改めて言いたいが、史上最強の力士・雷電と、印度最高の破壊神・シヴァのガチンコタイマンは、実に素晴らしかった。
全力を出し尽くし、相撲への愛を取り戻した雷電が惜敗を喫し、消滅してしまったのは、素直に悲しいけれど、シヴァをここまで追い詰めただけでなく、彼の心に「尊敬」を根付かせた事を思うと、その悲しみが
...続きを読む吹っ飛ぶほどに嬉しい。
激闘を重ねていく中で、神の中で、人間に対する印象が変化していく、この展開、私は好きだ。
そんな中で、第6戦目に動き出すんだが、この引っ繰り返し方は、今までで最も驚かされたっつーか、絶句させられた。
この(11)の表紙を、釈迦が飾っていたので、神サイドの闘士は彼だろう、と予想していた。実際、ゼウスが釈迦に自ら会いに行き、指名をしていたので、「やっぱり、そうか」と思い、「じゃあ、人間側は誰が出るんだろう?」とワクワクしていた。
それが、どうだ。まさか、釈迦が神たちを裏切り、人間サイドの闘士として戦う、と声高らかに宣言するとは!? 梅村先生、やってくれるなぁ・・・あざっす!!
当然、誰も彼も絶句を余儀なくされ、神サイドではブチ切れる者がほとんど。
けど、そんな怒りや罵倒をぶつけられようと、釈迦は揺るがない。何故なら、生まれながらにしての、天上天下唯我独尊だから。
人から神に到ったって意味では、最期まで人間への愛を失わなかったヘラクレスと同じだから、人間の味方をするってのは、まぁ、おかしくないのか。
そんな「我儘」を貫けるだけの実力がある釈迦と戦う相手が、これまた、ビックリ。既に選出されている神が出てくるのか、と思ったら、七福神が合体・・・正確に言えば、元の姿に戻った、だけど、した零福。もう、明らかにヤバい。
今まで以上に、どっちが勝つのか、分からん。けど、一つだけハッキリしているのは、因縁があるだけに、このタイマンは物凄い事になる!!
この台詞を引用に選んだのは、ヘルメスさん、解かっていらっしゃる、と思えたので。
嬉しいものだ、人間の努力や鍛錬、それだけが生み出せる強さを、神様が認めてくれる、と言うのは。
そんな人間の努力が、神にぶつけられ、凄い戦いを繰り広げる、この『終末のワルキューレ』って漫画は、だからこそ、面白い。
「もし、あの人間が、最後まで喧嘩(何でもあり)で闘っていれば、いかに超人的な筋肉があろうと、天下一の喧嘩師・シヴァの敵ではなかったでしょう・・・・・・おそらく、気が遠くなるほどの鍛錬によって磨き抜かれた、力士 雷電為右衛門のあの鉄砲(必殺技)が・・・つまり、“相撲”こそがシヴァ“神”をあそこまで追い詰めたのです」(byヘルメス)