加藤隆のレビュー一覧

  • 歴史の中の『新約聖書』

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    『新約聖書』と、それにもとづく信仰のありかたが、どのようにしてつくられてきたのかということを、大胆に図式化してわかりやすく解説している本です。

    本書の中心となっているのは、四福音書が誕生した歴史的な背景と、初期キリスト教団の信仰のありかたの変遷を関係づけながら、それぞれの特色を説明しています。著者は、マルコ福音書とルカ福音書は「精霊主義」、マタイ福音書は「新掟主義」、ヨハネ福音書は「イエス中心主義」といったように、端的な表現でそのちがいをまとめており、四福音書の鮮明なイメージを示すことで、初学者にとって『新約聖書』を近づきやすいものにしている入門書といえるように思います。また、『新約聖書』の

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    2025年08月18日
  • キリスト教の本質 「不在の神」はいかにして生まれたか

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    キリスト教には無数の宗派分派があり、ありもしない独自の教えを宣伝し、宗教集団を作り上げる。効率的に人を集めて大きな社会勢力になることが目的の宗教ビジネス。p.181, 265

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    2024年04月09日
  • キリスト教の本質 「不在の神」はいかにして生まれたか

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    非常にためになる。考え方には学ぶ点が多々ある。
    ユダヤ教の起源から聖書の成り立ち、ユダヤの歴史と神の不在の話を絡めて、神の不在に於いてのキリスト教の成立。
    宗教ビジネスとまで言い切る著者の自信と博識には恐れ入るし、なるほどね…と、納得もさせられた。

    最後の一章が無ければ⭐️5つでも良かった。しかし残念ながら「和」を尊ぶ日本人としては、教祖(著書)の言いなりになる羊さんには簡単にはなれそうにない。で、⭐️は3つにさせて頂きました。
    この並々ならぬ溢れる自信が気にならない羊さんにはおすすめ致します。

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    2024年02月29日
  • 別冊NHK100分de名著 集中講義 旧約聖書 「一神教」の根源を見る

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    後半部分は難解。何度か読むことによって理解できるかもしれない。旧約聖書が矛盾に満ちた書であることはよくわかった。

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    2021年10月14日
  • 一神教の誕生 ユダヤ教からキリスト教へ

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    ネタバレ

    一神教における神と人の関係性について。キリスト教はユダヤ教からの分派から生じた世界宗教ではあるけど、決して旧来のユダヤ教から正しい位置にあるわけではない。キリスト教は、イエスが告知した「神の支配」の現実が事実である可能性に賭けている(ユダヤ教はそれを傍観している状態)。イエスが伝えてきた神の支配が「全てのもの」に関わるという性質が、イエスの死後に出来たエルサレム初期共同体によって「一部の」人びとの生活スタイルに改変されることで、「教会」の成立へと向かった。この聖俗を切り分ける「人による人の支配」こそが、世俗の支配者による「支配の仕事」を大幅に減らし、ヘレニズム時代以降の西洋社会を安定させるに至

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    2021年05月17日
  • 『新約聖書』の誕生

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    「旧約聖書の誕生」があったので若干びくつきながら読んだのだが、やっぱり根拠のあげられない自説(というか、感想?)と学術的に合意がなされている事項、文献から分かることの区別があまりなく書かれているので、どこまで信用していいか分からず、いまいち参考にならない。こちらの本は「誕生」の題にのっとって27の文書が正典として認められるまでの歴史が筋になっている…けど、やはりキリスト教的・聖書的な考え方についての(この人独自の?)解説が多いかな。

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    2021年02月25日
  • 一神教の誕生 ユダヤ教からキリスト教へ

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    ここまで突き詰められることで、教会へのもやもやした気持ちが晴れます。
    だからといって、不信仰になるわけでもなく。
    不思議な宗教です。

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    2020年03月25日
  • 別冊NHK100分de名著 集中講義 旧約聖書 「一神教」の根源を見る

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    元々の聖書に対する知識が不足しているため、そこまで内容は理解できませんした。とはいえ教科書なので、断片的ながら雰囲気はつかめました。
    今回で2回目の通読です。

    ユダヤ陰謀論なんて時には言われる宗教なので、気になって読んでみました。旧約聖書の全体を解説されているようなものが読みたいのです、複雑な読み物ということなので、それも難しいのですかね。

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    2018年02月15日
  • 別冊NHK100分de名著 集中講義 旧約聖書 「一神教」の根源を見る

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    軽い読み物のようで結構批判的に踏み込んでいて読みごたえがあった。聖書批評学の基本がコンテクストから分析していくことなので、護教的な姿勢で読み始めるとやられるかもしれない。かなりの部分納得する内容ではあったが、創造神話やエデンの園、カインとアベル、ノアの箱舟の物語などを、ソロモン王政の賛美と批判のメタファーとしている部分は、考えさせられるところではあったが、それがカノンになるということを考えるとちょっと不自然な気はする。時代的に追いきれないところがあるので沈黙するしかないが。

    何にしてもよい読書体験になった。しかし個人的に触れなれた聖書に対しての本書であっても100分でっていうのはちょっと難し

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    2017年09月13日
  • サラリーマン大家さん お金の借り方テクニック

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    ネタバレ

    不動産投資のために、多額のお金を金融機関などから借りるには、テクニックがある!全くその通りなのだと思います。
    銀行の融資というのを体験してみないと、流れはわかりませんし、不動産会社との連携も含めてしっかり出来ていないと、大きな借金を抱えるのは間違いないので。(個人の住居の住宅ローンも、投資用のアパートローンも同様に)
    「金銭消費貸借契約書」「保障委託契約書」など、契約書の見方と注意点まで具体的に解説してくれている点は、とても親切に感じました。

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    2014年11月30日
  • サラリーマンだからこそ「節税大家さん」で儲けなさい!

