田村元秀のレビュー一覧
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本書はタイトルの通り太陽系外惑星科学の入門書である。太陽以外の恒星の周りを回る惑星は、1995年の初発見以来、2016年現在ですでに3000個以上を超えている。本書は惑星の種類、観測方法のほか今後の展望についても詳しく述べられている。今後に期待されることは地球型の惑星、特にハビタブルゾーンに位置し、生命が存在する惑星の発見である。特に目から鱗だったのが、生命の存在証明の指標であるバイオマーカーの捜索において、酸素、水、メタンといった分子だけでなく、いきなり宇宙植物を探すというものである。これは地球の植物の葉緑素が可視光を吸収し、赤外線を反射することから「レッド・エッジ」と呼ばれる特殊なスペクト
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ドレイクの方程式。
フランク・ドレイク博士が提唱した、銀河系の中に、地球外知的生命体による文明がどれだけあるかを概算する公式。
N = R × fp × ne × fl × fi × fc × L
Nは銀河系内にあると推定される、電波による通信技術を持つ文明の数
R :銀河系内において恒星が誕生する速さ(1年間に恒星が誕生する数)
fp:恒星が惑星系を持つ確率
ne:一つの恒星が持つ生命に適した惑星の数
fl:生命に適した惑星から実際に生命が発生する確率
fi:発生した生命が知的生命に進化する確率
fc:知的生命が電波通信が可能な文明を持つ確率
L :高度な文明が存続する時間の長さ
ざ -
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ネタバレ9つの論点(観点)から地球外生命はいるのか、そもそも生命が誕生するとはどういうことか、地球上での不思議な生物や進化について書かれた本。個人的に、宇宙人はあまり信用ならないが、微生物や、原生生物のようなものなら宇宙に広くいるような気がする。
自分の専門の生物系の話以外では、星間分子の話が一番好きやった。
「酢酸」が見つかっているってなかなかすごい。スペクトル見ながら、「お!酢酸やん」ってなってる様子がわくわくする。
この本で唯一気になったのは、地下生命圏に微生物はいるが、動植物は0という表現。植物は0かもしれんが、センチュウは動物やし、地下深くにもいるはず。 -
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田村元秀(1959年~)氏は、系外惑星天文学、赤外光学天文学を専門とする天文学者。東京大学大学院天文学専攻教授。
本書は、我々が住む太陽系以外に存在する惑星(系外惑星)の研究、第二の地球探し、さらに地球外の惑星における生命探しの研究現場について、日本の第一人者である著者の体験を交えつつ、綴られたものである。
系外惑星が最初に発見されたのは1995年のことであるが、その発見者となったスイスのマイヨール氏とケロッズ氏が2019年10月にノーベル物理学賞を受賞したことにより、この分野が改めて脚光を浴びたことは記憶に新しい。
本書では、具体的には、①太陽系の構造、②惑星はどのようにして生まれ、それはど -
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太陽系の外にある惑星「系外惑星」について、この分野の第一人者である田村元秀氏の著書。
ニュースなどで新しい天体が発表されるたび不思議に思っていたが、数十光年も離れた天体の情報について、誰かが実際に行ったわけでもないのに詳しく分析できるのはなぜなのか、実は系外惑星の観測には間接法という特殊な観測方法を使用していたらしい。
間接法の代表的なものとしてはドップラー法、こちらは惑星の引力によって揺らぐ恒星のスペクトルを分析する方法。そしてトランジット法という、惑星が恒星を横切る際のスペクトル変化を観測する方法、これらによって惑星の質量や成分、大気の状態などもわかるそうだ。
2009年に打ち上げたケ -
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既に天体観測技術の進歩によって、推定まで含めて約3000の太陽系外惑星の存在が確認されているらしい。
地球外生命というと、下手をすると地球外文明≒宇宙人≒チャネリング≒スピリチュアルなんとかみたいな胡散臭い筋に突入してしまうものも少なくはないのだが、この本で論じられていることはあくまで地球外「生命」であって、地球外「文明」ではない。
主要な論点として極限生物、RNAワールド説、星間物質の検出、太陽系外惑星の観測など、現状の研究から飛躍の無い範囲で考えていく、非常に興味深い本である。
地球外生命はSFとして非常に興味深くて面白くなるテーマであるのだが、SFじゃない現実の可能性としても -
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天文学者や物理学者は、宇宙のあまりのスケールに存在を疑う特別な理由を見出さず、一方生物学者は生命の神秘さに魅了されるあまり存在を疑う。
かつては口にだすのも躊躇うようなアヤシイものだったのが、現在では地球外生命を科学的な対象として扱うのにタブーとはされなくなった。
私自身は、実感すら持てない途方も無い宇宙のスケール的に、敢えて否定的になる理由を持てないので、多分いるだろうと思っているが、やはりちゃんとしたデータと推論で議論できるようになってきたのが面白い。まぁプリミティブなカタチでの生命はどこかにはまずいるんじゃなかろうか。
問題は、知的な生命がいたとして、わざわざ膨大な労力(エネルギー)を使 -
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9人の最先端な科学者が、それぞれの専門領域から地球外生命あるやなしやを論じてくれる一冊。
「SFの世界でのお話に過ぎないと思われがちだった地球外生命は、いまや科学の最先端にある重要なテーマとなっています。」
光合成の成り立ちを延々と書いて地球外生命の話はちょっとだったり、
アミノ酸が非人為的にどうやって合成され得るかを延々と書いてみたり、
地球の極限環境の生命についてだったり、
色んな観点で、いないと思うよとか、いやいるよとか話を聞かせてくれる。
一見、地球外生命の話としては回りくどいようにも思えるけど、その実すっごく直接的に生命発生についての話になっていて、つまりすっごく面白い。
科 -
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生物学者や天文学者が集まったシンポジウムを土台にしたアンソロジー。「9の論点」とあるが、論点がはっきり9つあるんじゃなくて9人集まったから「9の論点」にしたみたい。
どちらかといえば物理学者に地球外生命肯定派が多くて、生物学者に否定派が多いらしい。しかし系外惑星が次々と発見されたり、太陽系内でも生命が存在しうる環境が見つかったりする中で、徐々に肯定的な見方が増えてきて、学問として成立するようになった。でも、まだ知的生命の存在までは簡単には考えられない。
フェルミのパラドックス:広大な宇宙には知的生命が他にもいそうなのに、誰も人類にコンタクトしてきていないのは何故か?
電波で何光年もの距離を -
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最近、新聞等で「太陽系外の惑星が発見された」というニュースが時々紹介されています。ちょっと前までは「第二の地球を探す」、「地球外生命を探す」というとちょっと純粋な科学というよりもSFっぽい印象がありました。ところが、ここ10年ぐらいで太陽系外の恒星系に実際に惑星が発見されるケースが続出しています。なぜ自ら光を出さずに恒星よりもはるかに小さな惑星を発見できるようになったのか、さらにその半径や質量までもが観測でき、惑星の密度まで見積もる事ができるのはどういう観測によるものか、分かりやすく解説しています。様々な観測実績が紹介されていますが、その大部分が1990年代以降のもので、いかに現在で最もホット