【感想・ネタバレ】右翼と左翼のレビュー

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Posted by ブクログ

右翼と左翼について、フランス革命から現代日本(2006年)までの流れを解説した本。
物語としてスムーズに描かれていると思う。

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2015年03月26日

Posted by ブクログ

今までの歴史や政治などの断片的な知識が全てつながったような痛快さを感じた.新書らしからぬ,豊富な図解,噛み砕いた説明.良書.

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2014年10月14日

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思想一般の不誠実さがどこからくるのか少し分かった気がした。己の思想がどんな来歴や原理原則に根差していることを直視せずに、結局のところ中道ぶる姿勢が欺瞞なのだ。
右派については、「自衛隊のイラク派兵…彼らのみにリスクを負わせるな。徴兵制復活が先だという主張が…上がったという報道はありません」という言及
左派については、「被征服のリスクは、非武装の憲法を選択している論理的な帰結としては負うべき」という言及。
この原理を意識せずに何事かを述べること、本来自分の思想がこのどちらかに基礎を置き構築されていることに気づかないこと、それがあらゆる欺瞞の本性のように感じた。

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2014年05月11日

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 はて、この考えは左なのかはたまた右なのか。そんな疑問から本書を購入した。
 今日続いてる右左の軸はフランスの政治に由来しているらしい。しかし国や歴史によって様々な意味付けもされているようだ。自分はおそらく左派だと思うが、左派の弱点はアイデンティを与えることが出来ないとの指摘は響いた。
 ヒトが物事を理解するためにはそれを分けることだ。そしてそれは二つに分けることから始まる。右左もそのようなものだろうか。それともそれは原始的な敵味方を区別する生物的なものだろうか。

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2013年09月05日

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日常で使われる「右」「左」という用語、なんとなく分かるようで分からなかったこの概念を歴史を紐解きながら解説する。
本書を読むと、この「右」「左」という概念が極めて相対的であり、ある時期には「右」であっても、時代の流れと共に「左」と認識されることもあり得ることが分かる。
*「左」「左翼」…人間は本来「自由」「平等」で「人権」があるという理性、知性で考えついた理念を、まだ知らない人にも広め(啓蒙)、世に実現しようと志す(p44)。
*「右」「右翼」…「伝統」や「人間の感情、情緒」を重視。「知性」や「理性」がさかしらにも生み出した「自由」「平等」「人権」では人は割り切れないと考える(p45)。
*「歴史は進歩している」「その進歩とは『自由』『平等』の実現をいう」とする考え方を前提に、その「進歩」をより先取りしようとする立場が「左」「左翼」で、押しとどめようとする立場が「右」「右翼」(p100)。
進歩史観的な軸で見ていくと分かりやすい左右の対立概念もまた、戦後になると四次元、五次元と、複雑な世界情勢を背景にその概念、対立軸が入り混じり、結局「ウヨ」「サヨ」といった軽い言葉へと変質してしまったように思えてくる。
何れにせよ、本書は「右」「左」という政治的概念の(イメージではなく)本質的な部分に迫った良書であることは間違いない。

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2013年03月31日

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 左翼と右翼の違い・関係性を分かりやすく、初心者向けに書かれた、「左翼、右翼」を知りたい向けの入門書にお勧め。

第8部構成で、
1,2章は左翼と右翼の辞書などを引用した意味の違い。
3,4章は、世界史から見たフランス革命を皮切りにした左翼の誕生とそれの反動として生じた右翼の目標と掲げる未来を見てい
5,6章は、日本の歴史の中で、明治から昭和の戦後までの左翼と右翼の関係性を交互に述べていく
7章は、現代日本の右翼と左翼を、総理大臣が国を動かしてきた政策と左翼がその政策を動かす話題を取り上げる形で国が運営され、戦後の左翼と右翼の価値観変化を語る。
エピローグは、左翼と右翼の区別がなくなり、今までの正義感を振るえなくなり、意味付けして自分の信念を貫く時代に突入。

僕も右翼、左翼を愛国、反日と単純に考えていたものを、過去から左翼、右翼が誕生を振り返り、どのような関係性を保ったのかを辿っていったことで、より左翼、右翼の違いが分かるようになりました。

