今風に言うなら『そうだったのか! 日本の歴史と仏の教え』でしょうか? 仏教的見地から歴史を通じて国のあり方、人のあり方を説く説法の書。という印象でした。この時代一般的だった末法思想がそこかしこに見えるのが大変興味深いです。愚管抄のテーマは『道理』なのですが、この言葉、当時流行していた言葉で様々な意味を持ち、今で言う『ヤバい』(好きな表現ではありませんが)という単語のようにかなり便利な使われ方をしています。読み進める上で、場面場面の『道理』の意味合いをうまく汲み取れるかがポイントとなるかと思われます。