ひたすらに耐え、「正しさ」に殉じ、常に全力の攻撃を繰り出す闘神・ヘラクレス
ありとあらゆる小細工を駆使し、奇手で追い詰め、相手を恐怖させることを何よりも楽しむ悪人・ジャック・ザ・リッパ―
判り易いくらい、対極にいる人と神のタイマンだからこそ、より面白いんですよねェ
性質的に、ジャックに好感を持てない
...続きを読むのは当然の話なんですけど、ここまで、純粋悪に到達していると、ただただ、凄いなぁ、としか言えません
梅村先生、よくもここまで、どす黒いキャラクターを生み出しましたね
卑怯な手を使ってくる相手だと判断できるからこそ、何をしてくるのか、判らない、と恐れさせる戦い方は勉強になります
もっとも、そんなジャック・ザ・リッパーの悪意に、まるで臆さず、自分の寿命が削れるのも承知で、強烈な大技をぶっ放せるヘラクレスもまた、逆に怖いんですけどね
話の中で、マルスも言っていますけど、ヘラクレスを最強としているモノは、異様なまでに打たれ強い肉体や、鍛え上げられた体躯に宿る剛力、試練を乗り越えた末に会得した「十二の災禍と罪過」じゃなく、どれほどの窮地に追い込まれようとも折れる事ない強靭な勇敢さでしょう
人を守る、それが正しき行為、と生まれながらに信じているからこそ、こんな無茶する性格になったのかも知れません、ヘラクレスは
マルスと真正面から殴り合い、ゼウスに対して、交換条件を出せる剛毅さには、開いた口も塞がらなくなります
ヘラクレスは単なる怖いもの知らず、じゃないんでしょうね
死にたがり、じゃなく、守るために生きる覚悟があるからこそ、どんな敵にも立ち向かっていけるのでしょうか
この(6)で、ジャック・ザ・リッパーが、まさかの方法と凶器で、そんなヘラクレスを大ピンチに追い込んでいます
間違いなく、次巻で決着となるでしょう
環境によって怪物となった、ジャック・ザ・リッパーの類稀なる悪意が、ヘラクレスの高潔な心を恐怖に染めてしまうのか、それとも、瀕死状態に追い込まれようとも挫ける事のないヘラクレスの心が、逆に、ジャック・ザ・リッパーに恐怖を教えるのか
一体、どっちが生き残るんでしょう
もう、楽しみ過ぎます、(7)を読むのが
この台詞を引用に選んだのは、その通りだな、と納得できたので
痩せ我慢、ちっぽけなプライドは男にとって大事なことです
けど、ヘラクレスの言う通り、死んでしまったら元も子もありません
自分のためじゃなく、他人の為の強さを欲するからこそ、ヘラクレスは、役に立てなかった、その悔しさも飲み込んで、体を大きくするべく、肉を取ったのでしょう
強くなりたいのなら、自分の勝手な都合はひとまず、脇に退ける、それが出来るのも大切なのかもしれません
「分かってる・・・・・・いくら強くなりたくても、死んでしまったら、意味がないからな」(byアルケイデス)