李龍徳のレビュー一覧

  • 報われない人間は永遠に報われない

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    タイトルが頭から離れなくなり読みました。どうしようもない男と女の、夢も希望もない恋愛。それなのになぜか読後しっかり残るものがある。きれいでもなくハッピーでもない展開だからこそ良かった。

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    2021年02月26日
  • 愛すること、理解すること、愛されること

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    群像小説として凄く好き。
    個人的には智香&光介夫妻は嫌いだし、珠ちゃんの我が子を受け入れられない切なさが痛くて…
    でも読み物として凄くいい!
    ぷつんと終わる感じも

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    2021年02月03日
  • 報われない人間は永遠に報われない

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    デビュー作『死にたくなったら電話して』で衝撃受けて、ずっと追い続けたいと決めたのに、追いきれなくてごめんなさい。
    報われるとは何か。そう来たかと唸らせられる。

    最新作も読まないと!

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    2020年06月14日
  • 愛すること、理解すること、愛されること

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    待望の李龍徳さんの新刊!
    大学時代の陶芸サークルの後輩が自殺したという連絡を受けた光介と巴香の夫婦。純吾と珠希のカップル。
    4人は自殺した後輩の妹・涼子から手紙をもらい、彼女たちの別荘へ呼ばれ軽井沢くんだりまで出かけてゆく。
    記憶もあやふやなほど大して仲良くなかった後輩のはずだが、なぜ自分たちが呼ばれたのか?
    涼子が言うには、姉の日記に4人のことが生き生きととても楽しそうに綴られていたというのだ。それが本当なのかこの目で確かめたかったと。
    光介がつくったご馳走を並べた夕べの宴、そこで繰り広げられる腹の探り合いのような会話シーンが軽妙で不穏ですごく良かった。
    一触触発のような緊迫感と、どこか間の

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    2020年04月04日
  • 報われない人間は永遠に報われない

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    『何も感じないのが心の強さだとすれば、かつての僕のほうがずっと強い人間だったと言える。』

    「報われない人間は永遠に報われないのよ。それだけのこと」

    「私はこの人生を、あんまりにも無駄遣いしてきた。それでそれはこれからも。でも、私のせいじゃない、私のこの天分のせい、運命のせい、でも、それにしてもひどい。時間の浪費、人生の浪費、きっと私はこの罪名で地獄に落ちる」

    「それこそ天分。ギフト。で、不動のもの。努力次第で上がったり、落ち度があって下がったりするものじゃない。絶対に。ー あんな、いかにも現代を象徴する困難に、べったり巻き込まれてる時代の寵児たちが、どうして私より祝福されてないはずある?

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    2017年09月03日
  • 報われない人間は永遠に報われない

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    卑屈で惨めな諸見映子と、プライドが高く傲慢で根暗な近藤君。
    徹底的に報われない側の人間である二人の、疑似恋愛から始まる永遠に報われない物語。
    とにかく滑稽で悲愴感あふれる一冊です。だがそこが良い!
    ネガティヴ発言垂れ流し、まず何もかも否定の言葉から入ってしまう映子。
    世界をくだらないと断罪して見下し、現実から目を逸らし続ける近藤君。
    カースト最下層カップルが繰り広げる低次元の言い合いや諍いが秀逸だった。
    とにかく悲惨で暗すぎる上に、私も報われない人間だから他人事じゃないのに、どこかおかしくて愉快な気持ちで読み切ってしまいました。
    ラストの映子と近藤君のベッドの中でのシーンは切なくて愛おしくて、

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    2018年09月12日
  • 報われない人間は永遠に報われない

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    圧倒的な高い評価を得て文藝賞を受賞した心中小説「死にたくなったら電話して」を読んで、打ちのめされました。
    と同時に、「デビュー作でこんな傑作を書き上げて大丈夫なのか?」と余計な心配もしました。
    それはどうやら杞憂だったようです。
    本作は、自尊心の強い男「僕」と、自己卑下の強い女「映子」の恋愛物語(何という組み合わせ!)。
    もちろん、甘ったるい恋愛なんかでは断じてありません。
    いびつで歪み、醜悪ですらあります。
    しかし、筆力があるからでしょう、これもまた恋愛のひとつの形なのだと、読者に納得させる力強さを持っています。
    心のひだをなぞるだけでなく、時に捲り返したり、あろうことか引きちぎったりしてみ

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    2016年12月08日
  • あなたが私を竹槍で突き殺す前に

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    ネタバレ

    大阪の亜笠不文律さんにて購入。

    これまで読んだどの本よりも読むのがしんどく、ページをくる手が重くなかなか進まなかった。こんなところまでいってほしくない、行くはずがないと信じたいと思う気持ちと裏腹に、本文中に出てくるヘイトの言説には、ネットで見かけて、なるだけ目に入らないよう避けている類のものもあり、現実との直接的なリンクにさらに気が減いる。

    前半は何か言葉遣いがサイズの合わない洋服のように収まりが悪い感じが拭えず、それが引っかかってなかなか入り込めなかったけれど、後半はそれがなくなり、重い気持ちはありつつ、だんだんと文章の勢いに乗りながら読み進めた。

    最後の展開で、太一が妻葵に対して感じ

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    2025年11月20日
  • あなたが私を竹槍で突き殺す前に

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    ネタバレ

    かつてここに書かれていたことは未来のことだった。それが今まさに現実として目の前に広がっている。極右の総理、排外主義の蔓延。在日韓国人も例外ではなく、今後はより差別対象として迫害されていくだろう。書かれた当時においてのこの着眼点はすごい。
    ただ、未来として置かれたこれらの設定が現実になった今読むと少し物足りなさも感じてしまう。狭い個人レベルの範囲内での解決に収まらず、広い視野で描かれたものも読んでみたい。

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    2025年11月09日
  • 死にたくなったら電話して

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    私が暗くて悍ましくて、性的描写を伴う作品にあまり触れてないので、耐性なくて星3ですが、耐性があれば、4か5だったと思います!

