり。偉大なるジンジン強すぎ。笑。

    物語は勧善懲悪かもしれないけれど、改心したラゲドー(元ノーム王)が許されたのは安心した。

    最後、ドロシーの愛犬トトのオチはビックリ。
    そんな感じか。笑。

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    2026年09月28日
  • 崖の上のヒバリたち

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    アイルランドの移動生活者であるジム。家族全員字が読めず、トレーラーハウスで、追い立てられるたびに各地をわたりあるいて暮らしている。学校に行っても、ただそこにいるだけで差別され、なぐられ、蹴られ……。排斥される人間にとっての、世の中の残酷さがいたいほど伝わってくる。

    そんなジムに手をさしのべ、字を教えてくれる定住者のキット。彼女自身も家が貧しく、いつもぶかぶかの制服を着て、学校でも浮いている。定住者だからといって、だれもが社会に溶け込んで生きているわけではない。

    ふたりが自分たちだけのつかの間の平和を味わえる場所は、浜辺の洞窟のなか。『すばやい澄んだ叫び』でも何かが起こった洞窟なので、少しハラハラしてしまったけど。

    結局また移り住むことになるジムだけれど、LARK の文字が読めた喜びを胸に、少しでも世界を切り開いていってくれたらいいなとねがう。

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    2026年04月09日
  • 崖の上のヒバリたち

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    アイリッシュ・トラヴェラーをテーマにした物語、若者たちの純粋な気持ちに幸あれ #崖の上のヒバリたち

    ■あらすじ
    アイルランドの田舎町、トレーラーハウスで移動しながら家族と暮らしている少年ジム。周囲からは差別され、いつも街の不良たちからはケンカを売られてばかりいた。

    ある日、彼は学校に通うことになるも、やはりうまく馴染むことができない。しかし少女キットと知り合い、お互いが惹かれ合うことになるのだが…

    ■きっと読みたくなるレビュー
    シヴォーン・ダウドが初めて書いた短編、アイリッシュ・トラヴェラーをテーマに描いた物語。経済的も余裕がなく、教育も受けていない若者を主人公に、偏見と差別に晒されている現実を切り取った社会派青春小説です。

    物語自体は短くページ数は120頁程度、作中に挿絵もあります。登場人物も構成もシンプル、読み味としてもライトなので、誰にでも手に取ってもらえますよ。

    まず目が引くのがエマ・ショードが描く挿絵。水墨画のように素朴なタッチで描かれていて、でもどこか優しさを感じるイラストなんです。特にジムとキットの二人を描いた挿絵は、引力が強くて目が奪われちゃうんですよね。目の保養になりました。

    そして物語ですが… こんなにも短い話なのに涙が止まらない。まず「アイリッシュ・トラヴェラー」って知ってます? 私は勉強不足で知りませんでした。

    広義のジプシーであり移動型民族集団のひとつ、定住せずにトレーラーで暮らしています。迫害を受けたり、立ち退きを迫られることも多く、子どもたちも十分な教育を受けていません。これは昔の話ではなく、現在でも数千人、数万人の単位で存在しています。やり切れませんね…

    本書で綴られる酷い差別も見てられません… 何か悪いことをしたのならまだしも、存在してるだけで迷惑な奴に分類されてしまう。それでも手を差し伸べてくれる人もいる。

    周囲に流されず、自分で自分の意見を持つことの大切さがホントよくわかるよね。若者ふたりの純粋な気持ちは、強い意志があるから、きっと未来も明るいはず。頑張って欲しい!

    また強く深く描かれるのは、家族と言う存在ですよね。たとえどんな環境であっても、身を寄せ合いながら生きていく姿に、人生で最も大切なことを教えてもらいました。

    ちなみに作者シヴォーン・ダウドは47歳の若さですでに亡くなっています。そして彼女は恵まれない子どもたちのために、自身の著作で基金を立ち上げているそう。とても真似なんてできないけど、自分でもできることをやっていこうと思いました。

    ■ぜっさん推しポイント
    2026年 新年あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いします。

    年末年始に家族とスーパーに買い出しに行き、お寿司や牛肉などたくさん購入したんです。その後は親戚たちが集まってきて、新年の宴会が始まりました! 明るい笑い声がたえず、あっという間の数時間でしたねー

    やっぱり最も大切なのは、自分の周りにいる家族や友人たちだよね。いつまでもこの幸せを継続しますように。

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    2026年01月01日
  • 完訳 オズの魔法使い

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    あらすじとかウィキッドとか有名だけどそういえば読んだことなかったと思って読んだ本

    竜巻で家ごと知らない世界に吹き飛ばされてしまったドロシーが、魔法使いオズを訪ねて冒険する物語
    脳みそがないかかしくん、心臓がないブリキの木こり、勇気がないライオンとともに世界を旅する

    単純に旅の道中が面白くて、考える力も心も勇気も身につけてたんだよっていう結末があたたかかった

    あとがきに書いてあったんだけど、これちゃんと完結してるのに読者の期待に応えて何度も続いてるのすごい

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    2025年08月26日