エドガー・H・シャインのレビュー一覧
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コーチングとか、コンサルティングとか、サーバント・リーダーシップとか、ビジネスにおいて人を支援するという概念が注目されているが、この本は、そういうことも含みつつ、そもそも「人を助けること」ということを、例えば道を尋ねる人に道を教える、というところまで戻って考える本。
という意味では、とても根源的である。
一見、分かりやすそうでありつつ、あまりにも日常的なシチュエーションで議論が進むので、かえって当たり前のことをいっているのか、深淵なことを言っているのか、分からなくなる印象。
「支援」という行為がなぜうまく行かないかということを徹底的に考えていて、大変勉強になる反面、そんなにいろいろ -
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「人を助けるとはどういうことか?」につづく、組織行動論の大家シャイン先生の「人助け」シリーズの2冊目。
「人を助ける・・・」を読んだときには、なるほどと思いつつも、なんて、人間って、面倒くさいんだろう。そんなに相手に気を使わずに、率直に話せばいいじゃん的に思った。
今回の「問いかける技術」(humble inquiry: the gentle art of asking instead of telling)は、さらに面倒くさい感が高まった感じです。
たしかに、人間って、社会的な関係性のなかにあって、言いにくいこと、聞きにくいことがいろいろあったり、立場や言葉が作り出す微妙な上下関係みた -
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Posted by ブクログ
支援を受ける側と支援を与える側の両面から価値のある支援のかたちを探る。本書で提案されるプロセスコンサルテーションはまさに自分自身の関心分野に近く明快に言語化された感覚である。
支援には役割が必要でありながら、相手の信頼を得られていない関係性では機能しない。専門家的な役割が決してダメなのではなく、適切な切り替えが必要である。相手が本質的に求めることを時間をかけて探る。などなど、多くの発見があった。
また対話型ファシリテーションの共有する価値観も多い。両者ともプロセスに視点を当て、相手の自己尊厳を高めたうえで、事実に基づいた問いを重ね、課題と解決策を自己発見させる。改めてこれまでの支援のあり方 -
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支援を人間関係の側面から再定義し、支援とは何かという問いに向き合う本。支援を大きく、①クライアントが必要としている具体的な知識や具体的なサービスという形で支援を与える専門家、②クライアントの状態を診断し、処方箋や専門的なサービスを与える医師、③実際に必要なものを判断するため、共同で調べることによってクライアントを参加させ、情報をすべて打ち明けてもらえるほどの信頼関係を築くプロセス・コンサルタント、に大別しており、状況に応じたこれらの使い分けが肝要としている。
最後に並べられているプロセスコンサルタントの10原則は定期的に見返したいキラーフレーズに満ちている。特に「問題と解決に向き合うのはあくま -
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本書のキーワードは「謙虚に問いかける」だ。
内容も共感する部分も多く欧米と日本の文化の違いを感じざるを得ない。
謙虚さは日本人には馴染み深くDNAにすり込まれてすらいるようだが、どちらかと言えば「遠慮」に近いかもしれない。
最近はディベートのごとく言い負かす、喋り倒すことが目につくため改めて「謙虚に問いかける」 は意識しておくべき。
必要以上に話し手にならず、カウンターのように反射的な言動をとらず、相手が何を求めているのかを理解し、一拍置いてポジティブな謙虚さを持って良質な会話へとつなげていきたい。
傾聴だけでなく、問いかけることも意識しよう。
「謙虚な問いかけ」は相手への興味を示すと共に -
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「謙虚に問いかける」は、相手の警戒心を解くことができる手法であり、自分では答えが見出せないことについて質問する技術であり、その人のことを理解したいという純粋な気持ちをもって関係を築いていくための流儀である。
第1章 謙虚に問いかける
■自分に言い聞かせること
①自分から一方的に話すのを控える
②「謙虚に問いかける」という姿勢を学び、相手にもっと質問するように心がける
③傾聴し、相手を認める努力をする
これらはすべて、リーダーであるブラウン医師の配慮が足りなかったことに起因している。社会的地位の差を乗り越えて相手に意見を言うことに関してはさまざまなルールが存在するのだが、ブラウン医師はそれ -
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「問いかける技術ー確かな人間関係と優れた組織をつくる」からの流れ、本著者の著作は2冊目だ。
なるほど、著者は「プロセス・コンサルテーション」を開発・実践してきた組織心理学の第一人者だ。
クライアントは一段低い位置(ワン・ダウン)にいて、支援者は一段高い位置(ワン・アップ)にいる。この力の不均衡がクライアントと支援者の双方の関係をうまくいかなくする。支援者は常にワン・ダウンすることを意識し、クラアントと対等な立場でクライアントに依存、信頼してもいいのだという安心感を与えることが望まれると。
そこで意識するといいのが「控えめな問いかけ」、クライアントに主導権をとってもらいながら能動的に解決 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ支援という観点で、組織・人間関係を絡め科学した良書だ。
支援に必要な心構えや技術が明確に書かれており、支援者にとって必要な情報を提供できているように感じる。
ただ、少し読みにくいのが難点だ。これは私の無知の問題もあるがアメフトなどを例に記載されている情報は、例えでわかりやすく書いているものが私のアメフト知識のなさから理解に時間がかかるものになっていた点が、個人的に評価を下げてしまった。
人を支援する時に見返りを求めるのは違うよねとか、支援の前に持ち合わせるマインドはとても為になり、これを実践することで自信が支援側に立った時の感情コントロールに役立つように感じた。
一読して、必要箇所を読み