田中亜希子のレビュー一覧
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4時間ひたすらページをめくった。詩を綴ることで、自分を保ち、解き放ち、戦い、守ろうとするシオマラの言葉が纏っている力に圧倒され続けた。厳格で信心深いクリスチャンの母は、もはや恐怖をおぼえるモンスターのような存在だったが、シオマラは最後まで屈せずに自分を捨てなかった。
大人たちに抑圧され、誰にも言えない悩みを抱えながら、人知れず必死に生きている中高生にずどんと力強く響くような作品なんじゃないかな。言葉にするのは憚られる本音も、大人が語ろうとしないことも、シオマラはときにストレートに、ときに婉曲にこの本に綴る。だから心がえぐられる感覚にもなるし、心の奥底にゆっくりと降りていっているような感覚にもなる。その感覚に圧倒され続け、最後には感動で胸が熱くなり本を閉じた。
言葉の力ってすごい! って感じた。シオマラに詩を書き、詩のパフォーマンスの大会に出場するよう励まし続けた先生は、言葉がシオマラを支えることをよく理解していたんだろうな。 -
Posted by ブクログ
大好きな「おちゃめなふたご」シリーズ第二弾の、新訳版です。
セントクレアズ学院の生活を目一杯楽しむ双子に、甘えん坊で泣き虫でナルシストの従姉妹、アリスンも加わって…。
アリスンは友達にするならちょっとどうかなと思う子だけど(シリーズが進むごとに成長していくので、後になるとそうは感じなくなると思いますが)、可愛くて好きなキャラクターでしたので、新訳で会えて嬉しいです。
後書きで訳者さんも話されてましたが、現在の価値観、大人になった今、旧訳より解像度が上がった新訳で読むと…
セントクレアズの子供たちがマージェリーにしたことって、「いじめ」なんですよねー…。
皆、正義感が強く真面目でユーモアもある良い子だけど、人として未熟すぎて、愛想のない新入生に何か事情があるのだろうと考えることも出来ず、感情と思い込みから、皆であの子を無視しましょう!ってなった。
しかも主人公のパットが言い出しっぺで。
こりゃマージェリーもパットなんて嫌い!ってなりますよ。(エリカのパット嫌いは逆恨みだけど)
この出来事がまたこの子たちを成長させたかもしれないけど、良い子は真似しないでね!と言いたくなるエピソードです。
だけど、さすがに主人公たちの周囲の大人たちはよく出来た大人たちですね。 -
Posted by ブクログ
子供の頃に夢中になって読んでいたシリーズの新訳版です。
ずっと、「もっと完訳に近い本が日本でも出ればいいのに!」と思っていましたので、書店で見つけて歓喜しました。
旧版よりは細部まで訳されていて、ゆえに解像度も高いです。
上流の学校で甘やかされて付け上がった双子を案じた両親に、良識あるセントクレア学院に入れられた主人公のパットとイザベル。
最初は意地を張って、学校に馴染もうとしなかった双子だけど、やがて学院の素晴らしさに気付き、友達にも心を開いて、勉強もスポーツもがんばるようになって…。
イギリスの寄宿学校、真夜中のパーティー、美味しそうな食べ物。
幼い頃の憧れが、新しい言葉とイラストで現在に甦っていました。
正直、イラストが今風になり、時代考証的にこの髪型はどうなのかと考えたり(大人は嫌ねえ)、
文章も今の子供に馴染みやすくした分、昔の上品さ伸びやかさが薄まった気もしましたが、
これは私が今の子供では無い、この本の対象の読者では無いので、気にしても仕方の無いことです。
それよりもやっぱり、新訳でまたクレア学院に通うことが出来て、とても楽しい!
今年のブックサンタに、こちらの本も寄贈しました。
異国の女の子だけの学校生活への憧れ、
欠点があっても人は良いところがあって、それに気づいて頑張れば、前より素敵な自分になれること、
私が幼い頃に抱いた憧れや受け取ったものを、今の子供たちも楽しんでくれたらと願います。
それにそんな難しく考えなくても、この本は面白いし、絵もとても可愛いから。
私の中のサンタクロースからのプレゼントですよ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ二次性徴を迎えたシオノラにかけられる言葉やプレッシャー、清くありなさいなんて枠にはまらない。
体の中でグラグラ感情が煮立っていく。
その熱を苛立ちを悲しみを怒りを詩が形にしていく。
表現するということがシオノラを救う。
ノートを燃やされた時は読んでいて絶望しそうになったけど、母親に精一杯詩をぶつけるシオノラは悲しくて強かった。
「私の中にある」
私だったらマミを許せそうになかっただろう。
いや、シオノラは許してないかもしれない。
それでも絡み合ったネックレスを解くように家族と向き合った。
これは怒りと悲しみについて書かれた本かもしれない。
でも希望でもある。
是非中高生に読んでもらいたい。