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2024年04月03日

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簡単に言う「右翼」と「左翼」は実は難しい
本書を読んでも私は明確な定義が分からなくなったが
「アイデンティティ」という座標軸はなるほどと思った

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2020年12月05日

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あとがきの、世界史を履修しなかった人への早分かり本になっていれば、というのにうなづく!
世の中いろいろ世界史ありきだ、、と感じることが最近多くて、高一で世界史が必修だったことを思い出した
自分が左翼側かなと思って、そもそも右翼左翼ってなんだろう。って知らなかったから手に取ったけど、とっても面白かった

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2020年05月03日

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ネタバレ

右翼って何!?左翼って何!?
右翼・左翼って呼ばれる人たちって、どういう価値判断で行動してるわけ?…という素朴な疑問から、読んでみました。

なーるーほーどー!!!と思うことが多くて、わかりやすくて面白かった。今まで自分が持っていた簡単なイメージとしては、
○右翼=保守、愛国、天皇崇拝
○左翼=急進派、革命
○どっかの国の国会で右と左に議員の席が分かれてたことから右翼・左翼という

これくらいの知識でした(まぁ、間違ってはいなかった)。で、右翼・左翼という言葉が生まれたフランス革命の頃の説明から始まって、明治維新から大戦前後、現代の右翼・左翼の定義まで、わかりやすく説明してあります。

人権が侵害されていた世の中から、“左”の人たちは“自由・平等”を求めて戦い、その時代の“右”はどんどん押しやられていって、“左”が真ん中になり、さらにもっと進んだ人権を求める“左”が生まれてきた。そして今落ち着いているところが“議会制民主主義”であって、それより更に“左”は“社会主義”や“共産主義”であり、これ以上左には行きようがない、ってところですね。
今では当たり前の“民主主義”も“王政”の時代にはものすごく左だったわけです。
ということは、中国など、現在社会主義国の場合は、たてまえ上は“自由・平等”の理想の社会を実現した究極の“左”に位置しているわけだから(実際はどうかは別として)、“民主化”を唱える団体などは“右”と言われるらしい。
おもしろいなぁ!!!

だいたい、この本を読むまで共産主義が“自由・平等”を求めた市民革命の理想の、更に先を見ていたっていうことも分かっていなかった。市民革命が目指していた“自由・平等”と“共産主義”は全く別のベクトルだと思っていた。
今まで“なんとなく分かったつもり”だったことが、ちゃんと理解できるようになる本です。

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2019年10月05日

Posted by ブクログ

右と左って何?と改めて考えると、思い浮かぶワードがそれぞれある。
だが、なんでそもそも右と左っていうのか、それに「翼」が付いているのはなぜか。

筆者は、フランス革命で誕生した表現がどういう変遷を辿って現代社会で使われているのか。革命で論じられる「自由」「平等」、自由に重きを置くか、平等に重きを置くかによっても異なる立ち位置。

右にしても左にしても、フランス革命から冷戦集結に至るまでの200年と、それ以降の現代社会における右と左は同列に語るべきものではないと言う程、理念や表現・活動が異なってきてしまっているということ。

歴史の教科書といった形ではなく、物語を読み進めるような内容なので、読んでいてい面白い。政治に関心のある方にお勧めできる一冊だと思います。

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2018年10月18日

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自分自身が、誰かに右翼と左翼の違いは何?右翼とは?左翼とは?と聞かれてきちんと答えられない。そして、この本を手にした。未だにきちんと答えられない。再読が必要。

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2018年10月14日

Posted by ブクログ

表題の2つの用語について解説するために、概説書や入門書を資料としてまとめられたもの。元はフランス革命に遡るが、その間にも分裂などの変遷があったとか、他国との関係が変化するにつれてナショナリズムの形も変化してきたことが説明される。日本では、政治や経済の軸の対立よりも、外交・安全保障の軸の対立が強かったことや、最近は文化の軸も加わっていると整理されているのがわかりやすい。

