アレックス・カーのレビュー一覧

  • 観光亡国論

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    インバウンドが2000万人を突破、今年は3000万人を上回る、2020年には4000万人だと、浮かれている間に、国内の観光名所は大変なことになっているようです。
    たとえば京都。
    既に清水寺や二条城といった超の付く名所だけでなく、京都駅南側のお寺や神社でも、今は人で溢れ返っています。
    伏見稲荷大社は、鳥居が「インスタ映えする」として、いつ行っても鳥居の下に人がびっしりいて参拝もままならない。
    美しい禅庭のある東福寺も紅葉の季節になると開門からすぐに、庭を一望できる通天橋の上に人が連なり、立ち止まることも出来ないのだとか。
    他の有名観光地でも、「観光公害」とでも呼ぶべき事態が起きています。
    これで

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    2019年04月10日
  • 観光亡国論

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    観光におけるオーバーツーリズム等に警鐘を鳴らす良書。
    大型バスによる量的なものではなく、質が高く地元に金を落とす観光の在り方というのはごもっとも。
    政府は2020年に、年間4千万人の訪日旅行客を目指すというが、それだけの数が来日しても対応できるのか。既に都内では外国人観光客でごった返しているのに、これ以上物理的にも“おもてなし”的にも対応できるかは疑問がある。
    また、本書に書かれていた、島しょ部での場所に合った港の在り方では小笠原諸島が思い浮かんだ。小笠原では現在、おがさわら丸などの「船」でしか行くことができない。島を離れる際の出航風景(フェリーに併走してダイブしてくれる)は、船だからこその旅

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    2019年04月08日
  • 観光亡国論

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    ネタバレ

    <目次>
    はじめに
    第1章  テッィピング・ポイント~「立国」が「亡国」になるとき
    第2章  宿泊
    第3章  オーバーキャパシティ
    第4章  交通・公共工事
    第5章  マナー
    第6章  文化
    第7章  理念
    おわりに

    <内容>
    40年来、日本で日本文化を研究し、徳島県の祖谷の古民家や京都の古い町家を改造して、宿泊施設を作り、運営している著者の本。彼の視点は、日本を客観的に見れるし、実際に高度成長期で固まってしまった(成功体験にしがみ付いている)日本人と渡り合ってきた経験値で語られているので、適確だと思う。また出されている提案も、無難なものが多く「規制緩和」と「古い固定観念」を崩せれば、すぐに

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    2019年03月26日
  • もうひとつの京都

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    ただ観光にいくだけでは分からない、京都にある神社仏閣などあらゆるものにどんな意味があるかが見えてきます。旅にいくとき、こういうことが分かったら最高に面白いんだろうな・・・、と思います。

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    2018年09月19日
  • ニッポン景観論

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    経済成長期からいつまでも抜け出せない日本の異常な景観が、ユーモアたっぷりに斬られていく。片っ端から。
    だからといってヨーロッパを目指したところで、それは外国に憧れ日本のものを恥とした明治の始まりと変わらない。とは言え、日本らしい、その地域らしい景観づくりに取り組まなければ、すぐにアジアで一番古くさい国になる。なんて、2年ぶりのマカティで思う。

    #ニッポン景観論 #読書記録2018 #読書記録

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    2018年08月17日
  • もうひとつの京都

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    米国生まれの東洋文化研究者の随筆。かつてブルーノ・タウトは桂離宮の美を世界中に発信しましたが、この随筆は、作者の感性が美しいと感じるものを個性的な捉え方で語っている。私たちにとっては当たり前の見慣れたものの美しさを再認識させてくれる。

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    2018年02月19日
  • 犬と鬼 知られざる日本の肖像

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    長年日本に住んできた米国人による、これはなかなか面白い日本社会論である。
    本書のスポットは特に日本の行政(官僚)を中心とした社会・経済・環境破壊の動きに向けられており、ここでは「ビューティフル」と日本文化を褒め讃えるのではなく、ひたすら「異常さ」を追究している。
    明治以降、とりわけ戦後において日本式「官僚制」がすべてをコントロールする強大な権力の中心となってきたことを指摘する。この「官僚制」はマックス・ウェーバーも詳細に議論したように、どこの国にも見られる腐敗・硬直化する構造物なのであるが、とりわけ日本のそれは甚だ強烈で、政治家の力を持ってしても歯止めをかけることは難しい。
    戦後の日本はとにか

