李龍徳のレビュー一覧

  • 石を黙らせて

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    芥川賞的な小説。高校生のときに自分が起こした強姦を婚約者に告白し(当然破綻)、親兄弟にも告白し、会社を辞め、誰だか分からない被害者を突きとめて贖罪をしようと本名でブログを書こうとしつつ、当時の共犯者たちと連絡を取ろうとしていく主人公。たまたま出会った元婚約者と同僚の女性とのやり取りなども通じて変わっていく主人公。伊坂幸太郎の作品い出てきそうなくせのある登場人物たちの会話を中心に進んで行くのだが、伊坂幸太郎作品のようにエンターテインメントではなく、特別なオチもない。
    誰にでもあるだろう忘れたい過去に自分の過ちとどう付き合って生きていくのか、忘れたいのに思い出させる作品でした。「認めたくないものだ

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    2022年05月07日
  • あなたが私を竹槍で突き殺す前に

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    読み終わった後、ドッと疲れたような気がした。
    テーマが濃ゆくて、なかなか頭の中で整理出来なかった。一括りに「在日問題」と言われても世間一般
    的に難しいと解釈する方も多いと思う。
    私も難しいと感じます。でも目を背けていい問題だとは、思ってもいないです。何が正しいのか、何が間違っているのか、それは人それぞれと言えば、無責任に感じるが、でもそう考えてしまうのです。
    この作品は、小説の概念を超えた、著者の心の叫び
    だと感じています。

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    2022年03月19日
  • 石を黙らせて

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    過去に性犯罪を起こした男性が、何年も経って被害者の女性に償いをしようと行動を起こす。被害者ではなく加害者の立場からのお話。しかし、被害者の女性を探して謝罪しようとする行為は、自己満足で、もしかしたら女性からすると過去の辛い出来事を掘り返され迷惑なことかもしれない。
    「あらかじめ許されることを期待してする謝罪になんの意味があるのでしょうか?」(p153)という台詞がありますが、加害者は謝罪を通して単に楽になりたかったのでは?このような話は初めてで、誰にも共感できなかった。それが狙いなのかな? 

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    2022年02月22日
  • 石を黙らせて

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    大好きな李龍徳さんの新刊。かつて強姦した被害女性に懺悔したい男の話ということだが、扱いが難しそうなテーマをこのページ数の少なさでどう書き上げるんだろうと読みながらドキドキした。だからラストにかけて流れはちょっと意表を突くというか、想像の斜め上をゆくものだったのだけれど、それでも一気にガッと読んで呆然とするような読書になった。元同僚の芳賀に連れ回されるシーンは、言葉による苛烈な打擲が冴え渡っていて痛快。
    自分の犯した罪とは言え、急に思い立って過去のことをほじくりまわすのは都合のいい自己憐憫と自己満足に過ぎないから、やめとけとしか私も言えない。「あらかじめ許されることを期待してする謝罪になんの意味

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    2022年02月16日
  • 報われない人間は永遠に報われない

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    映子の狂気じみた側面は、自分の奥底にあるものを揺さぶってきます。見たくないけど、確実に知ってる。
    読むのは非常にしんどいです、、、笑。
    強く生きるってどういうことなんだろうと、個人的には考えさせられました。

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    2019年06月15日
  • 愛すること、理解すること、愛されること

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    ネタバレ

    2組のカップルと1人の女の出会いとその後。そもそも出会いからして唐突なシチュエーションであり、その後の波乱を微かに予感させつつも、想像のつかない方向へと物語が急速に展開していく。果たして、これは小説なのか。しかし、そこには心地よいスピード感と、予期せぬ動き、そして、誰もが納得する普遍的な感情が込められている。破綻しているようで破綻せず、不思議な魅力を放っている。

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    2018年10月01日
  • 報われない人間は永遠に報われない

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    ある作家がこの本を読んで号泣したとつぶやいてた.のを踏まえて俺は文学向いてないんだなと改めて感じた次第でした.

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    2016年07月03日