【感想・ネタバレ】ニッポン景観論のレビュー

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Posted by ブクログ 2020年05月28日

読みながら、なぜか恥ずかしいという気持ちが湧き上がってきた。
「愛しているならば、怒らねばならない」と白洲正子がいった。
日本人は日本を本当に愛していますか?という問いかけにたじろぐ。
どこに行っても、同じような街の景色。川辺や海沿いは、コンクリートで固められている。看板はだしたいだけだす。〇〇をし...続きを読むてはいけないという注意書き。街路の木は病気のように丸裸。
自然に対して、あるがままが、なぜそんなに嫌いなのですか?
禅の言葉「明珠在掌」は、昔ある人が、世界一ひかる珠を探して、何十年も諸国を周り、結局珠は見つけられず、最後は自分の掌の中にあった。
日本は「光る珠」だよとアレックスカーに教えられた。
日本ではない日本を受け入れていたことに気がつかされた。

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Posted by ブクログ 2020年04月03日

ちょっとした衝撃。
日本の景観が醜いのは分かっていたが、じゃあどうすればよいのか、というのは分からなかったのだが、本書はそれをクリアにしてくれた。
欧米の価値観だと言われればそれまでだが、やはり世界
学ぶ必要がある。

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Posted by ブクログ 2018年11月24日

改めて怒りに震えつつ、焦燥感に、あわわわわ、となる
良い本でした

日本人は季節を大事にし自然と共存しているなんて信じてる人、そんなの絶対に嘘だと気付いてる人、どっちも読んでみてくださいな

よくわかりましたので焦る

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Posted by ブクログ 2016年05月16日

今まで日本の景観をぶち壊しにしてきた無法者に知って欲しい。それは今も続いているのだ・・・そんな著者の憤りを感じさせ、共感もする。
著者アレックス・カー氏は亀岡、バンコク、徳島県祖谷などを拠点とする多地域居住者だ。

日本は製造業の時代がピークを過ぎ、今後は観光業育成が課題だが、日本の景観に対する認識...続きを読むに対し、疑問を持つ著者。
奇抜なデザインで歴史や自然を圧倒する土木構造物・建築物を対象とした「アレックス景観賞」。皮肉たっぷりの解説を楽しめる。

日本は戦後の70年で見事なまでに国土を汚してしまいました。かつてあった「何もない魅力」が失われている。ブルーシートがない、ビニールハウスがない、看板や電線や鉄塔がない、コンクリートの法面がないそんな景観を復元するために、国土の大掃除が求められているという。

確かに暮らしの中の景観は人間のメンタルから影響が及んでいると感じる。

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Posted by ブクログ 2015年12月10日

著者はイェール大学で日本を研究していた。外国人っぽい皮肉に富んだ語り口が面白い。
自身も以前から公共工事一辺倒の景気対策には疑問であった。地方の土建業は、ほぼ公共工事だけで経営されている所も多く、そんな会社は税金の投入がなければすぐ破綻だ。そもそもこれで景気は回復していない。日本の国家予算における土...続きを読む木関連の割合は先進国の中では圧倒的に高く(コンクリートの使用量は米の33倍!)、そのため膨大な財政赤字を積み上げる羽目になった。因みに教育費のそれはOECD加盟国中5年連続最下位だ。こんなことで国の将来が明るい筈が無い。しかもそれだけ金を使って自然を破壊し、更にはセンスゼロの景観をこれでもかと増やし続ける行政に呆れるばかりだ。
しかし、このような事態は行政ばかりの責任ではなかった。日立は自社の宣伝のため、名所名跡各所に立看板を立てまくり雰囲気を悪くしている。(自宅に日立製品は一つたりとも無かった。こうしたセンスの無い会社には魅力の有る製品が作れないのかも)
電信柱が林立している国も先進国では日本だけであり、中国などアジア諸国でも、地中化が進んでいるようだ。
日本の建築家は奇を衒う事を旨としており、地域のトータルデザインという概念は無く、行政の仕事ぶりを見る限り、彼らは自然を憎み、コンクリートとアスファルトで直線的に埋め尽くす事を美しいこと、進化していることと認識しているかのようだ。
兎に角この本の写真だけでも多くの方に見て頂きたい。(アメリカの携帯用巨大アンテナが巨木に擬装してるのに感心した)
これでも日本は観光立国を目指しているという・・・残念。

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Posted by ブクログ 2015年07月01日

内容紹介
「醜悪な建築」「邪魔な工業物」「過剰な看板」などの写真を並べながら、なぜ日本の景観は破壊されるのか、貴重な観光資源を取り戻すにはどうすればいいのかなどを論じた、異色のヴィジュアル文明批評。