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    2017年03月29日
  • ニッポン景観論

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    都会に憧れて上京した私にとっては、とても耳の痛い話。
    若い頃はおそらく著者の意見に賛同しなかったろう。
    しかし、40を前にして、日本の良さを見過ごしていたんだと強く感じる。
    あまり意識しない日本の良さは、海外の人に指摘されるまでわからないことが多い。

    多様性って大事。チームは様々なバックグラウンドを持った人で構成すべきだ。

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    2015年03月20日
  • ニッポン景観論

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    外国人の筆者が、日本の景観の問題点を、多数の写真を見せながら皮肉混じりに語る。
    門司港レトロ地区も門司港ホテルは昔からの雰囲気を伝えているが、門司港レトロハイマートは周囲との景観の調和の点で ?
    公共事業の質的転換が急務であると思う。せめて東京五輪までには全国津々浦々電線地中化してほしいものだ。
    筆者が古民家再生に携わった長崎県小値賀町、一度行ってみたい。

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    2015年01月02日
  • ニッポン景観論

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    米国イェール大学 日本学部卒業。
    この本では写真を多用して日本の景観の悪さを「これでもか!」というくらい指摘してくれている。京都も例外でなく観光都市としてあるまじき建築物や町並みつくりがしてきされている。あのグロテスクな京都タワー、ちっとも京都らしさを感じさせてくれない京都駅ビルなど。
    全国の観光地や神社仏閣公園などにおける親切すぎるしつこい立て札のセンスの悪さ。
    電柱が倫理する古い町並みの写真。電線は、地中に埋めるべきとの指摘。埋めるのには膨大なコストがかかると日本人は思い込んでいるが...コストと効能を比較したら安いものとの指摘。
    公共工事でどんどん自然にそぐわないハコモノ建造物などが作ら

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    2014年12月15日
  • ニッポン景観論

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    日本を愛する外国人、という視点がよい。一見語られつくされ古びたような指摘も見られるが、そういう(素人的というか)市民的な指摘や、苦笑・嘲笑さえ見えてくるような数々の皮肉は、案外ピュアに心を打つ(よく伝わってくる)。まちなかの景観への関心高さも、社会制度への洞察も窺える。
    末尾には「愛しているなら、怒らねばならない」という白洲正子の言葉も紹介。怒ってくれるカーに日本人として感謝するとともに、自身も街なかの情景に対する「怒り」の感情を、大切にしていきたいと思った。

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    2014年11月27日
  • ニッポン景観論

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    ネタバレ

    ニッポンの景観が壊されていくと。電信柱、橋、携帯の基地局、ダム、護岸、工事の際の防護壁、ブルーシート。欧米では、建物の工事の際も、景観と訪れる人への配慮で、足場などにも工夫を施すと。ちょうど、鎌倉の段葛も工事に入ったが、無愛想な壁面になり、道路を断絶している。もう少し何とかならないものかと、この本を読んで特に思う。

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    2014年11月18日
  • 「日本ブランド」で行こう

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    ○日本文化の発信より外の刺激を受信する。

    ○実に帰る。実から芸術を生み出す。

    ○眠っているものと目覚めたものとの溝。中間の不在。

    ○犠牲と無責任

    ○教育の多様性は教科書検定をなくすことから。

    日本にとっての外は、単なる外国として良いのか。

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    2010年01月01日
  • 犬と鬼 知られざる日本の肖像

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    日本の魅力を発信するアメリカ人による、日本の問題点をした本。日本のバブル後の失われた20年に起こった日本の課題を指摘している。断片的な事象もって日本の官僚組織を批判したり、一部の意見をもって日本の特性と断定したり、分析・評価に説得力のない点が多いが、外国人から見た当時の一面としては、参考になる。経済的な基礎知識が欠如していると思われ、残念。

