李龍徳のレビュー一覧

  • 死にたくなったら電話して

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    浪人生の徳山がキャバクラ嬢の初美に出会い恋人になり洗脳されていく。
    「死にましょうよ、心中しましょう。それがわたし達の取れる唯一の脱出策です。ね?心中しましょうよ。」
    ニヒリズムについて考えさせられる。
    また、魔女狩りについての会話があるが、このシーンがインパクトありすぎ。

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    2025年11月27日
  • 死にたくなったら電話して

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    「了解です、問題ないです。愛してます」

    「いやいやそういうことです、そういうこと。でもまあ、生きるってそういうことなんでしょうね、悪い意味で。・・・・生きるって、長生きするって、そうして塵が積もってゆくこと。そんで私は塵を金の粉と無理やり思い込むのは嫌やし、塵は塵やって言っときたい。人生経験なんて塵でしかない」

    ドッヒャーですよ、なんですか?これはぁ!?すごいの読んだな。切れ切れ。切れっ切れっ。人生経験、塵ですよ。

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    2025年11月23日
  • 死にたくなったら電話して

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    ずっと面白かった。
    「ネガティブな言説に依存する者たちに寄り添い、その言説の欲望に沿って自滅まで導くことで、ヘイト的な言葉が成り立つ土壌を失わせるという、捨て身のアイロニーを特徴とする。」

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    2025年11月01日
  • 死にたくなったら電話して

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    “実態のない女”と”自分を見失った男”。
    きっと、徳山は初美に惹かれていったのではない、嵌まって、沼っていったのだ。初美の発する鋭利な言葉たち一つ一つが彼女の夢であり、拠り所。徳山からすればそれは薬。
    結局みんな洗脳してされて。してる側もそれにかかって。そんな訳ないと思いたいがそうも思えず、。
    人生に対するヘイト、社会に対するヘイト。それらを抹消するには社会ごと変えるしかない。が、そんなことは不可能。だからこその自死。打開策としての自死。漠然と自殺はダメだと叫ぶよりよっぽど説得力がある。
    感想がこんなに言語化出来ない作品は久しぶりだが、この後味の悪さがこの作品の面白さだろう。
    再読だが、しばら

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    2025年10月02日
  • あなたが私を竹槍で突き殺す前に

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    感想を書きにくい本は初めてだなあ。日本で外国人排斥を訴える政党が躍進し、ついに嫌韓の首相が誕生して、法律や企業活動、言論が、ヘイト一色となる、というディストピア小説。その社会で朝鮮にルーツを持つ若者たちがどのように振る舞うかというストーリーなのだが、主人公が企むある行動が衝撃の結末を迎える。しかし、、、感想として何を書いても嘘っぽくなったり、正論を振りかざしているように見えてしまう。それを狙って書いたならば恐ろしい。

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    2025年08月24日
  • 死にたくなったら電話して

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    「能ある鷹は爪を隠す」ナンバーワンキャバ嬢の
    初美は外見だけでなく、内面も圧倒的な読書で
    磨いている。当然会話力も全方位的だ。
    初美は群れることが嫌いだ。孤高の哲学者である。

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    2025年08月18日
  • 死にたくなったら電話して

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    悪意に対して悪意で返すのは、徳山は後悔していたけど少し爽快だった。逆に自分に向けられた善意に対して悪意で返しているところは読んでて心が痛かった。例えその善意が気持ちよくなるためだけの偽善だと思えたとしても、本人にはその意識はなくて本当に純粋な善意で心配してくれてる(と思う多分)のに、それに対する返事は本当に読むのが辛かった。救いがないんじゃなくて救われようとしてない。初美に会う前の徳山なら建前でも「ありがとう」と返していたと思う。完全に染まってしまっている。自分に初美を投影してシニカルなことしか言わなくなった頃から、入学金のこととか関係なく破滅しか待っていなかったと思う。初美の価値観は魅力的な

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    2025年08月06日
  • 死にたくなったら電話して

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    自分は徳山は初美に寄っていったのでは無く、嵌っていた型から出るまでの物語だと思った。
    自分はこれが鬱々とした物語には感じられない。更には他人事とは思えず徳山には親近感や羨ましさすら覚えた。

    凄く良い作品だった。10年以上も前の作品にこのタイミングで出会えて良かった。きっと昔の自分ではこんな感情にはなれなかったから。

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    2025年06月30日
  • 死にたくなったら電話して

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    苦しい。初美はいい女で、おもしろい人だと途中までは思っていたのに…悪魔じゃん。何が正しいか分からなくなる。言葉の説得力すごくて「その考えは良くない」が合ってるか分からなくなる。何なん怖すぎ。

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    2025年03月16日
  • あなたが私を竹槍で突き殺す前に

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    2020年に単行本として出版された小説。今、数週間前に書かれたもの?と錯覚するような冒頭。

    愚劣極まりない結果で終わった2024年東京都知事選、クルド人ターゲットの差別攻撃にネトウヨのみならず野党も関与して酷い有様の日本、関東、東京。都知事は変わらず、関東大震災における朝鮮人虐殺にかかる式典へのメッセージをあえて送らない知事が再選され多くの抗議や疑問の声があがるもより多くの無関心や同意にかき消される、すでにディストピアなこの社会。
    ユートピアを求めるほどの天真爛漫さはない、もちろんそんなつもりはないが、あまりにささやかすぎる韓国への帰国事業。日本が在日コリアンを追い払うために積極的に支援した

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    2024年08月22日
  • 死にたくなったら電話して

