楊海英のレビュー一覧

  • アルジャイ石窟 ――モンゴル帝国期 草原の道の仏教寺院

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    ラマ教について、またチベットや内モンゴルについて基本的な理解がすすむ本だった。
    現在の厳しい状況も窺い知ることができて複雑でもある。
    図版が美しい。

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    2025年01月30日
  • 内モンゴル紛争 ──危機の民族地政学

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    ネタバレ

    著者は中国の内モンゴル自治区出身で静岡大学の文化人類学者。

    本書執筆の意図の中心には、直近の民族問題である習近平中国の2020年の内モンゴル自治区に対するモンゴル語教育禁止命令に対する元宗主国たる日本への中国の内モンゴル人同化政策阻止運動への期待にある。しかし、その根底となる知識、広く周辺の知識として、中央部ユーラシアを基礎に据えた民族地政学の提唱と言語問題を含む国際的民族問題、共産党中国、漢人の金丹道やスターリンのソ連のモンゴル人、ウイグル人、カザフ人、チベット人に対する多くのジェノサイドなどが述べられ、最後に国際的民族問題に対して日本がとるべき行動が述べられる。

    実は中華人民共和国と内

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    2024年12月16日
  • モンゴル帝国 草原のダイナミズムと女たち

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    モンゴル人オイラト万戸出身で杉山正明に師事した著者がモンゴル語、日本語、中国語、英語の文献を駆使し、モンゴル帝国の政治は后妃とりわけコンギラート部の后妃が牛耳っていたことを物語風に解き明かす。
    かねて遊牧民では女性の地位が高いことは言われていたが、后妃の権力基盤の掘り下げはなく、物語に過ぎないのは今一つ物足りない。

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    2025年04月07日
  • 独裁の中国現代史 毛沢東から習近平まで

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    靖国問題は国内政治のために利用されただけだと考えています。そもそも中国はそれまで靖国神社を問題になどしていなかったのです。  靖国問題をめぐっては、日本国内でも大きな議論となり、左右両陣営に分断されました。それもまた中国側の狙いどおりです。日本は中国に踊らされているのです。それを見た韓国が同様の手法で日本を攻撃するようになりました。慰安婦や徴用工問題などでクレームをつけて日本を踊らせる。日本もいちいち踊るから、彼らの術中にはまるの

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    2023年07月18日
  • 独裁の中国現代史 毛沢東から習近平まで

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    中国共産党の歩みをざっと把握できます。
    習近平がどのような土壌で生まれたのか、中国がチベット・ウイグルに対してどのような考えから弾圧しているのか、それらがアンチ・中国に走ることなく説明されていました。
    中華人民共和国がどのような国か理解できる良書です。

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    2022年11月02日
  • モンゴル人の中国革命

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    モンゴル人の立場から描いた20世紀前半の中国の歴史といういうべきか。しかし、著者は「中国の歴史」とするのは反対するであろう。
    歴史の見方というのは、立場を変えれば一変するという好例である。

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    2022年07月31日
  • 中国の暴虐

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    南モンゴル出身の楊海英教授、ハルビン出身で芥川賞作家の楊逸、櫻井よしこの中国の覇権主義に関する鼎談。
    モンゴル、チベット、ウィグルでの残虐なジェノサイド、オーストラリアでのサイレントインヴェジョン(中国人富豪の政治家、大学への多額な資金提供による親中国派拡大策)
    中国政府は大学関係者を、自由で解放的な学問研究と戦う戦争従軍者と認識しているとの指摘もある。
    日本でも2500人の中国人留学生が在籍する早大では中国政府にそぐわない発言をした教授を反動教授と弾劾した例も語られる。読み進む内に中国の地球規模での侵略はコロナ同様に既に各国の肺に浸潤しているのではと不安に襲われる。

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    2021年09月18日
  • 日本陸軍とモンゴル 興安軍官学校の知られざる戦い

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    ノモンハン事件のことを知りたくて関係書を探していた中で読んだ本。

    民族自決、独立国家の形成を目指した、モンゴルを取り巻く状況、日本、中国、ソ連、といった大国間で翻弄された歴史。

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    2021年04月16日
  • 内モンゴル紛争 ──危機の民族地政学

