エドガー・H・シャインのレビュー一覧
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1.自分の行っていることがしっかりと人の役に立っているのかを科学的視点から分析したくなったので読みました。
2.本書は組織心理学の祖として活躍している著者が「人を助けること」についてどのような考えなのかを述べています。
人を助ける=支援というキーワードを紐解きながら、日常でのシーンを事例にして役に立っているケースと経っていないケースを比較しています。
役に立っている状態には必ず7つの原則が守られており、それを保つために4つの問いかけの順番を守っています。本書ではその原理原則とともになぜ役に立たない支援が出てしまうのかも述べています。
3.日常を振り返ると「問いかけの数」が少ないことに気づき -
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タイトルの通り、問いかけることについて深く掘り下げた一冊。
問いかける(質問する)ことが相手よりも下の立場に降りることになる、だから多くの人は自分が話をする方にまわろうとする…という価値観がベースになっているのだけど、そこはあまり共感できなかった。けれども、確かに質問をしているふりをして自分の考えを主張しようとしたり、相手の間違いを指摘しようとしたりしていることは、確かにあるなと思った。
謙虚に問いかけること、純粋に相手に興味を持ち、相手との関係性や相手自身の学び・気づきを促すために行うことはかなり難しく訓練が必要。そのために今、ここに意識を向ける、というマインドフルネスや、問いかけることで生 -
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支援者の役割には3種類あり、支援者は、その時々の状況に応じて、それらの役割を選択しないといけない。
1) 専門家の役割; 必要に応じて専門的な情報やスキルを提供する
2) 医師の役割; 患者の状態を診断し、診断結果に応じた処方箋をつくる
3) プロセス・コンサルタント; プロセスに着目し、プロセスに働きかけることにより、クライアントが問題を解決していくことを支援する
専門家の役割がうまく機能するのは、クライアントの側が、どのような支援が必要なのかが分かっている場合。
医師の役割がうまくいくのは、クライアント、すなわち患者が診断結果に信頼を置いている場合。
そのような場合ではなく、例えば、ク -
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組織が環境変化に適応し、成果を上げ続けるために必要なリーダーシップのスタイルとして、支配や強制、監督管理ではなく、互いに助け合い、信頼し合う関係を作る「謙虚さ」の重要性を解説した一冊。
著者はリーダーシップを、新たな、よりよいことをしたいと思い、それをほかの人たちに一緒にしてもらうことと定義し、VUCAの時代にマッチョなリーダーが情報を独占し、パワーで組織を支配し続けることは困難であり、それよりも組織のメンバーを、各自が担う役割ではなくひとりの人間として考え、より個人的で信頼し合う関係を作る必要があると主張する。これにより、「リーダー対フォロワー」の関係は、常に上司の指示を待ってそれをこなす -
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ネタバレクライアントを支援するとはどういうことか気づかされた。
コンサルタント(自分) の手助けによって、クライアント(相手) が、 (1)問題の複雑さと厄介さを理解し、 (2)その場しのぎの対応や反射的な行動をやめて、 (3)本当の現実に対処すること が、本当の支援なのである。
支援者としての私自身の経験から言えば、重要なのはおそらく、どんな問題に悩まされているかをクライアントが隠さず話せること、それも遠慮なく安心して話せることだった。
新たなスキルのうち最も重要なのは、これまでとは違うタイプの「聴き方」である。このスキルの向上をテーマとする書籍やプログラムを検討してわかったのだが、新たなタ -
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支援とは信頼のやり取り
効果的な支援の原則
・支援する側もされる側も用意ができている
・支援関係が公平なものだとみなされている
- 支援を必要とする側が「一段低い位置」にいることを忘れさせることが必要
- まず「控えめな問いかけ」によってお互いの無知を取り除き、立場上の格差を縮める
- どうすれば最高の支援ができるか必ず尋ねるべき
- クライアントは、なにが役に立ち、なにが役に立たないかというフィードバックをする機会を探すべき
・支援者が以下三つから適切な支援の形を選択し、その役割を果たしている
- 具体的知識やサービスを与える専門家
- 診断し、処方箋を -
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最初は翻訳のせいもあり、極めて読みにくく感じたが、先に読んだ知人の'第3章を過ぎたところから面白くなるよ'という言葉を信じて何とか読み進めたところ、確かにその通りだった。
この本のポイントは、第3章「成功する支援関係」に書かれている簡単な原理、「支援を求める立場は、心理的に一段低い位置(ワンダウン)に置かれ、支援を求められる立場は、逆に高い位置(ワンアップ)に立つ」ということだと感じた。一見簡単なことのようだが、この心理的な'あや'の部分をあえて言葉にして意識することが、スムーズに支援を進めていく上で極めて重要だという。
特に、支援を求める側はワンダ -
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■「謙虚に問いかける」は、
・相手の警戒心を解くことができる手法であり、
・自分では答えが見いだせないことについて質問する技術であり、
・その人のことを理解したいという純粋な気持ちを持って関係を築いていくための流儀、
である
一方で、現代では「尋ねること」よりも「自分が話すこと」が優先されてしまっている。
しかし人間関係を築くのは謙虚な質問によってこそ。
その態度を持たなかったがゆえに、信頼関係が築かれず、大組織では大きな事故が発生している現実もある。
■質問をすることで信頼関係が築かれる
自分が話す:知らないから教えてあげる、という上からの示唆が含まれる。
質問をする:会話の主導権を相手 -
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Posted by ブクログ
「謙虚なコンサルティング」を読んで、著者の考えをもっと知りたくなり、読んだ本。
が、組織開発の権威である著者であるからこその理想を描いた本。なんとかお客を集めて稼がなければならない一般的なコンサルタント業は、私はすべてを知っている、という顔をしなければならない。
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自分が私人として生きていることと、経営コンサルタントであることは、今まで切り離して考えていたが、この本によってそれが統合された。
私は、クライアントに親切にしなければいけない。クライアントを助けなければいけない。
それは、必ず相手の望む成果を出す、という文脈において。
そのために、どのような態度が必要か、教えて