絶対王政時代のフランスは、相次ぐ対外戦争や王侯貴族の贅沢により国家財政が破綻寸前となった。新たな大規模な課税に対して抵抗が生じたため、それに応じて三部会が招集された。三部会は全身分が一堂に会して国事を議決する国民議会へと変わり、憲法を制定、貴族・僧侶の特権を廃止、人権宣言を採択した。続いて、国王の拒否権を与えるかの是非と、国民議会を一院制にするか二院制にするかを審議した際、議長から見て右端に王党派が、左端に民主派が座った。1791年の憲法制定においては、中央派の中の左派である立憲派(のちのフイヤン派)が主導権を握り、議会の決定に対して国王は延期する権限だけが認められ、人々は自由になった。1792年の男子普通選挙によって誕生した国民公会でフイヤン派は勢力を失い、民主派であるジャコバン派ばかりとなったが、自由市場経済主義で金持ちの味方のジロンド派と、経済面の民主化を目指し中小企業や貧民が支持したモンターニュ派が対立した。やがてモンターニュ派が主導権を握り、共和制と男子普通選挙を明文化した1793年憲法を制定し、ジロンド派議員を処刑して恐怖政治を始めたが、リーダーであるロベスピエールは反撃を受けて失脚した。モンターニュ派が倒された後の議会はジロンド派の生き残りと平原派が支配し、制限選挙と二院制を採用した憲法を制定した。

フランス革命後、立憲主義=自由主義、民主主義、社会的民主主義のプロセスが世界中で実現したため、人類はそうしたプロセスをたどる必然性があると考える進歩史観が広がった(コンドルセ、サン・シモン、コント、スペンサー、ヘーゲル、マルクス)。マルクスはブルジョワも市場原理の下で競争を強いられて資本のために酷使されると考え、土地や工場、資源などの生産手段を共有とし、皆が能力に応じて働く協同体の一員となることで真の自由が得られると考えた(「共産党宣言」「ゴーダ綱領批判」)。

ジャン・ドフラーヌは、左翼を3つに分類している(「フランスの左翼」)
・自由左翼:立憲王政支持から民主共和国派まで。フイヤン派、ジロンド派、戦後のミッテラン社会党。日本の社民党、民主党左派、朝日新聞・岩波書店系ジャーナリスト。
・権力左翼:平等のため独裁と権力政治を布く。モンターニュ派、旧ソ連、戦後のフランス共産党。日本共産党。
・抵抗左翼:集会や暴動などの直接行動を起こす。過激派、バブーフ、戦後のアナーキスト、トロツキスト、毛沢東派。

19世紀末になると自由と平等の国民国家は確固たる体制となったため、問題は国内の格差不平等へと移り、ブルジョワジーとプロレタリアートの階級対立となった。マルクスとエンゲルスの「労働者階級に祖国はない」「団結せよ」のスローガンの下に、左派がインターナショナリズムを担うようになった。一方、右派は、王家への忠誠を補強するために、民族や伝統、歴史、宗教を軸とした国家を忠誠の対象とし、国家主義、民族主義を代表するようになった。その頃、ブルジョワジーたちは、世界を舞台に事業を拡大し、自国の政府を動かしてアジア・アフリカの植民地化していく帝国主義の時代が到来し、他国を敵にしたナショナリズムが高揚する背景となった。

レーニンは、先進国の労働者から植民地のプロレタリアートまでの圧倒的な多数派が権力を握れば、世界革命が起こるだろうと考えた。実際、旧ソ連や中国は、アジア・アフリカの植民地解放闘争を支援し、独立を勝ち取った国々には軍事的、経済的、技術的な援助をもたらし、その見返りとして東側共産主義陣営に組み入れた。一方、この現実に気づき、民族独立と近代的国民国家建設に目標を限定した指導者たちは、軍部と組んで開発独裁を進め、アメリカを中心とする資本主義陣営に組み入れられ、一族の私腹を肥やしてばかりいる国も多かった。

政治学者の田中愛治は、政治と経済の2つの統制の強さの軸を用いて座標を描いたモデルを用いる。日本では、小泉政権を例外とすれば、弱い経済統制を求める方向はほとんど見られず、政治軸も政権交代可能な議会制民主主義で一致していた。
政治強・経済強:一党独裁社会主義
政治弱・経済強:欧州の労働党や社民党、アメリカの民主党、日本の民主党左派などの社会民主主義
政治強・経済弱:アメリカ共和党、日本の自民党守旧派などの伝統的保守
政治弱・経済弱:リバタリアン。小泉改革の方向性