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    「内モンゴル紛争 危機の民俗地政学 楊海英 ちくま新書 2021年」ウイグルに目が行きがちだが、内モンゴルのモンゴル族(人)も中国で虐げられているという話。モンゴルと宗教や、パンテゥルク主義思考(モンゴル、カザフ、ウイグル)、ソ連、満州国との歴史など非常に面白いが虐殺の数字の信憑性が疑問

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    2021年02月06日
  • 独裁の中国現代史 毛沢東から習近平まで

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    墓標なき草原、依頼様会議英志の中国論は各刮目すべきものがあるある。本書も中国の歴史を毛沢東から習近平まで独裁こそが中国の歴史である、上から下まで庶民に至るまで長い歴史の中で実に空いている中国人の考え方がよく理解できる。モンゴル人の立場から漢民族の中華帝国に対する考え方、
    中国の独裁体制は信用スコアビジネスと非常に親和性がある、共産党独裁をますます強化させる側面を持っている。
    大神の父、毛沢東思想によって教育された子供たち、

    中国の最大の弱点は、言論の自由、学術の自由が保障されていないこと。中国の研究者は自分たちは北京原人の子孫であり、人類の起源は中国だと主張し続けている。中国ルーツ以外の

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    2019年06月08日
  • 日本陸軍とモンゴル 興安軍官学校の知られざる戦い

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    アメリカとの太平洋戦争が始まる前、日本は大陸を目指し中国と激しく対立していた。明治維新以降、軍備を拡大させてきた日本は柳条湖事件をきっかけに満州事変へと発展させ、最終的に中国東北部を軍事支配した。これにより清朝の廃帝愛新覚羅溥儀を執政に迎え、1934年(昭和9年/康徳元年)には溥儀を皇帝とした満洲国を日本の傀儡国家として成立させている。大陸に出ると言う事は共産圏のソ連とも陸続きの国境を接する事になる。更には南には共産党と国民党が手を結んだ中国とに囲まれ、極度の緊張状態が続く。その様な時代背景の中で、それら3つの勢力に囲まれたモンゴルは、かつてチンギスハンが世界最大の帝国を築いた過去からは考えら

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    2025年06月29日
  • 独裁の中国現代史 毛沢東から習近平まで

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    中国現代史の概説書。分量も少なく、内容も簡潔で読みやすい。

    尖閣諸島、台湾・香港、新疆ウイグル自治区など、現代中国が引き起こす問題の根源を中国共産党の独裁に見出し、現代史を辿る試みは面白かった。全く中国史の知識を持ち合わせずに読み進めたが、大躍進政策や文化大革命等の解説が分かりやすく、見識を広める良い機会になった。

    中華民国の祖である孫文が強い漢民族中心主義であったことを考えると、現在の中国共産党の苛烈な少数民族への弾圧はその系譜に連なるものであると理解出来た。

    一元的でゆとりのない中国政治に抗うために、リベラルデモクラシーの復権が欠かせないと痛感した。

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    2025年05月09日
  • モンゴル帝国 草原のダイナミズムと女たち

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    遊牧民族の独特な価値観や慣習など、いろいろとすごかった。
    カンなのかハンなのかハーンなのか。本によっていろいろなのよね。

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    2025年04月23日
  • モンゴル帝国 草原のダイナミズムと女たち

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     モンゴル帝国の版図は空前絶後の広がりを見せた。その原動力は騎馬軍団の強さだけでなく遊牧民特有の柔軟な世界観にあった。
     遊牧民独特の世界観とは定住民とは異なる価値観や社会構造を持つ移動を前提とした柔軟な思考や生き方を指します。具体的には、
    流動的な領土観
    実力主義と柔軟な統治
    女性の高い地位
    多神教的な宗教観と寛容さ
    交易ネットワークと情報の重視
     こうした遊牧民の世界観は、モンゴル帝国の急速な拡大と柔軟な統治の背景にあり、定住文明とは異なるダイナミズムを生み出していた。

     カギを握った一つとして実は女たちである。遊牧社会では男たちが戦場に赴く間、女性が家族や経済を支え政治的な調整役を担っ

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    2025年02月25日
  • 中国を見破る

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    日本人にとって、本当に『考えられない』思想の国家なんだなぁ。
    こっち(日本)に来ないで欲しいわって思う人は私だけじゃ無いと思う。
    『日本が嫌い』なのになんで日本に来るん?『厚顔無恥』な人がいなくなれば良いのにな。

