李龍徳のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
過去におかした強姦を婚約者や家族に告白し、ブログ等で社会に公表し、被害者を探し出し謝罪しようと考える私。
難しいテーマで、何が正しいのかわからない。
しかし、過去の罪を時効が成立するような時期になって告白するなんてズルい。
世間的には非難されても実刑は受けないのだから。
また、こんなことして被害者の女性は報われるのだろうか?
余計に苦しむだけだと思う。
忘れることは無いにしても自分は少なくとも罪を受けない安全なところから告白されても何の償いにもならない。
独りよがりな考え方でしかない。
自分が落ちぶれることで自己満足しているだけ。
被害者にも周りの人にも何も良いことはない。辛く遣り場のない感情 -
Posted by ブクログ
芥川賞的な小説。高校生のときに自分が起こした強姦を婚約者に告白し(当然破綻)、親兄弟にも告白し、会社を辞め、誰だか分からない被害者を突きとめて贖罪をしようと本名でブログを書こうとしつつ、当時の共犯者たちと連絡を取ろうとしていく主人公。たまたま出会った元婚約者と同僚の女性とのやり取りなども通じて変わっていく主人公。伊坂幸太郎の作品い出てきそうなくせのある登場人物たちの会話を中心に進んで行くのだが、伊坂幸太郎作品のようにエンターテインメントではなく、特別なオチもない。
誰にでもあるだろう忘れたい過去に自分の過ちとどう付き合って生きていくのか、忘れたいのに思い出させる作品でした。「認めたくないものだ -
Posted by ブクログ
大好きな李龍徳さんの新刊。かつて強姦した被害女性に懺悔したい男の話ということだが、扱いが難しそうなテーマをこのページ数の少なさでどう書き上げるんだろうと読みながらドキドキした。だからラストにかけて流れはちょっと意表を突くというか、想像の斜め上をゆくものだったのだけれど、それでも一気にガッと読んで呆然とするような読書になった。元同僚の芳賀に連れ回されるシーンは、言葉による苛烈な打擲が冴え渡っていて痛快。
自分の犯した罪とは言え、急に思い立って過去のことをほじくりまわすのは都合のいい自己憐憫と自己満足に過ぎないから、やめとけとしか私も言えない。「あらかじめ許されることを期待してする謝罪になんの意味