あらすじ
「新・人類進化史」シリーズ第3弾。人生・組織・文明の進路を大きく変える、生涯に一度あるかないかという重要な意思決定のモデルとなる、世界の社会的歴史を形作ってきた「選択肢」を分析・解説。「英断」のメカニズムを解き明かす。
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Posted by ブクログ
意思決定論の歴史とまとめ。
ここ数十年意思決定論が出ていて、カーネマンに代表される行動経済学から短期と長期の考えが異なり、歪みが生じるという理解が進んでいる。方法としてはディシジョンツリーや加重平均、スーパーコンピューターを使ったアンサンブル予報、死亡前死因分析、シナリオ分析、あるいはランダムテストがあるが、本当にその人にとっては一回こっきりしかないような結婚するかどうか?というものに資するツールかはよく考えないといけない。ここでは、温暖化、シンギュラリティ、エイリアンとの遭遇を超長期課題の例としているが、そのようなものに対しては、様々な角度、人、の深く長い分析討論が必要である。
Posted by ブクログ
この本でスティーブン・ジョンソンが言いたいことをかなり単純化すると、
「人間や社会の大きな決断は、突然のひらめきではなく、『世界の地図を作る→未来を予測する→選択する』という流れで行われる」
ということです。
① マッピング(Mapping)
まず現実を理解するための「地図」を作る段階です。
例えばコロンブスなら、
* 地球は球体である
* ヨーロッパとアジアは海でつながっている
* 当時知られていた航海記録
などを頭の中で整理した。
つまり、
「今、自分はどこにいて、世界はどうなっているのか」
を把握する作業です。
著者は、
良い決断は良い地図から始まる
と言っています。
⸻
② 予測(Simulation)
次に、
「もしこうしたらどうなるか」
を頭の中でシミュレーションする。
例えば、
* 西へ航海したらアジアに着くか?
* 失敗したら食料は足りるか?
* 敵はどう動くか?
などです。
将棋で数手先を読むのと似ています。
人間の脳は、
未来を仮想体験する機械
だと著者は考えています。
⸻
③ 決定(Decision)
地図を作り、
未来を予測した後で、
「ではどの道を選ぶか」
を決める。
ここで初めて決断になります。
結構小説的でわかりにくいがこのようなものかとぼんやり考えて読みました。
下記はジェミニのかいとうです。
スティーブン・ジョンソンが本書で提示している「長期的な決断(Far-sighted decisions)」のメカニズムは、まさにいただいた3つのステップそのものです。直感や一瞬のひらめきを美化しがちな世の中に対して、彼はもっと泥臭く、しかし知的なこのプロセスこそが人類を前に進めてきたと説いています。
この3つのステップをさらに深く味わうために、本書の背景にある「著者が本当に伝えたかった隠し味」を少しだけ補足させてください。
① マッピングの肝:あえて「ノイズ」を取り込む
良い地図を作るには、自分の見たい景色だけでなく、**「見たくない不都合なデータ」や「多様な視点」**をどれだけ盛り込めるかが勝負になります。コロンブスの例で言えば、当時の不確実な噂や異なる学説まで含めて地図を広げたことが、結果として新しいルートへの足がかりになりました。視界を狭めず、グラデーションのある現実をそのまま描き出すのが、ジョンソンの言う「良い地図」の本質です。
② 予測(シミュレーション)の肝:失敗のシナリオ(プレモータム)
人間の脳が「未来を仮想体験する機械」であるなら、著者が特に推奨するのが**「もしこれが大失敗に終わるとしたら、原因は何だろう?」とあらかじめ未来の失敗を特定する作業(事前検証:プレモータム)**です。将棋の先読みと同じで、「良い手」だけでなく「最悪の手」を脳内でどれだけリアルにシミュレーションできたかが、決断の強度を大きく左右します。
③ 決定の肝:単一の選択肢に飛びつかない
地図を作り、シミュレーションを重ねた最後の「決定」の段階で、私たちは「やるか、やらないか(AかBか)」の2択に陥りがちです。しかしジョンソンは、優れた決断を下す組織や個人は、ギリギリまで**「第3、第4の選択肢(CプランやDプラン)」**を机の上に残し、比較検討していると指摘しています。
Posted by ブクログ
<目次>
序章 モラルの代数学
第1章 マッピング
第2章 予測
第3章 決定
第4章 グローバルな選択
第5章 個人的な選択
終章 うまくできるようになったほうがいい
<内容>
さまざまな決断の物語を取り上げながら、上手な「決断」の仕方を説く。第5章では小説を読み、「決断」を学ぶことが挙げられている。安直な解決策ではないが、最近小説をトンと読んでいないので、なんとなく「読まなきゃな」と思った。
Posted by ブクログ
Decisionsのうち熟考型意思決定プロセスを論じた書籍。フルスペクトルと不確実性によるマッピング、レッドチームとシナリオプランニングによる予測、そして決断。部分部分の話は面白く、多様な集団による不確実の(≒自信のない)決断は実は正解な可能性が高く、ベゾスは確実性をあえて70%下げるという話は興味深い。『ホモサピエンス全史』と同じくこれからの不確実性の時代におけるナラティブベースの思考の重要性を説くのも納得感がある。
ただ内容的には散漫な印象が強い。第4章と第5章は唐突。全体を通して意思決定を解明するわけでもなく、著者の調査や主張を章立てにしただけのようにも感じる。たぶん冒頭の例示が適切ではなく、本書で取り上げるテーマと取り上げる理論にマッチしていないからだろう。
そして邦題が良くない。『How We Make the Decisions That Matter the Most』なのに『「決断」の物語』とはこれ如何に。個々のエピソードは自身の意思決定の概念を振り返り再考するのに役立つ内容だったため残念。