この本は歴史の教科書でもなく、京都の重要なことをまとめた集大成でもなく、ある特定の寺院についての解説書でもありません。観光ガイドや歴史書に出てくるような詳細な情報、たとえばお寺の開創年、アクセス情報、メインの見どころは述べていません。それより、私とキャシーが京都の表通りよりも裏路地を歩いて興味をもったものを追求して得た知識や情報を盛り込みました。(中略)この本で述べていることは、一般的に教わる日本と京都の歴史とは合致しないかもしれません。あくまで「口伝」であり、これまで誰も書き下ろしたことのないものです。(「はじめに」より一部抜粋)
Posted by ブクログ 2020年08月13日
尊敬するアレックス・カーの、京都についてのエッセイ集。
観光客的な視点から、もっと日常に近い感覚で京都の街を歩き、ふすま・屏風・門といった特定の建物部分や物から、日本の文化思想的なもの、カー自身が思い巡らしたことについて書いている。
写真と紋切り型のガイドブックに飽きたら、このような本をガイドのお...続きを読む