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Posted by ブクログ 2018年08月17日

経済成長期からいつまでも抜け出せない日本の異常な景観が、ユーモアたっぷりに斬られていく。片っ端から。
だからといってヨーロッパを目指したところで、それは外国に憧れ日本のものを恥とした明治の始まりと変わらない。とは言え、日本らしい、その地域らしい景観づくりに取り組まなければ、すぐにアジアで一番古くさい...続きを読む国になる。なんて、2年ぶりのマカティで思う。

#ニッポン景観論 #読書記録2018 #読書記録

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Posted by ブクログ 2015年03月20日

都会に憧れて上京した私にとっては、とても耳の痛い話。
若い頃はおそらく著者の意見に賛同しなかったろう。
しかし、40を前にして、日本の良さを見過ごしていたんだと強く感じる。
あまり意識しない日本の良さは、海外の人に指摘されるまでわからないことが多い。

多様性って大事。チームは様々なバックグラウンド...続きを読むを持った人で構成すべきだ。

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Posted by ブクログ 2015年01月02日

外国人の筆者が、日本の景観の問題点を、多数の写真を見せながら皮肉混じりに語る。
門司港レトロ地区も門司港ホテルは昔からの雰囲気を伝えているが、門司港レトロハイマートは周囲との景観の調和の点で ?
公共事業の質的転換が急務であると思う。せめて東京五輪までには全国津々浦々電線地中化してほしいものだ。
...続きを読む筆者が古民家再生に携わった長崎県小値賀町、一度行ってみたい。

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Posted by ブクログ 2014年12月15日

米国イェール大学 日本学部卒業。
この本では写真を多用して日本の景観の悪さを「これでもか!」というくらい指摘してくれている。京都も例外でなく観光都市としてあるまじき建築物や町並みつくりがしてきされている。あのグロテスクな京都タワー、ちっとも京都らしさを感じさせてくれない京都駅ビルなど。
全国の観光地...続きを読むや神社仏閣公園などにおける親切すぎるしつこい立て札のセンスの悪さ。
電柱が倫理する古い町並みの写真。電線は、地中に埋めるべきとの指摘。埋めるのには膨大なコストがかかると日本人は思い込んでいるが...コストと効能を比較したら安いものとの指摘。
公共工事でどんどん自然にそぐわないハコモノ建造物などが作られている。もう十分過ぎる!これからの公共工事の予算は不要な建造物を取り壊す予算に回すべきであるという指摘はすばらしい。私が議員になったら予算を取ってきて、ハコモノや橋や道路をつくります。だからアタナの一票をいれてください!という議員や完了や有権者の頭の転換が必要との指摘は素直に理解できる。

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Posted by ブクログ 2014年11月27日

日本を愛する外国人、という視点がよい。一見語られつくされ古びたような指摘も見られるが、そういう(素人的というか)市民的な指摘や、苦笑・嘲笑さえ見えてくるような数々の皮肉は、案外ピュアに心を打つ(よく伝わってくる)。まちなかの景観への関心高さも、社会制度への洞察も窺える。
末尾には「愛しているなら、怒...続きを読むらねばならない」という白洲正子の言葉も紹介。怒ってくれるカーに日本人として感謝するとともに、自身も街なかの情景に対する「怒り」の感情を、大切にしていきたいと思った。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2014年11月18日

ニッポンの景観が壊されていくと。電信柱、橋、携帯の基地局、ダム、護岸、工事の際の防護壁、ブルーシート。欧米では、建物の工事の際も、景観と訪れる人への配慮で、足場などにも工夫を施すと。ちょうど、鎌倉の段葛も工事に入ったが、無愛想な壁面になり、道路を断絶している。もう少し何とかならないものかと、この本を...続きを読む読んで特に思う。

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Posted by ブクログ 2017年12月18日

日本の景観について外国人が提言するといった感じ。古き良き日本の風景を大切にというのを基調に美しい日本の風景を大切にしようという話。どうして外国の市街地が美しいかの実例などもあり面白い。ほっといてくれよ(笑)と思うところもある。が、この人が具体的に関わった工事を見るとなるほどなと思う。ただ、これは頷け...続きを読むるところとそうでないところがある。こういう議論が広く行われて景観ヒステリーみたいなのにならないようにしながら、外国人にも喜んでもらえる日本らしい景観と調和した国土を模索したらどうかなと思った。