    「瑞々しく青々とした山々、エメラルド色をした岩の上を流れる清流など、世界でも有数の美しい自然環境。東アジアのあらゆる芸術的財産を受け入れ、何世紀もの間日本特有の感性でさらに練り磨いた、アジアで最も豊かな文化遺産。先進国でも屈指の優秀な教育制度や、高度なテ

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    2023年04月02日
  • 観光亡国論

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    ネタバレ

     観光立国が観光客の急増で、京都の寺社は人がびっしり並び参拝もままならない。穴場もSNSで拡散されるや、たちどころに荒らされてしまう。観光公害、観光亡国にならないようにするのに必要なのは、適切なマネジメントとコントロール。アレックス・カー「観光亡国論」、2019.3発行。宿泊、オーバーキャパシティ、交通、マナー、文化などに言及されています。規制強化と規制緩和のバランス、入場予約制度と管理費(入場料)の徴収、車誘導から歩行方式に、看板公害の除去、旅行会社依存からの脱却など。

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    2023年03月18日
  • ニッポン巡礼

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    ネタバレ

     白洲正子の文筆「かくれ里」(1971年)に魅せられた東洋文化研究者、アレックス・カー(米人)が、ひっそりとした寺社、山間の集落、海沿いの棚田などを巡り、日本の隠された魅力を紹介した本。「ニッポン巡礼」、2020.12発行。能登半島「白米千枚田(しろよねせんまいだ)」、鳥取県智頭町「板井原集落」、萩「東光寺」、滋賀県「三井寺」、南会津「大内宿」など。

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    2023年03月05日
  • ニッポン巡礼

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    ネタバレ

    知る人ぞ知る「かくれ里」を巡り、紹介する紀行文。
    1、日吉大社、慈眼堂、石山寺
    2、羽後町田代、阿仁根子
    3、能登半島
    4、八頭町、智頭町
    5、奄美大島
    6、萩
    7、三井寺
    8、南会津
    9、青ヶ島
    10、三浦半島
    3、8、10以外はなじみがなかった。
    訪問を今後の楽しみにしたい。
    文章のインパクトはやや弱め。

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    2021年06月26日
  • 観光亡国論

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    アレックス・カー氏の著書はもう何冊か読んでいるので、既視感がある記述も多いんだけど、何度読んでも納得できる指摘が多い。

    文字だらけ(禁止文言だらけ)の観光地や電線だらけの町並みは、見ていて気持ちがいいもんじゃない(東南アジアなみにカオスになるとあれはあれで面白い 笑)。

    〈商店街が観光地されることで、それまでの町とは関係のない業者や商品が入ってきて、その地域全体の文化や個性が消えてしまう〉ことはしばしば起こる。

    横浜の中華街が典型か。店の人が中華街の中に住まなくなったことも背景にあるようだ。同じ神奈川だと鎌倉の小町通りも。最近は駅の逆側の御成通りも観光地仕様になってきている。

    一時期、

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    2021年04月02日
  • もうひとつの京都

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    尊敬するアレックス・カーの、京都についてのエッセイ集。
    観光客的な視点から、もっと日常に近い感覚で京都の街を歩き、ふすま・屏風・門といった特定の建物部分や物から、日本の文化思想的なもの、カー自身が思い巡らしたことについて書いている。

    写真と紋切り型のガイドブックに飽きたら、このような本をガイドのお供にしても面白い。

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    2020年08月13日
  • ニッポン景観論

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    日本の景観について外国人が提言するといった感じ。古き良き日本の風景を大切にというのを基調に美しい日本の風景を大切にしようという話。どうして外国の市街地が美しいかの実例などもあり面白い。ほっといてくれよ(笑)と思うところもある。が、この人が具体的に関わった工事を見るとなるほどなと思う。ただ、これは頷けるところとそうでないところがある。こういう議論が広く行われて景観ヒステリーみたいなのにならないようにしながら、外国人にも喜んでもらえる日本らしい景観と調和した国土を模索したらどうかなと思った。

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    2017年12月18日