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    2025年01月18日
  • モンゴル帝国 草原のダイナミズムと女たち

    購入済み

    第二弾を希望します。

    この本を読めば天幕のジャードゥーガルをより楽しめます。天幕のジャードゥーガルファンにもおすすめできるノンフィクションです。第十章高麗の虹は、廃帝綺譚(宇月原晴明著)を読めばさらに面白く感じます。廃帝綺譚は4つの独立した短編が収録されている小説ですが、元の第十一代皇帝である順帝を主役にした北帰茫茫という短編もあるからです。この書籍の売り上げが好調ならばぜひとも第二弾を出版して欲しいです。

    その時は、モンゴル帝国草原のダイナミズムと女たちでは取り上げなかったチンギス・ハーンの5人目の皇后岐国公主(金の第七代皇帝衛紹王の娘)・ひいては彼女の実家の金朝の皇帝たち、蒙金戦争で活躍したモンゴル・金朝双方

    #萌え #深い #エモい

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    2024年12月31日
  • 暴虐国家 習近平の中国

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    第一章冒頭の櫻井氏の「中国は世界で最も罪深い"悪逆国家"のひとつ。二十一世紀のいま、どこから見ても許されざる異民族の弾圧や虐殺を続けている。チベット人にもモンゴル人にもおぞましい弾圧を加えてきた。いま、とりわけ国際社会の避難が集中しているのがウィグル人への弾圧だ」との発言で始まる本書は「悪逆国家」たる中国の姿とそれに立ち向かうべき心構えを伝えている。

    本書に記された他民族に対する民族浄化、虐待の実態はまさにおぞましい。
    櫻井氏ら著者たちは、それが共産党支配の故ではなく、漢民族の特性によるものだと説く。

    漢民族は優越感が強く、排他的、差別的で支配欲も強い。執着のあまり、事

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    2024年04月17日
  • ジェノサイド国家中国の真実

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    ネタバレ

    <目次>
    はじめに
    第1章ウイグル民族ジェノサイドの惨状
    第2章ウイグル強制収容所の実態と日本への期待
    第3章古い中国の新しい疆域政策

    ウイグルへの圧力が強くなったのは2016-2017からだと
    いう。2914-2018まで上海に住んでいたが、そのころは
    まったくその気配はなかった。新疆人には、泥棒が多い
    という噂はあったものの、新疆料理のレストランは
    満員で、ステージで歌ったり踊ったりのイベントも
    行っていた。
    これまで、中国の王朝の辺境の統治は、民族はそのまま
    で、ゆるやかに統制をしていたものと理解している。
    なぜ、急にここまでに事を進めなければならないのか。
    共産党は何を恐れて

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    2021年11月03日
  • 中国人の少数民族根絶計画

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    最近のニュースでウイグル・チベットの人権問題の報道を見て、詳しく知りたいと思い読みました。
    上記の二地域だけでなく、内モンゴル自治区のモンゴル人も大変な思いをしていることを知りました。
    「大東亜戦争で中国に侵略して、満洲・内モンゴルを占領したことをひたすら中国に謝ることは中国から独立するために、日本軍と共闘した満洲・モンゴル人を侮辱することだ。」という趣旨の文がありました。
    まさにそのとおりだと思います。たしかに、先の大戦で日本軍が中国人を傷つけたことは謝罪するべきだと思いますが、日本が、中国と戦ったことによって彼らを助けることになったことは誇ってもいいと思いますし、盲目的に自虐史観を抱くこと

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    2021年08月14日
  • 中国の暴虐

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    中国によるウイグル、モンゴル問題などを櫻井よしこさん、楊逸さん、楊海英さんの3名が対談形式で語った一冊。清水ともみさんの「命がけの証言」を読んだことで中国ウイグル問題について理解を深めたく購入したが、かなり濃い内容で満足。中国共産党の内部事情とか、早稲田大学が日本の中国人留学生に乗っ取られるとか、結構衝撃の内容が多かった。楊逸さんと楊海英さんは、中国批判をして中国との親族と接触できない状況ということらしい・・・。今の中国に多大な影響を与えていると思われる「毛沢東語録」は読んでみようと思った。

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    2021年07月01日