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Posted by ブクログ 2016年08月29日

確かにニッポンの景観は醜悪。
ごもっともな指摘ばかり。

皮肉がキツイので身内の悪口を言われているような気分にもなるけれど、ニッポン人も成長から成熟へと向かっていけるように、少しずつやっていくしかない。

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Posted by ブクログ 2016年01月18日

海外と日本の観光地は何かが違うなと思っていたことがこの本ではっきりしたように思う。
もし日本にダヴィデ像があったらという合成画像など視覚的にも問いかけてくる本。
2020年の五輪前である今だからより読んだ方がいい本かもしれない。

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Posted by ブクログ 2015年06月14日

 アレックス・カー健在である、というか全く変わっていない。もう20年も前から日本の風景を愛するとともに、それをぶち壊す電柱や看板や現代建築物に異を唱えてきた。
 彼の主張にはまったくの同感である。
 本書は彼のブレのなさを示しており好感は持てるのだが、もっと新しい意見や提案などがあれば、さらにおもし...続きを読むろかったと思う。20年前よりも携帯電話やインターネットなど生活様式が大きく変化しているのだから、別な取り組みや発展した考察がほしいと思うのは、欲張りすぎるだろうか。

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Posted by ブクログ 2015年04月30日

日本の景観を世界へ、というモンタージュ企画は皮肉が効いていて面白いと思ったが、田舎のブルーシートにまで文句をつけられると正直「そんなもんくらいほっといてんか!」というナショナリストの血が騒ぐ。西洋の優れた見識でアジア未開人の蒙を啓くというイヤミはシンガポール等のアジア優等生を引き合いにだして論を立て...続きを読むたところで否定しがたい。

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Posted by ブクログ 2014年10月29日

今年話題の新書とのこと。日本に長く住むアメリカ人で、東洋文化研究者である著者が、日本の公共事業がどれだけ景観をぶっ壊しているかを熱く語ってる。お説ご尤も、全く異論ない、ばっさり切って当然、でもなんかものすごく脂っぽいラーメン食べた後みたいなもたれ感はなんだろう?(苦笑)

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2014年09月30日

東京は住む環境に値しない。

長野県どん詰まりの田舎から東京に帰るたびに常々思う。

人が多すぎ、なんか生ゴミ臭い、空は狭い、水がマズい。

そんなコンクリートジャングルの汚い写真がこれでもかと本書には掲載されている。

だから本来の日本の風景を取り戻そう、というのが筆者の主張である。


さて、こ...続きを読むこまで同意してきたのだが、この主張には反発してみよう。

一転反論である。

かつて日本の町は木と紙と土の家だった。

大地震が起き、戦争で焼け野原になり、その度に焦土の中から復興してきた。

現在の日本の(特に東京)のコンクリートジャングルは合理性の塊である。

地震に強い、火事に強い、さらには東京一極集中の人口を飲み込むマンション群。

景観、そんなものは災害の度に失くしてきた。

出口戦略がまるで無く、ただただ合理性のみを追求してきた街並みが東京である。

その結果、日本が得た最大の武器はインフラ技術である。

家電、半導体など日本がかつて市場を席巻していたことは今は昔、軒並みオワっている。

21世紀に入り情報産業で日本は押され続け、世界に対して技術的優位を保っている分野は、もうほとんど無い。

残ったのは自動車産業、そしてインフラ技術だ。

コンクリートで谷を埋め、コンクリートで川を堰き止め、山を削り、道を伸ばし、自然を破壊してきた代償に得たのがインフラ技術である。

そのインフラ技術を求める声が世界にある。

その技術は誇ってもいい。

だから、日本の醜い景観を並べ「だから日本は醜い」とディスるだけの主張には腹が立つのだ。


数百年前の街並みが未だに残る大学町、オックスフォード。

塔から見下ろすレンガ色の家々、フィレンツェ。

いくつもの時計塔が町から突きだす、コペンハーゲン。

旧市街のカラフルな家が並ぶ旧市街、ストックホルム。

川向うに立ち並ぶ無数の塔が夜の街に浮かぶ、プラハ。


ヨーロッパの国々は美しい。

景観を壊すことは文化を壊すことだ。

しかし、東京のどこに守るべき景観がある?


描くべき未来がなく、合理性を追求し続ける都市、東京。

SF映画で描かれる未来的な都市になる可能性があるのは、世界中で東京だけなのではないかと思う。

ならばいっそ、その可能性に賭けてみるのが面白いのではないか。


東京は汚い、住む環境にない、ならば田舎に来ればいい。

今住んでいる長野県は空家率が全国二位、お隣の山梨県は全国一位だそうだ。

これから空家率は増える一方、需要が無いなら価格も下がるだろう。

平日は東京で仕事をして、休日は田舎ライフ。

都会の汚さを嘆くなら、そんなライフスタイルはどうだい?

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