ジョー・ヒルのレビュー一覧

  • ブラック・フォン

    Posted by ブクログ

    文句なしに大満足の一冊。ジョー・ヒル「お試し」としては十分すぎる内容。こんなにも気持ち悪くて、こんなにも美しい物語を、様々なスタイルで読めるなんて。
    私のお気に入りは「ポップ・アート」。近年読んだ中で最も美しい物語。イタロ・カルヴィーノの「木登り男爵」のラストを思わせるクライマックスには泣けました。「自発的入院」は本書のなかで唯一中篇と言ってもよい作品で、そのアイデアと恐ろしさは唯一無二。とにかく、ジョー・ヒル、すごい才能としかいいようがない。お父上がいなくなっても(そんな世界は考えたくないが、いずれ訪れるであろう)、これで安心、と思ったホラーファンは私だけではないはず。

    0
    2022年08月31日
  • NOS4A2(下) -ノスフェラトゥ-

    Posted by ブクログ

    かなりボロボロになるまで叩きのめされてしまう主人公がもう大変で見てられないよ!でもアメリカのお話だしどうせ最後はなんとかうまくやるんやろ?と思ったけど甘かった。てか仲間も色々とやられちゃってもう大変ていうかそこら辺の殺しっぷりはホラーじゃのう。
    そんなわけでアメリカ版おしんかってくらい厳しい青春時代を過ごす主人公を追いかけるお話でアメリカならではのエピソードもありなハードボイルドな読み応えだけど、しかしエンディングが突然に泣かせて逆にビビった。いやもうちょっと早く行ったらどうなのよ、とは思ったけどさ。

    0
    2025年09月27日
  • 怪奇疾走

    Posted by ブクログ

     2009年から2019年頃の作品を収録。
     作者はスティーヴン・キングの息子。あの父の子、と言われるのがイヤで、ペンネームで当初隠していたらしい。が、それなりに現在人気作家であるようだ。
     序文からしてスティーヴン・キングの文体そっくりで、笑ってしまった。父と比較されるのがイヤだったら、ジャンルや文体をまるっきり変えてしまったらよかったのに、と思う。
     文体までそっくりなのでこちらもスティーヴンと比較せざるを得ないのだが、文章やストーリー・テリングは、似ているようでもやはり大家スティーヴンに比して少し何かが抜けている感じがする。が、比較せずに読めば、これはなかなか面白い、出色のホラー短篇集で

    0
    2025年05月18日
  • ブラック・フォン

    Posted by ブクログ

    映画『ブラックフォン』が面白かったので原作も読んでみた。
    こちらは短編なので映画よりあっさり。後日談が収録されていたけれど、映画のラストのほうが好き。
    ホラーだけでなく、純文学系のストーリーもいくつか収録されていて、なかなか読み応えがあった。

    0
    2022年10月15日
  • 怪奇日和

    Posted by ブクログ

    お父さんのSキング様同様なオーセンテックなストーリーを緻密なキャラ心情表現で爆あげしたのを今風にバージョンアップしたような感じが好き♪

    0
    2022年10月06日
  • 怪奇日和

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    あとがきで、作者が愛する中篇小説は「どこをとっても必要不可欠、いっさいの無駄がない。」と書かれてましたが、正に、これに納められている4つの中篇がそうだと思いました。全てがテイストの異なる、怪奇幻想の要素もあるのですが、人間ドラマとして、考えさせられつつ、楽しく読ませていただきました。   

    「スナップショット」は、不思議なカメラの登場でホラーに展開するかと思いきや、主人公とシェリーのやりとりが、悲しく展開されるのが切なかったです。

    「こめられた銃弾」。久々に、結末を読者の想像に委ねる小説を読みましたが、この終わりかたが、ものすごく怖い、が、絶品だと思いました。二つの異なる恐怖が同時に迫りく

    0
    2020年04月23日
  • ファイアマン 下 THE FIREMAN

    Posted by ブクログ

    読み始めて、余裕がなくてしばらく寝かせてあったけど、再読しはじめて上巻後半から久しぶりの一気読み。感染者たちが寄り添ってコミュニティを構築し、平安を手に入れたと思ったら、あっという間に崩壊していく様が、ほんとに恐ろしかった。正義に取り憑かれた人たちのなんと恐ろしいことか、終盤でも思い知らされるが、悲しいけど未来を感じさせる結末なのが救い。ミストのおばちゃん思い出しちゃった。J・K・ローリングやマーサ・クインが登場するのが面白い。映画「ピクセル」におけるマーサ・スチュワート的存在感。