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    自分の中にある"カウンター悪意"の潜在性を思い知らされて怖かったし情けなかった。

    でも自分と2人が明確に違うところもあってギリギリ入り込まずにいられたと思う。
    ニヒリズムの骨頂みたいな感じ。
    やっぱ自分ニヒリズム嫌いなのかも。

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    2024年08月15日
  • 死にたくなったら電話して

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    評価がひどく難しかったが、他にはない感覚がある、という点で、この本の評価を5とした。

    突きつけられるのは、誰かの不幸の上に成り立つ幸せがあるという事実。人より優位になることで感じる喜び。

    優位に立たなければ、支配される側にまわってしまう。支配する側か、される側か、、、。

    作中、欲望がすべて枯れるのが理想、と心中願望のある女がいう。
    仏教の考え方に近いのかも知れない。
    煩悩を捨てることによって悟りを開くことができるという考え。

    けれども、欲望が無くなったら、無、しか残らない。無、しか残らないから、死、へと向かう。

    仏教では、無の先に、無我の境地、があるのだろうけど、それこそ、凡人にはた

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    2024年08月13日
  • 死にたくなったら電話して

    購入済み

    胸が高鳴った。

    徳山が初美に出会った事は幸か不幸か。
    捉え方が別れる作品ですごく好きでした。

    #深い #ダーク

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    2024年05月15日
  • 死にたくなったら電話して

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    ここ最近読んだ中で1番刺さった作品。まずタイトルから滲み出す仄暗さに惹かれ、それを凌駕するストーリーに圧倒された。読むのにもの凄いエネルギーを使い、読後も少し放心状態になるくらいインパクトのある作品だった。終始暗いのだが、人間の残忍さやどうしようもないサガをあらゆる角度から描いててハッとさせられる。
    ラストのなんとも言えない終わり方もこの作品らしくてよかった。

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    2024年05月02日
  • 死にたくなったら電話して

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    竹槍を読みたいと思い、先にデビュー作を読むべきか、と思い手に取ってみた。
    初美、ミミというキャバクラの女の子。早速マウント取る男、、よくわからないけど人も育ち(金持ちとか良家という意味ではなく)も良さそうな徳山。 1人だけキャバ嬢の中で他の子と違うセンス良くて賢くて、、、よくあるキャラクターか、と、期待せず読んでいくも、なんか面白い方向に進んでいく。
    ほかのバイト先の仲間、年配の女性、社員含めた、あるあるな、強がる敗者みたいなしようもない人らの中で、徳山くんは、よい意味の育ちの良さがあり、初美と徳山くんはルッキズムの恩恵も受けている。二人で電車乗ってるところとか、なかなか、独特の嫌な感じを爽や

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    2024年05月02日
  • 死にたくなったら電話して

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    主人公の性格が共感できるところが多かっただけにのめり込むように読んでた
    自分の前に初美のような女性が現れたらと思うと恐ろしくもあるけど、悪くないなとも感じた
    終盤の初美と片岡さんの文章の温度差に笑った
    最後はハッピーエンド?幸せは人それぞれ違うからね
    俺も嫌な奴に嫌ってガツンと言ってやりてえーー
    自分が今まで触れてこなかったから考えもしなかったけど、この作品読んで関西弁素敵だなって思った

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    2024年04月16日
  • 死にたくなったら電話して

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    ネタバレ

    初美は普通の家庭に生まれたことがコンプレックスと言った。
    貧乏と裕福、片親など、将来バネになるような、目的意識を強めてくれるような、要素があまり無かった。
    だから、初美の心は基本的に空っぽで、そこに世界中の歴史を元に、人間の醜さ、卑しさ、愚かな姿が入っていった。
    何百年経っても人間の本質は変わらないということを理解した初美は、全てを諦め、絶望しているんだと思う。
    さらには、社会に出ても、キャバクラという、酒、男女、金という人間の欲が溢れ出る環境、醜さ、愚かさもてんこ盛りの場所に身を置いてしまった。そのために、知識だけでなく、経験からも人間に絶望したんだと思う。
    そんな初美からすると、徳山にも諦

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    2024年02月15日
  • 石を黙らせて

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    過去を償うために自分の犯した罪を告白するお話です。誰かを傷つけてしまった人へ。
    誰かの幸せを願うことさえ許されないのだよ、謝罪は自分を慰める行為でしかない。

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    2024年01月06日
  • あなたが私を竹槍で突き殺す前に

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    ー 他の国がもっとひどいからって、だからって日本の現状を見逃していいわけない。日本の現状だって、飼い馴らされて気づいてないかもしれないけど、いや、かなりのディストピアだから。何も明確なジェノサイドや強制収容所の再来だけがディストピアじゃない。ディストピアは今だ。要するに、やっぱり人類は歴史から学んだんだな。この、じわじわとした、言い訳と詭弁ばっかりの、誰も責任を取らなくていいような、 毒ガスではなくただ憎悪を募らせて空気を悪くし、マイノリティを窒息させるこの締め出し方こそ、奴らの学んだ新しいクレンジング方法だ。俺たちは騙されない。そこの知恵比べに負けはしないさ。 ー

    これはすごい作品。エネル

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    2022年06月02日
  • 報われない人間は永遠に報われない

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    すごくいい!一言で言うと、こりゃガチガチにこじらせてんなー、だが、言葉のチョイスが繊細でクールにまとまってる。オトナになればいい人間になれるわけでもないのよな、めんどくさいね(笑)でもめっちゃ好きだ!他の作品も読む!

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    2022年01月25日