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「ガラス」「冷たさ」「音」「清潔」「時間」「光」。この六つの大発明は、その時々で直面する問題に取り組むなかで予想外に生み出された。著名人から知られざる市井の人々までさまざまな発明に光を当てながら、人類進化の歴史をひもとく。
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Posted by ブクログ
ガラスや冷房、光など現代になくてはならない発明の起源が書かれていて面白い 食品の冷凍技術が少子化対策に繋がるなど、どの分野もバタフライエフェクトの如く発展している 次の100年はどう描かれるのかなぁ
人類の歴史の中で舞い踊られてきた共進化のダンス。ハチドリ効果。 ロングズームのアプローチで見るイノベーションの歴史。 第1章 ガラス ・グーテンベルグの活版印刷が識字率を高めてメガネを普及させ、レンズの活用が広がる。グラスファイバーによるインターネットの普及。人類が熱を手に入れて二酸化ケイ素のガラ...続きを読むスとしての活用が広がる。 ◯多重発明:概念の構成要素がそろったおかげで、発明や科学的な発見がまとまって生じる。地理的に散らばっている数人の研究者が、たまたま独自に同じことを発見する。 ひとりの天才が他の誰も夢にも思わないアイデアを考えつくというのは、実は例外であって通例ではない。 第2章 冷たさ ・氷の貿易から人工冷却、冷凍食品、エアコン ・大統領選から人工妊娠まで、発明のインパクトは当初のものに縛られがちと自覚する。 第3章 音 ・エドアール=レオン・スコット・ド・マルタンヴィルによる音を記録する装置フォノートグラフ。速記のアナロジーから着想したため記録をいち早く実現する一方、再生の概念なし。 ・ベル研究所がアイデア工場となり得た独禁法上の申し合せ。電話サービスの独占維持は許されるが、ベル研究所によって生み出された特許発明はどれも、それを有益と考えるアメリカ企業に無償で使用許可を与えなくてはならず、新たに取得する特許はすべて安価な料金で使用を認めなくてはならない。 ・暗号から生まれたデジタル信号。 ・真空管アンプが政治、音楽集会規模を変える。ヒトラーの利用。 ・ソナー技術による妊婦検査。これが生み出す、特に中国での女児中絶。 第4章 清潔 ・塩素消毒の始まりと普及の理由。 第5章 時間 ・振り子時計から、クォーツ、原子時計へ。「等しい時間」を有するものの探索。時間が正確に測れるだけでなく、測れることで変わる産業、生活。 第6章 光 ・電球はイノベーション・ネットワークの成果
革命は連鎖するからこそ革命 イノベーションも同じである。1つのきっかけではなく、その連鎖こそ産業革命。 ■概要 ガラス、音、冷たさ、明るさなどの技術発展が様々な社会的な影響や、他のイノベーションに影響を与えていることを考察する。 ■感想 『外国と戦争の世界史』であったナポレオン革命は、民主化を...続きを読む2歩後退させ(ウィーン体制)→3歩進めた(諸国民の春)とあった。あれよりも更に因果関係が捉えづらく、複雑であるものの、技術の発展もそうである。 ・ガラスの章が1番圧巻。 ケイ素という不思議な物質がメガネを生み、活字で目が悪くなった人や元々活字が読めない近視の人に影響しただけでなく、今となってはファイバーとして世界をWebで繋ぐ技術となった。冷たさ、明るさなど、人類が培ってきた人工でこれらを作り出す試みが、熱帯地域への居住を可能にしたり、あらゆる「成長」を生んでいる。 ・安宅氏の考察 新しい技術がどのような形に育つのか、どのような影響をもたらすのか、世に出した瞬間にわかるわけがないこともよく分かる。バックキャスティングで未来が生み出せるかのような議論が最近多く、少々辟易としていたが、ある種、溜飲が下がった ・筆者の考え 「"タイムトラベラー"に共通する要素があるとしたら、それは、彼らが表向きの専門分野の余白、あるいはまったく異なる領域の交点で、仕事をしていたことである」 →まさにイノベーション、門外漢
6つの分野のイノベーションの歴史について書かれている。分野は「ガラス」「音」「冷たさ」「清潔」「時間」「光」で相互の関連や選んだ基準は無いようだがどの分野のトピックも興味深い。例えば、「冷たさ」ではアメリカ北部の天然氷をカリブ地方へ運ぶ話から製氷機の発明、冷蔵庫、冷凍食品、エアコンと次々にイノベーシ...続きを読むョンの物語が語られる。一人の天才の閃きより、さまざまなアイデアを組み合わせることがこれらのイノベーションの誕生には必要であったことが分かる。分野の選び方、エピソードの収集と選択、構成どれをとっても素晴らしい。しかし読み終わった後、著者の目新しい主張やアイデアが感じられなかった。興味深いエピソード集としか読めなかったのは読解力の不足なのであろう。
面白かった ガラス、冷たさ、音、光などがどうして生まれたか タイムトラベラーはガレージから生まれる 専門家ではなく、異業種を掛け合わせられる人。 いろんなものに興味を持つべき理由はそこにある
今では当たり前の存在となっているものがどのように発明されたのか、長期にわたる時間軸の中で、これまでにない切り口から記載されている。 歴史に関する読み物としても、科学、イノベーションについて学ぶ書物としても面白いと感じた。 物事について、視点、切り口を変えた見方を学べると思う。
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