ヴィクトール・E・フランクルのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
これほど貴重な読書体験はありません。
少しでも興味があるなら読むことをお薦め致します。
本書がどれほど素晴らしいかは既に語られつくしていると思いますので、少し違った視点で申し上げると、本書は本書をビジネス本の延長のような短いTIPSを得る為に読むか、著者の言う通り体験記として読むかで理解が違い、前者の読み方だとあまりにも勿体ないのではないかと思っています。
どういうことかといいますと、まず私はYouTubeで本書の要約動画を視聴した後に本書を読みました。しかし読んだ印象は動画とは全く違いました。要約動画みたくセンテンスを単純化したり、あるいは重要そうな結論だけ短く区切って捉え理解すると重要 -
Posted by ブクログ
タイトルは聞いたことがあったが、読んだことがなかった本書。読書会に参加してくれた方の話題提供が興味を誘い読んでみることに。精神科医でもある著者が実際に体験したナチスの強制収容所での体験を綴った本書。正直読み進めるのが辛いぐらい人間の怖さが深く刺さる。この局面で自分自身は死を選ばずに生を選び続けることができるかどうか常に問われている感覚。そして人は「生きる意味」と言えるような何かがあれば、絶望を生き抜くことができる。その点において本書は希望の書であると受け取りたい。生き残ってこの本を残してくれたフランクルさんに感謝。まぎれもなく死ぬまでに一度は読んだ方が良い一冊。
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Posted by ブクログ
人間が人間としての自由や権利や意思を奪われること。
奪われた者たちは初めは混乱し、抵抗するも、やがて順応してしまうこと。
しかしながら、人間として決して奪われないものもあるということ。
奪われたものが返ってきても、もはや受け付けられなくなってしまった者もいたということ……。
ホロコーストの当事者であった筆者が綴る強制収容所での体験は凄絶だ。同時に、人間や生きることについての分析や考察がユーモラスに綴られてもいる。ちょっとしたおかしみが最後まで読み通す活力となり、また事実の惨たらしさを明らかにしてくれていると思う。
かつて人類が犯してしまった大きな過ち(残念ながら現代でも根絶しきれてい -
Posted by ブクログ
若い頃に読んで衝撃を受けてかなり久々の再読。昔読んだ時は、絶望の中で人間性が変容する様や、自身の未来の捉え方の記述などから人の心の在り方がこれほどまで晒される環境に影響されるのかと驚いた。今回読んで改めて著者の精神性の崇高さと、その結果この本を残せて自分が手に取り、強制収容所のあり様を読む事ができているという事実に感じいった。
自分の未来を想像して絶望しかない極限状態では何のために生きるのか?という未来志向の問いではなく、まず生きる事が前提としてあり、生きている事にどういう意味づけをするのか?という問いに変える必要がうまれる。そうする事で病にふせる事にも死ぬ事にも意味が生まれる。この考え方はド -
Posted by ブクログ
本著は、著者のフランクルが長期間にわたって収容所に入れられている人間の特徴を心理学者の観点から記述したロングセラー作品である。
読み始めたきっかけは、友人の勧めである。自分は人生で何を成し遂げたいのか、頭で考えるほど迷走し始め、もはや、今まで何に対してワクワクした気持ちを持っていたのかも分からなくなった結果、生きる意味について考えていた故である。
全章それぞれで感想を書きたいところではあるが、
収容所生活中のことが記載されている第2章の感想をメインに書きたいと思う。
フランクルは収容所生活にて、多くの被収容者と関わっていくなかで、精神の自由の普遍性を見出した。置かれている環境は、ある一定 -
Posted by ブクログ
グロ・残酷描写には耐性がある方だと思っていたけど、「解説」で書かれる虐殺には、さすがにすごく心が重くなった。もはや銃殺のが楽なんじゃないかと思ってしまうほどの、ひどい虐待に人体実験、あまたの屈辱。
そんな生活の中で、作者はそれでも「自己維持のための闘いにおける心の武器」である「すてばちなユーモア」で「自分に対し、また他人に対し陽気になろうと無理に努めた」人たちを見る。
「愛する人間の精神的な像を想像して、自らを充たす」。
「われわれの戦いの見込みのないことは戦いの意味や尊厳を少しも傷つけるものでない」と語る。
苦しみの中でも生き抜く方法を伝える書として、この本より説得力があるものはないんじ -
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