これに加えて、最近は文化的な統制(宗教、価値観、道徳観、性別)の強弱の軸が無視できなくなっている。さらに、日本では外交・安全保障の軸の対立が他の3つを凌ぐほど強かった。外交では日米同盟中心と中立またはアジア重視、軍事では米軍駐留と非武装と軍事的自立が鼎立した。
日米同盟・米軍駐留:吉田ドクトリン
日米同盟・軍事的自立:芦田均、岸信介
中立・非武装:旧社会党
中立・軍事的自立:日本共産党

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2018年10月31日

Posted by ブクログ

ある意味で深く心に残った本です。
子供ながらに思っていた、右翼・左翼というキーワードがフランス革命より勃発した歴史的背景や近年の考えなど、安易に解説されてます。
最近は、佐藤優さんの様に別の切り口での論者が増加して、右翼・左翼という区分がボーダレス化してきていると感じています。

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2017年05月07日

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「右翼・左翼」って何?この需要が増えているという現在。自分もそのひとり。
本書はそれに応え、その歴史から現代日本における状況までを、右でも左でもなく客観的に分かりやすく解説している。

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2016年03月04日

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ネタバレ

社会主義、共産主義を唱えながら、そのための犠牲は厭う「左」と、ナショナリズムは叫ぶが、やはりそのための犠牲は避けたい「右」が補完し合いつつ、全国民的な政策合意であった「経済成長」へ邁進していった戦後日本。それは「右」「左」が、それぞれ核として持っていたはずの「正義」を喪失していき、体制の一機関と化してゆくプロセスだったといえましょう。p187

「新左翼」の学生運動のモチベーションの源泉⇒イギリスの政治学者イングルハートのいう政治行動の脱物質主義化?p196

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2014年03月25日

Posted by ブクログ

読むのに大分時間がかかってしまいました。
基礎知識が不足しているとこういう少し難しい話についていけなくなってしまいますね。

右翼・左翼という、日常生活からは少し距離感はあるものの、概念としては良く聞く用語について解説をしてくれる書籍です。
前半はそれら言語が発生してきた歴史の経緯に関して、後半は現在の日本における右翼・左翼の存在について述べています。

フランス革命に端を発する右翼・左翼の歴史についての説明は、丁寧でしたが私には長くてつらかったです…。
しかし、後半の現代日本における分析は非常に分かりやすく、共感できるところが多かったように思います。
日米安保闘争や冷戦など様々な政治的分野の変革だけでなく、日本の先進国化やサブカルチャーの推移といった文化的側面からの検討が興味深かったですね。
右翼・左翼共に、発端だったはずの理念・理想を実現するのではなく中途半端な妥協の中にある、という結論が印象的でした。
より高次元のトピックとして筆者が宗教を最終的に挙げてきたのも新鮮でおもしろかったです。

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2013年02月20日

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日々耳にはするが、厳密にいかなる差異があるのかがはっきりしなかった「右」「右翼」と「左」「左翼」の概念を、歴史から説明してある良書。

もともとはフランス革命に端を発することや、右翼が左翼への反動として生まれたことなどは、これまで知らなかった。

また、左右に関する対立的な発想は、時と場合によっていくらでも変動しうるものであり、さらに加えて冷戦後では、そもそも「左」にも「右」にも最終的なユートピアを見出せないという事態が生じたことによって、いっそう左右のイデオロギーがわかりにくくなってしまった。

それゆえに、現代のみで右翼や左翼を理解しようとすると、曖昧ではっきりしなかったのか!と納得した。

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2012年12月29日

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右翼・左翼の、イメージはあるけども実はよくわかっていないというもどかしさを解消してくれる。日本の話はちょっと難しいかな

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2012年08月30日

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恥ずかしながら右翼と左翼ってどっちがどうなんだっけ、と言う状態だったので、読んでみました。
そもそもなぜ右翼、左翼と呼ぶのか、そのルーツからかいせつしてくれており、お陰様で多少理解できるようになりました。
と言いつつ、フランス革命から現代まで、右翼と左翼の意味の変遷が目まぐるしく、途中わけがわからなくなりました。

