浅羽通明のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
主に文系の大学生の就職について当てはまる事は多いのかもしれないが、理系の場合はどうなのだろう。
多くの大学の英語教育は教授の趣味で英文学の名著や古典を訳読させているだけ、と書かれているが出版された当時はそうだったのかもしれないが今はそんな事ないのでは。
証券のディーラーやコンサルティングも学歴不問ではなく、高学歴を採用しているように思う。
大学入試の進路選択での大学の学部学科に関する情報不足は頷ける。
教養とは同じ仲間で共有される知識のカタログで、そこから引用する事で話の種の供給源になるもの、という捉え方を浅羽はしていて、テレビで流れる情報(バラエティ番組、アイドル歌手、人気ドラマ)の話題も教 -
Posted by ブクログ
ネタバレ・ザ・便乗本。
・カバー袖の著者略歴が胡散臭い……。
・確かに小林よしのりとの関係とか、90年代の動きとか、胡散臭いのは間違いない、というかそういう文脈のライター。
・しかし調べてみたら、「澁澤龍彦の時代 幼年皇帝と昭和の精神史」の著者だと知り、ちょっと嬉しい。
・で、実際読んでみたら、なかなか面白い。
・原作の作中人物を惣流・アスカ・ラングレーと譬えて、彼女が割愛された漫画版はダメだと出張(おじさんの敵キャラとして必要)。
・ギフト需要。
・よしりんや池上彰ら先人の絶賛にケチをつけていく。
・理想論 → 政治の次元 VS モラルの次元、と腑分け。
・西原理恵子「自由ってね、有料なんですよ」。 -
Posted by ブクログ
まあ知りたいことはよくわかった。それ以上でもそれ以下でもないけど。色んな軸があるとは言え、結局「平等軸」が左右を判断する最もしっくりくる説明だった。文化軸や政治軸など残りの軸はどれも相関があって独立していないから、自然と左右に分かれてくる。
あとがきに著者は右でも左でもないと書いているけど、明らかに”右”だよね。最近の日本人は右も左もリアルな理念を提示せず、微調整範囲の相違を殊更にあげつらって「するための対立」に甘んじていると批判的に論じているが、それって良いことなのでは?と思う。常にお互いが対立している社会は健全ではないだろうし、無理に人を左右どちらかに色分けする必要もない。 -
Posted by ブクログ
反戦と脱原発を主張するリベラル派の運動が、現実の日本の政治を動かす力となりえない理由について語っている本です。
インタヴューに著者がこたえるという形式で書かれており、呉智英譲りの露悪趣味と痛烈な皮肉が利いていて、おもしろく読むことができました。もっとも、こうした冷笑家気取りの語り口が気に入らないというひとには、とことん気に入らない本なのだろうと思いますが。
おもしろいことはおもしろいのですが、毒が利きすぎて薬にしたくともできないというほかありません。この点は封建主義者だと主張する呉智英と同様で、「命より大事なものはない」ということばが現実を遊離した観念にすぎないというのはまさしくその通りだ -
Posted by ブクログ
効果測定や事後検証の必要性、翻って政策目的達成のための戦略・戦術立案の必要性、サラリーマンや実務家社会人を巻き込む必要性は完全に同意できる。
しかし、リベラリストが共有している、言論の自由が失われ始めていること、その結果、民主主義が機能不全に陥っていることの現状認識を(敢えて?)無視して、その主張・論証に反論せずに人身攻撃論法を多用している点がとても下品で、読んでいて嫌になる。もともと著者は民主主義にも懐疑的な立場らしいので、リベラリストの危機感を共有できないのは致し方ないのかもしれないが。
著者がどんなに歴史や思想史に詳しくても、個人が自分で考えて行う行動(デモへの参加など)と、個人が思 -
Posted by ブクログ
ネタバレ右翼と左翼をきちんと区別してください。大人なんだからできるでしょ??よくわかんないです!!
なんとなくわかっている言葉をきちんと把握するシリーズ。簡単に説明されていてよかったよ。
_____
p43 辞書的な意味
右翼と左翼はタグ付の違いで理解するのがわかりやすいと前から思っていた。単純な対比構造じゃないからね。
「左翼」=進歩、自由、平等、合理主義、下層階級、知性・啓蒙主義、国粋主義、民族主義
「右翼」=保守、秩序、階層性、非合理主義、上層階級、反知識人主義、社会主義、共産主義、無政府主義
こんな感じ。
p210 自虐史観
ここに三十年来の日本の教科書がマルクス史 -
Posted by ブクログ
――――――――――――――――――――――――――――――
「尊王」のうち退けられた神秘的部分は、教育の分野で生き延びました。
小学校高学年で教えられる国史は、神武天皇以来の皇統の暗唱から始まり、古事記神話をも歴史として教えるものでした。これは後に昭和の「右翼」へとつながってゆきます。146
――――――――――――――――――――――――――――――
昭和の「右翼」は、明治の権力者が庶民用、軍人用に創り上げたフィクションであるこの伝統(顕教)を真に受けました。
学問的エリートたちの通説だった「天皇機関説」(密教)を、天皇陛下を蒸気機関のごとく見做す不敬な学説ゆえ弾圧すべしと突き上げるま -
Posted by ブクログ
――――――――――――――――――――――――――――――
近代を批判した物は、このポジティブな成果を忘れた。
自らが安穏と近代批判などしていられるのは、これら近代の成果の上にあぐらをかいているゆえだという大前提を忘れるほど甘えていた。73
――――――――――――――――――――――――――――――
近代合理主義を完成したテキストで学べるものと思い込んだ近代の後進国であるドイツや日本特有の誤りである。
近代合理主義は何よりも「実業」としてあった。78
――――――――――――――――――――――――――――――
フランス革命を導いた啓蒙思想、自由と平等と理性の思想を、より実質化し徹底さ