    0
    2018年11月26日
  • ブラック・フォン

    Posted by ブクログ

    洋風世にも奇妙な物語詰め合わせ短編集。
    きついホラーは無い。(なんなら表紙がいちばん怖い)

    17編あった中で1番のお気に入りは、
    純文学系の「ポップアート」。
    これは勿論、他にも何個か
    読み返したいのがあるので売らずに持っておく。
    (マイナーすぎて重版見込めないだろうし)

    心揺さぶられたりするほどの感動はないけど、
    ふとした時に読みたくなる予感がする。

    0
    2023年01月01日
  • ブラック・フォン

    Posted by ブクログ

    2022-07-30
    旧版が出た時読みたいなと思ってて読み損ねていた。
    なるほど、噂にたがわぬ粒ぞろい。意外と非ホラーの作品(怖くない訳では無い)が多かった印象。
    気に入ったのは、「ポップ・アート」「ボビー・コンロイ、死者の国より帰る」「マント」あたりかな。野球小三部作は、やっぱりよくわかんないや。(ブラック・フォンにも野球にまつわることがあるらしいけどよくわからなかった)

    0
    2022年07月31日
  • 怪奇疾走

    Posted by ブクログ

    どれもいい感じなのだがどうしてもキング御大と較べてしまうところがある。あと短編なので尻すぼみな話も多い。

    0
    2021年08月23日
  • 怪奇日和

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    アメリカの社会問題や差別問題を取り入れつつ、いろんな登場人物たちが収束していく様とハラハラ感、オチのムナクソ悪さが最高だった『こめられた銃弾』が一番好きかな。
    『棘の雨』がそのつぎに好き。

    0
    2021年08月03日
  • 怪奇日和

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    邦訳タイトルは「怪奇日和」だが、収録4作品はどれもホラーと呼ぶ類のものではなく、ファンタジー、サスペンス、SFにミステリーといった趣き。
    「こめられた銃弾」はアメリカならではの銃問題が題材とされており、映像作品を観ているような気分で読み進めることができるが、あまりにも胸糞悪い結末になかなかの衝撃を受けた。
    不思議な雲を舞台に、1人の青年が来し方を振り返って見つめ直し、呪縛から卒業して再生を遂げていく物語である「雲島」は、爽やかな成長譚として気持ちの良い読後感を得ることができた。

    収録順(特に頭に持ってくる作品)については、これで良かったのかどうか、ちょっと微妙な気がしないでもない…。

    0
    2021年01月17日
  • NOS4A2(下) -ノスフェラトゥ-

    Posted by ブクログ

    ファンタジーホラーみたいな作品。「ノスフェラトゥ」とは吸血鬼とか不死身とかいう意味らしい。その言葉を表わすNOS4A2のナンバーをつけたロールスロイスに乗る老人は連続児童誘拐犯で、主人公の少女は自転車で橋を渡ると、その老人に出会い、殺されそうになる。老人は逮捕され、その後刑務所で死亡するが、大人になった主人公はその老人に息子を連れ去られ、自身も襲われ、得体のしれない老人と存在しない場所で戦うことになる。「想像の橋を渡ると遠く離れた場所へたどりつく」ことや「他の人には聞こえない電話がなる」という非現実的な部分と、主人公の精神的葛藤の戦いや実際の対決の戦いの現実的な部分の両方が激しく描かれていてあ

    0
    2015年06月10日
  • NOS4A2(上) -ノスフェラトゥ-

    Posted by ブクログ

    ファンタジーホラーみたいな作品。「ノスフェラトゥ」とは吸血鬼とか不死身とかいう意味らしい。その言葉を表わすNOS4A2のナンバーをつけたロールスロイスに乗る老人は連続児童誘拐犯で、主人公の少女は自転車で橋を渡ると、その老人に出会い、殺されそうになる。老人は逮捕され、その後刑務所で死亡するが、大人になった主人公はその老人に息子を連れ去られ、自身も襲われ、得体のしれない老人と存在しない場所で戦うことになる。「想像の橋を渡ると遠く離れた場所へたどりつく」ことや「他の人には聞こえない電話がなる」という非現実的な部分と、主人公の精神的葛藤の戦いや実際の対決の戦いの現実的な部分の両方が激しく描かれていてあ

    0
    2015年06月10日