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2024年01月22日

Posted by ブクログ

右翼と左翼が何を指すか、どう生まれたか、現在日本はどうなってるのか、など細かく把握できた。
思ってた以上に細かく、そこに興味がある人は楽しめる一冊

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2022年09月11日

Posted by ブクログ

難しい本だった。パラパラ読みで終わった。右翼、左翼は一概に言えない、タマムシ色なんだなと理解したに留まる。本当にこの知識が必要な時に再読しようと思った。

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2021年12月06日

Posted by ブクログ

右翼左翼、右左。
頻繁に聞くけど、まったく意味を理解していなかったので購入。歴史から右左を解説。

〇概要
・右翼:保守派、愛国、天皇崇拝
・左翼:急進派、革命、社会主義、共産主義
・右翼と左翼とはフランス革命の時代に議長の席から見て右側が保守派、左側が急進派だった事が語源のルーツ。

「右」「左」という概念が極めて相対的であり、ある時期には「右」であっても、時代の流れと共に「左」と認識されることもある。

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2020年06月20日

Posted by ブクログ

まあ知りたいことはよくわかった。それ以上でもそれ以下でもないけど。色んな軸があるとは言え、結局「平等軸」が左右を判断する最もしっくりくる説明だった。文化軸や政治軸など残りの軸はどれも相関があって独立していないから、自然と左右に分かれてくる。
あとがきに著者は右でも左でもないと書いているけど、明らかに”右”だよね。最近の日本人は右も左もリアルな理念を提示せず、微調整範囲の相違を殊更にあげつらって「するための対立」に甘んじていると批判的に論じているが、それって良いことなのでは?と思う。常にお互いが対立している社会は健全ではないだろうし、無理に人を左右どちらかに色分けする必要もない。

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2019年07月10日

Posted by ブクログ

政治的勢力「右翼」と「左翼」とはいったいどのような思想を持ち、どのような歴史的背景を持つのかについて解説しています。政治思想を右あるいは左と表現するようになったのはフランス革命からだそうです。右は王政復古を、左は市民に自由を、というところからスタートしています。政治史は人類が絶対王政から市民が自由・平等を獲得する歴史と言えると思います。しかし、自由と平等は二律背反で、そこから資本主義と共産主義の対立が発生します。近代においてはこの2つの主義をそれぞれ政治的にどう実装するかの立場で右左の考え方が変わっていきます。ややこしいなあ。

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2017年10月07日

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MX テレビの右翼番組をよく見るようになったので、右翼と左翼の基礎知識を得るために読んだ。今まで政治に全く興味がなかったので、前半は非常に有益だった。後半から失速。

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2017年12月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

右翼と左翼をきちんと区別してください。大人なんだからできるでしょ??よくわかんないです!!


 なんとなくわかっている言葉をきちんと把握するシリーズ。簡単に説明されていてよかったよ。



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p43 辞書的な意味
 右翼と左翼はタグ付の違いで理解するのがわかりやすいと前から思っていた。単純な対比構造じゃないからね。

「左翼」=進歩、自由、平等、合理主義、下層階級、知性・啓蒙主義、国粋主義、民族主義

「右翼」=保守、秩序、階層性、非合理主義、上層階級、反知識人主義、社会主義、共産主義、無政府主義

 こんな感じ。


p210 自虐史観
 ここに三十年来の日本の教科書がマルクス史観の歴史家によって編纂されたせいで、反国粋主義な内容(南京虐殺、従軍慰安婦などの歴史事実が明らかになってない問題など)になっているという右翼の主張。
 自虐史観は本当に自虐なのだろうか。左翼にとって天皇制や軍国主義など当時の帝国主義は対抗勢力である。当時の日本はまさに否定すべき大勢だったのだから、日本否定は別に自虐じゃあない。
 右翼にとっては自虐だけど、やってる当事者の左翼にとっては自虐でもなんでもないのだ。つまり、この問題は右翼の自分勝手な喚き散らしなところも無くはないのである。

