スティーブン・ジョンソンのレビュー一覧
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子どもが死ななくなった。
天才 X ネットワーク、データ
1968年 カラハリ砂漠 狩猟採集民クン人の年齢 相対的に年上年下はわかる
平均寿命35年と想定 青年期を乗り越えれば60代までは難しくはない
17世紀 ロンドンも同様に35歳
18世紀 天然痘 オスマントルコに赴任した貴族から伝わった人痘接種で改善
免疫学の父 イギリス人 ジェンナー 牛痘接種で死亡率低下のデータ
19世紀 アメリカで接種法律化 公的機関WHOへ発展 1979年天然痘根絶
工業化の最初の数10年 寿命低下 地図データ分析で上下水道が原因
牛乳のパスツーリゼーション(低温殺菌) 水道水の塩 -
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寿命の延び(=ゼロ歳の平均余命の延び)は乳幼児死亡率の劇的減少(20%→1-2%)で起こった。20世紀の前半まで子供の何割かが大人になる前に死んでいた。その子供たちがほぼ成人になり生殖して子供を作る、この部分で人口爆発が起こった。本書はこの事実をメインに据えながら、それをもたらした、あるいは補完したイノベーションを8つ取り上げる。
第1章 平均寿命の測定ーそもそも原初、寿命はなぜ短かったのか、それを記録し平均寿命という概念ができる。そこから平均寿命の差は乳幼児死亡率の差であることがわかる。
第2章 人痘接種とワクチンー乳幼児はなぜ死んだのか。これは端的に感染症が原因だ。特に天然痘が重大 -
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人類の歴史の中で舞い踊られてきた共進化のダンス。ハチドリ効果。
ロングズームのアプローチで見るイノベーションの歴史。
第1章 ガラス
・グーテンベルグの活版印刷が識字率を高めてメガネを普及させ、レンズの活用が広がる。グラスファイバーによるインターネットの普及。人類が熱を手に入れて二酸化ケイ素のガラスとしての活用が広がる。
◯多重発明:概念の構成要素がそろったおかげで、発明や科学的な発見がまとまって生じる。地理的に散らばっている数人の研究者が、たまたま独自に同じことを発見する。
ひとりの天才が他の誰も夢にも思わないアイデアを考えつくというのは、実は例外であって通例ではない。
第2章 冷たさ -
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革命は連鎖するからこそ革命
イノベーションも同じである。1つのきっかけではなく、その連鎖こそ産業革命。
■概要
ガラス、音、冷たさ、明るさなどの技術発展が様々な社会的な影響や、他のイノベーションに影響を与えていることを考察する。
■感想
『外国と戦争の世界史』であったナポレオン革命は、民主化を2歩後退させ(ウィーン体制)→3歩進めた(諸国民の春)とあった。あれよりも更に因果関係が捉えづらく、複雑であるものの、技術の発展もそうである。
・ガラスの章が1番圧巻。
ケイ素という不思議な物質がメガネを生み、活字で目が悪くなった人や元々活字が読めない近視の人に影響しただけでなく、今となってはファ -
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6つの分野のイノベーションの歴史について書かれている。分野は「ガラス」「音」「冷たさ」「清潔」「時間」「光」で相互の関連や選んだ基準は無いようだがどの分野のトピックも興味深い。例えば、「冷たさ」ではアメリカ北部の天然氷をカリブ地方へ運ぶ話から製氷機の発明、冷蔵庫、冷凍食品、エアコンと次々にイノベーションの物語が語られる。一人の天才の閃きより、さまざまなアイデアを組み合わせることがこれらのイノベーションの誕生には必要であったことが分かる。分野の選び方、エピソードの収集と選択、構成どれをとっても素晴らしい。しかし読み終わった後、著者の目新しい主張やアイデアが感じられなかった。興味深いエピソード集と
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意思決定論の歴史とまとめ。
ここ数十年意思決定論が出ていて、カーネマンに代表される行動経済学から短期と長期の考えが異なり、歪みが生じるという理解が進んでいる。方法としてはディシジョンツリーや加重平均、スーパーコンピューターを使ったアンサンブル予報、死亡前死因分析、シナリオ分析、あるいはランダムテストがあるが、本当にその人にとっては一回こっきりしかないような結婚するかどうか?というものに資するツールかはよく考えないといけない。ここでは、温暖化、シンギュラリティ、エイリアンとの遭遇を超長期課題の例としているが、そのようなものに対しては、様々な角度、人、の深く長い分析討論が必要である。 -
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【由来】
・MediaMarkerのトップページで
【期待したもの】
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【要約】
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【ノート】
・ 歴史を動かしてきたのは大きくて「真面目な」歴史的プレーヤーとは限らない。例えば産業革命を促進したのは、きれいに染められた木綿の服を競って買い求めた英国の女性達だった、とか、今のコンピューター文明の基本的な構造をつくったのはオルゴールだったとか。
・もともとスティーブン・ジョンソンは好きで、本書も無類に面白かった。概して、この人は、一見、ささやかだったり、見過ごされてきた「小さきモノ」や軽視されてきたモノへの視点が持ち味だと思う。そして、「ささやかだけど大事」ということではなくて、「さ -
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ホイジンガは言った。
「ずいぶん以前からのことであるが、私の心のなかでは、人間文化は遊びのなかにおいて、遊びとして発生し、展開してきたのだ、という確信がしだいに強まる一方であった」
人は、遊ぶものなのだ。
そこからイノベーションが、革命が生まれる。
第1章では、ティリアン・パープルなるものが登場する。
この紫色のために人は海に出た。
驚くべき欲望!
そして木綿。
下着のチクチクをなくすために、人は発明を繰り返した。
マダム達の欲望が、経済を動かしたのだ。
そんな、ばかな?
ジョン・ケイの飛び杼、アークライトの紡績機、ホイットニーの綿繰り機、そして蒸気機関!
世界史の授業でただただ暗記させ -
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ネタバレメモ:7つの法則
1. 隣接可能性
2. 液体ネットワーク
3. ゆっくりとした直感
4. セレンディプティ
5. 間違い
6. 外適応
7. プラットフォーム
+
序章:珊瑚礁
終章:第4区画(非市場/ネットワーク)
やはりイノベーションを起こすためには、一人で考えいるより、多くの人と接触を持って、その協議から発想を得ることのほうが確率的に高そうだ。
その点で、いなかより都会のほうが、何倍もイノベーション発生率(とでも言うか)が高くなっている、とのこと。
言っていることは目新しくないがもっともなことで、整理されているため、納得できた。
ただ、同じ主張の繰り返しが多いので、もっとコンパクトに -
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必要は発明の母、娯楽は発展の父
娯楽→技術向上/新たなニーズ→イノベーション。AIにこれはできるか?
■概要
人類の娯楽の歴史であるオシャレやゲーム、社交場(居酒屋やカフェ)の成り立ちや史実をもとに、人類の発展を考察する。
筆者のいう"ハチドリ効果"、要はあるニーズやソリューション自体が、全く関係なく見える(ニーズをうみ)イノベーションに繋がっているのでは?というケースを6つに分類して紹介していく
■感想
安宅氏推薦の『世界を変えた6つの革命』の方からこちらに飛んだものの、革命に比べて非常に読みづらい。筆者も訳者も同じながら、こちらの方が古いことから、おそらく『〜革命