浅羽通明のレビュー一覧
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ネタバレ右翼って何!?左翼って何!?
右翼・左翼って呼ばれる人たちって、どういう価値判断で行動してるわけ?…という素朴な疑問から、読んでみました。
なーるーほーどー!!!と思うことが多くて、わかりやすくて面白かった。今まで自分が持っていた簡単なイメージとしては、
○右翼=保守、愛国、天皇崇拝
○左翼=急進派、革命
○どっかの国の国会で右と左に議員の席が分かれてたことから右翼・左翼という
これくらいの知識でした(まぁ、間違ってはいなかった)。で、右翼・左翼という言葉が生まれたフランス革命の頃の説明から始まって、明治維新から大戦前後、現代の右翼・左翼の定義まで、わかりやすく説明してあります。
人権が -
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右と左って何?と改めて考えると、思い浮かぶワードがそれぞれある。
だが、なんでそもそも右と左っていうのか、それに「翼」が付いているのはなぜか。
筆者は、フランス革命で誕生した表現がどういう変遷を辿って現代社会で使われているのか。革命で論じられる「自由」「平等」、自由に重きを置くか、平等に重きを置くかによっても異なる立ち位置。
右にしても左にしても、フランス革命から冷戦集結に至るまでの200年と、それ以降の現代社会における右と左は同列に語るべきものではないと言う程、理念や表現・活動が異なってきてしまっているということ。
歴史の教科書といった形ではなく、物語を読み進めるような内容なので、読ん -
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表題の2つの用語について解説するために、概説書や入門書を資料としてまとめられたもの。元はフランス革命に遡るが、その間にも分裂などの変遷があったとか、他国との関係が変化するにつれてナショナリズムの形も変化してきたことが説明される。日本では、政治や経済の軸の対立よりも、外交・安全保障の軸の対立が強かったことや、最近は文化の軸も加わっていると整理されているのがわかりやすい。
絶対王政時代のフランスは、相次ぐ対外戦争や王侯貴族の贅沢により国家財政が破綻寸前となった。新たな大規模な課税に対して抵抗が生じたため、それに応じて三部会が招集された。三部会は全身分が一堂に会して国事を議決する国民議会へと変わり -
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悪趣味だが、いくども研ぎ澄まされたリアリティを突きつけてくる。
途中、インタビュアーがもらす「知識人が社会運動の勝ち負けをあいまいにしてはぐらかす手管はわかりました」という言葉が本書から受けた印象を端的に表している。
題名と違い、WHY?の先のHOW?を説くのが目的か。
著者がどこへ向かいたいのか、分からないことにフラストレーションが募るが、全批判、全否定こそ思想家の条件ならば、本書の位置付けもはっきりする。
・個人が個人であるがゆえのワガママを我慢しなくては、権力を怯えさせるほどの、政権に勝てるだけの威力なんか生み出せっこない。
・実のある闘いとは、お金をかけた闘いであるはず。
・日 -
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彼らはいつも繰り出すのが、憲法論です。彼我の力や能力のバランスを、刻々変わるルール(国際情勢)の中でで判断する困難はなく、憲法と言う絶対ルールを一方的に当てはめて、集団的自衛権行使?これは違憲だからだめ‼︎と判断して機械的に仕分けをすればそれで終わりです。
セカイ系のゲームと同様、善悪・敵味方が単純明快なんですよ、憲法は。憲法だけ知っておけば、何が来ようがバサバサ斬ってて行きますからね。その代わり、違憲だと断罪てもその実効性はまるでない。
要するに、大東亜戦争と言う絶対悪と
日本国憲法と言う絶対善の両極があって、何か政府の政策がこの前者の側だと判断されたら、反対する。軍事の知識も国際情勢の最新 -
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読むのに大分時間がかかってしまいました。
基礎知識が不足しているとこういう少し難しい話についていけなくなってしまいますね。
右翼・左翼という、日常生活からは少し距離感はあるものの、概念としては良く聞く用語について解説をしてくれる書籍です。