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    「節税大家」って、響きに対して、微妙なイメージが残ります。所得税、住民税、子供の保育料などの減額が沢山あると知れば、尚更、驚きます。
    やはり、税金に関する知識の有無は、大きな違いを生み出しますね。
    ただ、今の時代、サラリーマンが安定の土台になるという発想に多少の無理を感じます。もはや、気楽な稼業ではないので。

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    2014年11月24日
  • 一神教の誕生 ユダヤ教からキリスト教へ

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    民族宗教だったユダヤ教からどのようにして世界宗教であるキリスト教が生まれたのか。その過程は想像以上にある意味で打算的で、差別的ですらあり、絶対的な「神」がそこに存在してとは到底思えない、恐ろしく人間的なものだった。
    この本の論理が全てではないとは思うけれど、冷静かつ客観的に捉えられた、ユダヤ教とキリスト教の関係は興味深い。
    そしていまは「科学」が宗教的人のあり方を担っている部分がある
    消化不良なのは、ユダヤ教の神である「ヤーヴェ」がキリスト教にどのように取り込まれていったのかが触れられはしたものの語り切られていないところ。

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    2014年08月28日
  • 一神教の誕生 ユダヤ教からキリスト教へ

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    実はタイトルに若干問題があるのだが、「一神教」というものの副題にあるように扱っているのはユダヤ教とキリスト教である。
    そこを含んでしまえば、ストラスブール大で神学博士をとったという著者の記述は入門者向けに分かりやすく好ましいものである。 聖書に触れる際の参考になる一冊。

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    2013年09月22日
  • 一神教の誕生 ユダヤ教からキリスト教へ

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    著者は神学者だから、という言い方が適切かどうかわからないが、宗教の前提となる部分は文字通り前提として捉えていて、あえて踏みこまない。
    ところで論理とは、もともとはロゴスであって、ロゴスとは神の言葉であり、世界を構成する論理とイエス・キリストの言葉そのもの。だから論理とは「神との論争の理」なのだよね。しかるに内容は極めて論理的といえるのだ。
    もし細かいところに興味が湧けば、神学者ではなく橋爪大三郎のような社会学者による宗教解説本を読めばいいということです。
    この本からは宗教史とりわけキリスト教会史について学ぶところが多かった。63点。

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    2013年06月24日
  • 一神教の誕生 ユダヤ教からキリスト教へ

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    ユダヤ教がどうやって一神教になっていったのか。歴史的な危機意識を神学的展開で乗り越えようとする試み。その行き着く先にイエスの動く神。そして救う神がいる。しかし神が部分的にしか介入しない現実において、教会の指導者たち人による人の支配が行われている。緻密な論理展開が面白かった。

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    2012年07月03日
  • 歴史の中の『新約聖書』

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    良くも悪くも新書的。
    まあ基礎的な知識を得るにはなかなか。なぜマルコの福音書における使徒は愚かなのかとか。

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    2011年12月31日
  • 一神教の誕生 ユダヤ教からキリスト教へ

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    例えば、何かを信仰していて、にもかかわらず辛い思いをしたとしよう。

    「一生懸命祈ってたのにこんなことになるなんて、祈りになんか意味無いんじゃないの?神様」

    これは誰もが考えると思う。だけど、その時エラい人たちはこうきり返した。

    「その信仰はちょっとズレてて、さらに、たまにサボったりもしてたでしょ?だから神様は何もしてくれなかったんだよ。ウン、そういうことにしよう。」

     これは神様のコメントではなく、宗教的にエラい人のコメント。
    つまりみんなは神様の存在を揺らぐことの無い大前提として、その他のつじつまを必死でその大前提に合わせようとしている。この感覚は信仰心が乏しい自分(おそらく

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    2010年10月27日
  • 『新約聖書』の「たとえ」を解く

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    何とも面白そうなタイトルで、去年衝動買いしてしまったこの本。そもそも「たとえ」「たとえ話(パラボレー)」とは何か、新約聖書の系譜などの話から始まって、「サマリア人」、「放蕩息子」、「宴会への招待」、「種まき」の4つのたとえ話の解釈について述べられる。素人なので、どうも納得できないところや、こじつけじゃないかと思ってしまう箇所が多々あって、やっぱり俺って文学とは合ってないのか、とも思ってしまったが、思ってもみなかった「たとえ話」の解釈が示されていて、それだけでもとても興味深い。差別主義の話がなんとも閉鎖的だなーと思ってしまうがそうでもないらしい。この本は、多少なりとも聖書を読んだことのある人に向

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    2009年10月04日
  • 一神教の誕生 ユダヤ教からキリスト教へ

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    ユダヤ教からキリスト教への発展史概説。
    一神教の成立が「王国の滅亡から民族を救わなかった頼りない神を棄てないための理由付け」としか書かれていなくて、その部分を知りたいものにとってはいまひとつな内容。

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    2009年10月04日