大隅和雄のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
特に楽しみにしていた『平家物語』の章は、あらすじ紹介がメインで少し残念。
「鎌倉時代になって盛んになる京都と東国の文通は、簡単に行き来の叶わないところにいる相手への思いの中で書かれるために、内容も対象化されていることを見落とすわけにはいかない。」
こういう所は、意外と見落としがちな視点で、例えば自分の送った日付を入れることや時候の挨拶にも意味が浮かんできて面白い。
「『これこそ平家の悪行のはじめなれ』と記しているが、この一文は重要な意味を持っている。清盛の悪行が次々に起って、やがて平家を滅ぼすことになるのを暗示することばで、語りを聞く人には強く印象に残る。物語の作者と語り手は、人間世界を