    この初美の存在に徳山が引っ張られていく様が気になりすぎて、夢中になって読みました。

    性的描写はちょっと気持ち悪かったけど、初美の考えや雰囲気に私でさえも飲み込まれそうになるのだから恐ろしい、、けど気持ちよくもあるのです。

    時間がないので感想はここまで

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    2025年08月28日
  • あなたが私を竹槍で突き殺す前に

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    5年前に出版された小説ですが、現実が追い付きてきているのではないかと感じました。5年前だったらこの本は過去を書いた小説と読んだのでしょうが、2025年7月の今読むと、ここに書かれているのは現在我々が突き進んでいる日本の将来の姿なのかもしれないと思いました。登場する権力者たちの顔が思い浮かびます。とても読み難い文章で丁寧に読んだともいえないのですが、他国の人と比べても差別意識が強く、残酷で同調圧力に弱い日本人が今まさに犯そうとしている誤りの行きつく先かと怖くなりました。5年後にこのような国になっていないことを祈ります。

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    2025年07月25日
  • 石を黙らせて

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    スラスラと読めたけど、ずっとモヤモヤが心の中に残っている。
    (性犯罪に限らずだけど)加害者・被害者のどちらにもなり得る可能性が自分にもあるので、他人事ではないなという思いがずっとあった。
    主人公の反省の気持ちは、良いとは思うけれど、それを公にするとこに対してはそれが最適なのかは分からなかった。被害者の意思はどう考慮するのか、など考えることが多い話だった。

    モヤモヤとした余韻が残るけど、この人生の中で読んでおいてよかったなと思った。

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    2025年01月01日
  • 死にたくなったら電話して

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    不思議な小説。
    「カラマーゾフの兄弟」や「星の王子さま」といった名作で消化不良を起こした自分にとっては、同じ匂いのするストーリーだった。

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    2024年08月31日
  • 死にたくなったら電話して

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    これは、映画でいうところのアカデミー賞とかそう言うのを受賞しそうな作品。

    何とも言葉では言い表し辛いところがあるけれど、この世界観に入り込めるものだった。
    多分きっと嫌悪の様なものを感じる人もいるかもしれなけれど、何だか少し分かってしまう自分もいる。

    死というものを改めて感じさせられる。最後に初美が語る死ぬという事の話は、ある意味でものすごく救われるかもしれない。

    きっとさこんな風に、拗らせるという言葉で表せていいものじゃ無いけれど、そんな感情とか思想とかを言ってしまえる様なのって、現実世界になかなかなくて、だからこそこうした本の中で描かれていてありがたいなとも思う。

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    2024年06月11日
  • 死にたくなったら電話して

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    エピソードにツギハギ感があって、ところどころ無理矢理な感じがしたけど、負の方向に引っ張られていく不気味さと、徳山と初美の人物像が新鮮で嫌いじゃない物語。

    関西弁が気持ち良かった。
    こういうとこ結構大事かもって思った。

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    2024年01月17日
  • 死にたくなったら電話して

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     女に惚れたら男は何でもする。きっと無理してでも女に注力するのが男だとします。これを世間では情けないとレッテル貼りをするとします。 それを丸ごと感じられる作品かもですよね。 '237/1 '2311/20

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    2023年12月30日
  • 愛すること、理解すること、愛されること

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    四人、五人か。五人全員の行動がなんだか軽薄で、苛立たせられたのはさすが李さんかなと思いながら読みました。中盤からは会話の応酬によって、嫌悪を示し、攻撃しながらも敵意は出し切らない、みたいな煮え切らなさが、またもやもやします。生ぬるい言葉だから、相手までに届かずに、結局は自分自身を傷つけているような気がしました。愛の結果としての生命の扱い方ですが、愛をうつくしいものとしてでなく、限りなく現実的に残酷に描写してあると思います。
    ほんとうに、李さんの作品は、こう、心にずん、とくるものがありますね。

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    2023年11月11日
  • あなたが私を竹槍で突き殺す前に

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    文学を志すが評価されず諦めたことのある女性のブログがところどころ出てくるが、なんとも言えない才能の無さと自己陶酔感が出ていてとても良い。

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    2023年08月26日
  • 石を黙らせて

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    過去におかした強姦を婚約者や家族に告白し、ブログ等で社会に公表し、被害者を探し出し謝罪しようと考える私。
    難しいテーマで、何が正しいのかわからない。
    しかし、過去の罪を時効が成立するような時期になって告白するなんてズルい。
    世間的には非難されても実刑は受けないのだから。
    また、こんなことして被害者の女性は報われるのだろうか?
    余計に苦しむだけだと思う。
    忘れることは無いにしても自分は少なくとも罪を受けない安全なところから告白されても何の償いにもならない。
    独りよがりな考え方でしかない。
    自分が落ちぶれることで自己満足しているだけ。
    被害者にも周りの人にも何も良いことはない。辛く遣り場のない感情

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    2022年11月19日
  • 石を黙らせて

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    ネタバレ

    17才の時成り行きでレイプした主人公。結婚前に突然罪の意識に囚われ何もかも暴露して断罪を乞おうとする。
    降って湧いたような突然の後悔、主人公の押し潰されそうな心に救いはあるのだろうか?そして彼にとっての贖罪が果たしてされた彼女にとって救いとなるのだろうか?考えてしまった。

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    2022年05月23日