前半はそれら言語が発生してきた歴史の経緯に関して、後半は現在の日本における右翼・左翼の存在について述べています。
フランス革命に端を発する右翼・左翼の歴史についての説明は、丁寧でしたが私には長くてつらかったです…。
しかし、後半の現代日本における分析は非常に分かりやすく、共感できるところが多かったように思います。
日米安保闘争や冷戦など様々な政治的分野の -
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大学とはどのようなところかを説明する書。高校と大学の教育の違い、一般教養の授業の問題点、教授が先生でなく研究者であること(教育のプロでない)など日本で当たり前に行われいる大学教育の問題点を指摘。
もう一つ、日本という国が「個」よりも「世間」を重んじる傾向にあることに注目。例えば東大生をほしがる企業があるが、これはその東大生の能力というより、「東大」という大きな背景をほしがる。「世間」に属さない人間は相手にされない。これが日本特有の(学歴)社会であることを指摘。これはなかなか面白かった。
総合的に見て非常に良書。ただ、SFCプッシュし過ぎ。確かにSFC教育はユニークであるが、日本の教育に -
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ネタバレ社会を拒絶するインテリパンクスを魅了してやまない思想。
あらゆる権力を否定し、何ものにも抑圧されない究極の自由主義思想。
アナーキズムの入門書。
日本のアナーキズム思想の流れがよくわかる一冊。
大杉栄の生き様に魅了されて仕方が無い。
「この個人的思索を欲しない輩は、いわゆる衆愚である、永遠の奴隷である。歴史を創ることなくして、歴史に引きずられてゆく、有象無象である。僕らとはまったくの他人である。」
私生活はもっぱら埴谷雄高に近いが。
アナーキズムは共産主義以上に空想的な思想だ。
人類には早すぎる。
ただ原始時代に戻るってわけにもいかないし、それではまた不自由な社会になってしまう。
単純 -
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[ 内容 ]
大正ロマン香る革命家の伝説。
破滅と頽廃に縁どられたテロリスト列伝。
祝祭としての群集蜂起。
生命流の爆発。
相互扶助と自由連合のユートピア。
唯一者を生きる矜持。
戦士たちの共同体。
あまりの純粋さと単純さゆえに、多くの若者たちを魅了してきた思想史上の異色、アナーキズム。
そこにかいま見える近代の臨界とは何か。
十冊のテキストをステップとして大胆に講釈される、根源的に考え生きるためのレッスン。
大杉栄、竹中労から松本零士、笠井潔まで十の名著をたどりながら、日本のアナーキズムの潮流を俯瞰する。
常に若者を魅了したこの思想の現在的意味を考える。
[ 目次 ]
序章 反逆とユートピ -
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[ 内容 ]
近代国家日本は、いつ何のために、創られたのか。
「新しい歴史教科書をつくる会」、自衛隊の海外派兵、テポドンや国際テロの脅威…。
否応もなくナショナリズムを自覚せざるをえない時代状況の中にある我々が、もっとも根源的なところから問題を捉えなおすために、日本ナショナリズムの起源と諸相を十冊のテキストを手がかりとして網羅。
「思想史」をいまここで使える道具箱へと変貌させる野心作。
[ 目次 ]
序章 近代と伝統―日本ナショナリズムとは何か
第1章 この人を見よ!―ナショナリストの肖像 石光真清『城下の人』『曠野の花』『望郷の歌』『誰のために』
第2章 隠岐コミューンに始まる―郷土のナシ -
Posted by ブクログ
一見すると、単なる大学批判の本にすぎないと感じるかもしれない。大学はコネを作るために行くものであり、会社もそれを求めて学生を採用しているという事実を改めて思い知らされた。所詮、この世は学歴社会なのかもしれない。読み進めていくうちに、そう感じることだろう。
しかし、この本の不思議なところは、その逆境の中で自分がこれから何をすべきかを考えさせてくれるところである。自分の本当にやりたいことは何なのか、それをもう一度心の中から呼び戻し、学習への意欲と変えてくれる。事実、なぜかはよくわからないが、気象予報士を目指してもいいのでは?という考えにシフトしていった。自分ならなんとかできる。必ずできる。そう感じ