リルケのレビュー一覧

  • リルケ詩集
    昭和43年新潮社発行の世界詩人全集13リルケを父の書斎から抜き取ったのはもう4年も前。赤い装丁が美しく、何気なく手にしたら当時の自分が心酔するほどよかった。持ち運び用に文庫本も欲しいなあ。
  • マルテの手記
    孤独・死についての青年詩人の独白のような小説。
    哀しくて陰気だけど何故だかとても優しい。
    孤独に生きる人間達への愛に満ちている。
    ベン・シャーンの描いた挿絵も併せてお勧めです。
  • 若き詩人への手紙・若き女性への手紙
    フランス文学の授業でたまたま名前を耳にして、なんとなく手に取った一冊。
    わたしにとって手放せない一冊になりました。
    辛いときに読み返してはしおりをはさみ、また途中から読んでいます。

    思い悩んでいる友人がいたら、この本を薦めたいと思っています。
    こんなに真摯な手紙は見たことがありません。
  • マルテの手記
    マルテの手記が好きって人は、ちょっとヤバい。
    何故なら、孤独者の視点が身に浸みてしまうから。
    悲しみや苦しみ、そして孤独や不安、影や暗闇、そういったものたちに美しさや豊かさを見出してしまうから。
    だけどもリルケが好きって人はそれでいいんです。
    少しずつ読んで、隣にマルテがいるような感覚を覚えるまで、...続きを読む
  • マルテの手記
    パリで詩人を目指す青年の日記体で描かれた話。リルケ自身、パリで孤独な時間をおくっている時期があったとのこと。
  • リルケ詩集
    リルケは、やはり詩人と言ってよいのでしょうね。愛の詩人、あるいは薔薇の詩人。この詩集は、最初の詩集から晩年のものまで、年代を追って編訳されています、1冊で「リルケ詩集」と銘打つにはじゅうぶんでしょう。「詩の味わい方」がよくわからなかった時期もありました。「物語の筋を追う」ことに慣れすぎていたからかも...続きを読む
  • マルテの手記
    マルテ・ラウリツ・ブリッゲの手記。マルテという若い詩人の様々な種類の断片を集めた「手記」、という形式を取った、リルケ唯一の長編小説。「詩人リルケの沈痛なる魂の告白の書」(カヴァーより)であることに、疑問の余地はありません。だけど、ここに記された絶望や敗北を作者自身と重ね合わせるだけではなく、その底に...続きを読む
  • 若き詩人への手紙・若き女性への手紙
    リルケの詩を愛する人だけでなく、認識力の深い人間になりたいと望む人は読んでおいて損はないと思う。
    時間を越えてリルケの魂にふれよう。
  • マルテの手記
    第一部の退廃的な死のイメージを主観的な口調で記されているのに、第二部は物語的な物語的な俯瞰した視点で記す箇所が多く、通して読むと強い違和感を感じるかもしれない。文体は秀逸。表現は精微で鮮烈。一部、二部が一環した物語として表現されれば素晴らしいものとなると個人的に思うのですが、これが手記の手記たる所以...続きを読む
  • リルケ詩集
    「もろもろの事物のうえに張られている
    成長する輪のなかで私は私の生を生きている
    たぶん私は最後の輪を完成することはないだろう
    でも わたしはそれを試みたいと思っている

    私は神を 太古の塔をめぐり
    もう千年もめぐっているが
    まだ知らない 私が鷹なのか 嵐なのか
    それとも大いなる歌なのかを」
  • 若き詩人への手紙・若き女性への手紙
    薄い本だが、内容は濃い。タイトルのままにリルケの手紙が記されている。芸術家にとって学ぶ事、癒される事は多い。
  • リルケ詩集
    他の人の訳も読まねばという感じではありますが、好きだった言葉を

    「読書する人」『形象集』
    …そして私がいま書物から眼をあげると
    訝しいものは何ひとつなく すべてが偉大であるだろう
    かしこの戸外にあるものは 私がこの内部で生きているもの
    そしてこことかしこと すべてに限界はないのだ…

    「ピエタ」『...続きを読む
  • 若き詩人への手紙・若き女性への手紙
    リルケの往復書簡ですね。
    リルケの赤裸々な心情を読み取れる書物だと思います。若い人たちに呼び掛けるように綴った手紙は、若い人には予期せぬ書き込みがあるように思えますが、リルケはしっかりと自分を見つめることを指差していることに気付いて欲しい思いに溢れていますね。
    リルケの詩は真逆の言い回しがあるために...続きを読む
  • リルケ詩集
    長女の出産で、義理の母のところでお世話になっていたころ。繰り返し読みました。訳者の言葉遣いが美しくて好きでした。
  • 若き詩人への手紙・若き女性への手紙
    内容も書き方も決して易しくはない。しかし、何度か読み直して、言葉を自分なりに噛み砕いて理解しようとするうちに、大切なメッセージが多く散りばめられていることに気づくと思う。何度も読みたい一冊。
  • 若き詩人への手紙・若き女性への手紙
    天使にラブソングを2で黒人シスターが若い女性歌手に力強く手渡した本。
    リルケの熱き情熱を知る。いや、感じとる。
    まるで時代を超え三次元的に現れた何かのように感じる。
    孤独を愛し芸術の産声を感じとる。
    私は春に咲く桜のようにリアルが彩りはじめる。
  • 若き詩人への手紙・若き女性への手紙
    リルケ。
    読んでみたいけど、と思う方は、解説にもあるように、やはり人柄がよくわかるこの本がよいように思った。
    優しい愛情に満ちた言葉から得るものはとても大きいと思う。
    偉大なる詩人に倣おう。
  • マルテの手記
    リルケが7年の歳月をかけて完成させた小説。ページをひらくとマルテが歩いたパリの町の空気がどっと押し寄せてくる感じがする。彼の目にするものは盲の新聞売りや、舞踏病のじいさんや、もとは家だったのに今は瓦礫の山になっている光景といったすさまじい退廃、惨めさ、貧困……ではあるけれど、マルテの瞳はそこで止まら...続きを読む
  • マルテの手記
    本棚にあるのは昭和44年8月10日第22刷。正確に言えば、筑摩書房の世界文学体系第53巻収録の生野幸吉訳で読み返し、ところどころ大山定一訳を参照しながら再読した。大学に入ったはいいが、授業も始まらずぶらぶらしていたときに読んだ本。改めて再読してみると、この何とも表現しにくい不安感は、ひょっとすると若...続きを読む
  • マルテの手記
    パリの情景と人々の暮らしに関する、青年・マルテのモノローグである。彼は見ることから学び、そして考える。断片的な思索の過程そのものと、世界と絡まる自身の内面を描いている。「病み」の中に隠れている健全さも印象的。

    表紙の絵はまさしく「クラインの壺」。