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京都の名所旧跡の路上にも、醜悪な電柱と電線が張り巡らされている――。1960年代以降、日本の国土は開発により「近代的」に変わり始めた。伝統的な景観がさまざまな形で壊されていく様子を、著者は“国際的な目線”で見続けてきた。本書は、全国で撮影した「醜悪な建築」「邪魔な工業物」「過剰な看板」などの写真を並べながら、日本の景観が壊されてしまう構造を論じ、貴重な観光資源を破壊する国家的損失を指摘し、美しい景観を取り戻すにはどうすればいいのかを提言する。異色のヴィジュアル文明批判である。【目次】序章/第一章 細かな規制と正反対の眺め ―電線、鉄塔、携帯基地局/第二章 「町をきれいにしましょう」 ―看板と広告―/第三章 コンクリートの前衛芸術―土木/第四章 人をビックリさせるものを作る力―建築、モニュメント/第五章 ピカピカの「工場思想」―工業モード/第六章 人生は「ふれあい」―スローガン/第七章 古いものは恥ずかしい―町へのプライド/第八章 国土の大掃除―観光テクノロジー/ニッポンの景観テクノロジーを世界へ/終章 日本人が掌に持っている宝
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Posted by ブクログ
読みながら、なぜか恥ずかしいという気持ちが湧き上がってきた。
「愛しているならば、怒らねばならない」と白洲正子がいった。
日本人は日本を本当に愛していますか?という問いかけにたじろぐ。
どこに行っても、同じような街の景色。川辺や海沿いは、コンクリートで固められている。看板はだしたいだけだす。〇〇をしてはいけないという注意書き。街路の木は病気のように丸裸。
自然に対して、あるがままが、なぜそんなに嫌いなのですか?
禅の言葉「明珠在掌」は、昔ある人が、世界一ひかる珠を探して、何十年も諸国を周り、結局珠は見つけられず、最後は自分の掌の中にあった。
日本は「光る珠」だよとアレックスカーに教えられた。
日本ではない日本を受け入れていたことに気がつかされた。
Posted by ブクログ
今まで日本の景観をぶち壊しにしてきた無法者に知って欲しい。それは今も続いているのだ・・・そんな著者の憤りを感じさせ、共感もする。
著者アレックス・カー氏は亀岡、バンコク、徳島県祖谷などを拠点とする多地域居住者だ。
日本は製造業の時代がピークを過ぎ、今後は観光業育成が課題だが、日本の景観に対する認識に対し、疑問を持つ著者。
奇抜なデザインで歴史や自然を圧倒する土木構造物・建築物を対象とした「アレックス景観賞」。皮肉たっぷりの解説を楽しめる。
日本は戦後の70年で見事なまでに国土を汚してしまいました。かつてあった「何もない魅力」が失われている。ブルーシートがない、ビニールハウスがない、看板や電線や鉄塔がない、コンクリートの法面がないそんな景観を復元するために、国土の大掃除が求められているという。
確かに暮らしの中の景観は人間のメンタルから影響が及んでいると感じる。
Posted by ブクログ
著者はイェール大学で日本を研究していた。外国人っぽい皮肉に富んだ語り口が面白い。
自身も以前から公共工事一辺倒の景気対策には疑問であった。地方の土建業は、ほぼ公共工事だけで経営されている所も多く、そんな会社は税金の投入がなければすぐ破綻だ。そもそもこれで景気は回復していない。日本の国家予算における土木関連の割合は先進国の中では圧倒的に高く(コンクリートの使用量は米の33倍!)、そのため膨大な財政赤字を積み上げる羽目になった。因みに教育費のそれはOECD加盟国中5年連続最下位だ。こんなことで国の将来が明るい筈が無い。しかもそれだけ金を使って自然を破壊し、更にはセンスゼロの景観をこれでもかと増やし続ける行政に呆れるばかりだ。
しかし、このような事態は行政ばかりの責任ではなかった。日立は自社の宣伝のため、名所名跡各所に立看板を立てまくり雰囲気を悪くしている。(自宅に日立製品は一つたりとも無かった。こうしたセンスの無い会社には魅力の有る製品が作れないのかも)
電信柱が林立している国も先進国では日本だけであり、中国などアジア諸国でも、地中化が進んでいるようだ。
日本の建築家は奇を衒う事を旨としており、地域のトータルデザインという概念は無く、行政の仕事ぶりを見る限り、彼らは自然を憎み、コンクリートとアスファルトで直線的に埋め尽くす事を美しいこと、進化していることと認識しているかのようだ。
兎に角この本の写真だけでも多くの方に見て頂きたい。(アメリカの携帯用巨大アンテナが巨木に擬装してるのに感心した)
これでも日本は観光立国を目指しているという・・・残念。
Posted by ブクログ
Keywords:景観、看板、観光、リノベーション
内容は次のようであった。
①日本の景観配慮に対する遅れの指摘、看板が景観をみだす→ニーズに合わせるべき②土木は環境との調和を無視してきた、大きく派手に作る事がメイン、今後は撤去が必要③建築でも周辺環境をぶち壊し、びっくりさせることがいいとされている、地味なところには目向けられず、奇抜なものは建てられる④日本全体が無機質な工業モード⑤スローガンに惑わされる逆説的道徳論⑥歴史の否定、古くさいものへの嫌悪→とにかく新しく奇抜に⑦地元へのプライドのなさ⑧ゾーニングがなく、小手先の規制のみ⑨どの街もホテルからの景色は同じ⑩観光客の適切な管理(11)景観を経済的に発展させる必要がある、(12)リノベーション(13)何もない魅力(14)公共事業の中身を変える(15)文明・発展ではなく、自然・文化を再認識すべき
中でもスローガンに関する事や、日本人の地元へのプライドの無さと言った内容が印象的だった。
Posted by ブクログ
日本は美しい、と外国からの観光客から言われることがあるけれど、本当にそうかな?
例えば新幹線からの車窓。富士山が見えれば綺麗だとは思うけど、目障りで派手な看板や壊れた物置き小屋、線路際に打ち捨てられた粗大ゴミなどがどうしても目に入ってくる。外国の方々も目にするであろうそれらの汚いものに対して、なぜ日本人は無頓着なんだろうといつも感じていた。もっと人の目、観光客の目を気にして欲しい。
観光地で写真を撮ろうとしても、火気厳禁とか無粋な立て看板やノボリ(これは本当に邪魔)が目立ってしまい、美しくない。
景観に対する日本人の自覚の無さ、意識の低さ。
たしかに、外国に行くと車窓からの眺めは本当に美しいし、有名な建築の周りには不要な看板などは無いもんなぁ。外国では景観に対して結構厳しい規制があるみたい。洗濯物を外に干しちゃダメとか、窓には花を飾るとか、建物の色は統一するとか街ぐるみで景観を大切にしているのを少し見習いたいと思った。
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