土井善晴のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
一人暮らしを始めた時に読んで実践し始めた一汁一菜。家庭を持ち、子供ができ、自分だけではなく家族のための料理が始まってから、改めてどのように料理と向き合おうか考えようと手に取りました。
ハレ(非日常)の料理として、両親や親戚が家に来る際は作ったことのないいろいろな国の華やかな料理にチャレンジすることにしていますが、ケ(日常)の料理(ほぼ和食)と食卓についても安定感や安心感をもたらしつつ、私自身がなにか少しずつ季節や素材の変化を感じられる(自然とつながる)体験にしていきたいと思いました。
お茶の世界の「賓主互換」とは良い言葉ですね。どうしても自分を「作る人、評価される側」と捉えてプレッシャーを感じがちですが、土井先生のおっしゃるように料理をもっと食べる人との相互作用の中に位置付けるともっと色の体験が楽しく豊かになりそうだと感じます。子供がもう少し大きくなってなんでも食べられるようになったら、料理を通して心を重ねていけるようになりたいです。
色々考えさせられましたが、結局なにより大事なのは料理がうまいことや美味しく作ることではなく、食べる人のことを想う心ですね。そうした姿勢が、料理する音や盛り付けや味付け、感触に現れて、言葉はなくてもあたたかなコミュニケーションになるのだと思います。赤ちゃんの脳の発達や言語獲得にも言われることですが、人間の情緒は、そういう相互作用の中で育まれるのは共通しているのでしょうね。身が引き締まります。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ興味深く読んだ。料理家の家に生まれた人で父は「土井勝」
子供の頃からこの道に進みと決めていたようだ。
父のことから始まり家庭環境、そして料理を通して出会った人々の逸話と著者が体験した料理の道が書かれている。
とても真摯に料理に向き合っているのが文章から感じられまたフランス料理、そして日本料理の真髄(とまではいかないかもしれないけれど)とその意味とか、素人でもわかりやすく読み取ることがわかって色々と感じるものがある。
著者の真面目でひたむきな性格、家庭料理のあり方に行き着くまでのことが書かれているように感じた。
「一汁一菜」...納得ですね。
料理のハードルを下げて家庭料理のあり方みたいなものを
日本料理(懐石)とフレンチを紐解きながら書いた本...
という感じかな〜と思う。
読み応えありました。 -
Posted by ブクログ
アニミズムやわびさびは、ウチの台所にあふれている。
家庭料理の精神性を人々に気づかせたことが、土井善晴先生の、そしてこの本の偉業だと思います。
誰がつくっても美味しいレシピや、時短料理術、目新しい調理法などといったテクニックではない、料理の精神性や思想。アニミズムやわびさび等といった日本の自然や文化と、かたや生活感満載の「ウチの台所」が直結するなんて今まで思いもしなかった。そういった高尚な考えはプロの世界、懐石料理や料亭の板前さんのもので、家庭料理とは無縁だと。
家事に追われる人は「そんなことより実用的な調理法をおしえてよ」と普通は思うのでしょうが、「でも土井センセが言うてはるんやから」と振り向かせるだけの親しみやすさが土井先生の強みです。
季節や風土、わびさびを感じながら、手間をかけず素材そのものを生かして食べること。キレイに整えた状態で食べること。料理をつくって食べるまでの行為全体を通して感じる「心の気持ちよさ」のあとに、「味覚の気持ちよさ」すなわち「おいしさ」はやってくるのかもしれないなと思いました。
土井先生の言説からあらたな気づきもありました。
肉は、繊細な和食文化では扱いきれないほどに快楽的なうまみがあり、それを禁じなければ和食文化は持続できなかった、ということ。
素材をいかすのであれば、味は「うけとる」ほかなく、むやみにコントロールできることではない、ということ。
なるほどなと思いました。 -
Posted by ブクログ
自伝ではない、と書いてありましたが、自伝でした。
フランス修行時代の話は、想像しにくくて難しかったんですが、日本に戻ってきてからの話も料理研究家になった後の話は面白かった。
旬のものを食べること、食べ物を料理することで、人と環境(地球)とつながるっていう考えは、料理をする人じゃないと言えないな、と思いました。
土井先生が、あのやわらかい口調で優しく語っているかのようでした。
「おかずのクッキング」の最終回で「料理をする人を大切にしてください」みたいなことを言っていたと思うんですが、その意味が何となく分かったような気がしました。
あと、料理とは違うんですが、サロマ湖100キロウルトラマラソン完走したっていうのが、すごいなぁ、と思いました。100キロの大会に出たことがあるっていうのは知っていましたが。