 右翼、左翼、こういうところがあるからわかりづらい。あと一歩頭良くないんだよな。


p234 存在意義が狂わせる
 今の日本で右翼、左翼、とも胡散臭いものになっているのはなぜか。それは、日本が安定した国家になったために、存在意義がなくなって必死にほえ続けているからなのかもしれない。
 社会主義は世の中の労働者がブルジョワに搾取され劣悪な生活をしている時代じゃないと存在意義がない。
 国家主義は戦争中など、敵対勢力が居て一致団結しないといけないような世の中じゃないと存在意義がない。
 
 存在意義を失いつつあるものは何をするか。自分たちの存在意義を確立するために、ない物をでっち上げたり、人々の不安をあおって世の中を扇動しようとする。だから胡散臭くなっちゃうんだよな。

p241 宗教・民族主義の反共主義
 共産主義は、宗教権威や既存の権力機構の否定・打倒を叫ぶ。だから、世界の宗教であるローマカトリックやイスラエルやアラブは共産主義を嫌っている。冷戦中もそういった宗教組織は西側に加担した。
 
______



 右翼と左翼の違いを説明できるようになった。

 どうして右翼と左翼が胡散臭い物に思えるのか説明できるようになった。

 今の日本で右翼と左翼はどうなるのか、なんとなくわかってきた。安倍総理は右翼だが、彼が活動できるようになってきたのは、対抗勢力の左翼(中国とか)を煽って自分たちの正当性を表現できるようにしているからだな。

 今の日本人に大切なのは、彼らの誇大広告に敏感に反応しないことだ。「お前らそんなに一生懸命やるな。おせっかいだ、ボケ。」くらいの態度、自分たち民間人ですべて賄えるという気概をもって生きていくことが大事なんだな。

 そのために左翼もいらないよう生きなきゃ。中道を生きる難しさ。でもそれこそ本当の自立と自由だ。
  

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2015年05月02日

Posted by ブクログ

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「尊王」のうち退けられた神秘的部分は、教育の分野で生き延びました。

小学校高学年で教えられる国史は、神武天皇以来の皇統の暗唱から始まり、古事記神話をも歴史として教えるものでした。これは後に昭和の「右翼」へとつながってゆきます。146
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昭和の「右翼」は、明治の権力者が庶民用、軍人用に創り上げたフィクションであるこの伝統(顕教)を真に受けました。

学問的エリートたちの通説だった「天皇機関説」(密教)を、天皇陛下を蒸気機関のごとく見做す不敬な学説ゆえ弾圧すべしと突き上げるまでに到ったのでした(国体明徴運動)。153
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日本国憲法は、象徴天皇制と議院内閣制を明文で規定しました。

かつての「左」の(密教的)解釈が、もはや解釈の余地なき体制として確定採用されたのでした。

戦前の権力内「右」は、反体制の「右翼」へ押しだされたのです。163
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現在、日本の「右」「左」の対決はこれまでにもまして、不完全燃焼なものとなってきています。

すなわちどちらにも「現実」から大きく飛翔してゆく「理念」が極めて乏しいからです。211
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2014年10月03日

Posted by ブクログ

右翼と左翼という対立軸がたどった歴史的変遷を、分かりやすく解説した本です。

フランス革命以降、進歩史観とマルクス主義の形成とたどり、さらに冷戦後の展開までを踏まえて、右翼と左翼の対立という図式を概観しています。さらに、明治維新以降の日本における右翼と左翼の対立軸についても触れられています。

最後に著者は、戦後左翼が心情的な平和主義以上の何も提出できなかったのと同様に、右傾化が口にされる現在の日本でも、「日本は良い国だと思いたい」という現状肯定への欲求以上の意志は見られないと指摘しています。このこと自体は、大衆社会現象として構造的に論じられるべきだと考えますが、著者の議論はそうした方向には向かわず、サブカルチャーにおける「セカイ系」の流行との心理的な共振を指摘するのみに終わっています。

もっとも、著者のスタンスがあらかじめそうした議論を塞いでいるのではないかという懸念もあります。著者は、フーコーの権力分析に代表される、マイノリティの擁護などを旗印に掲げる文化左翼的な議論を「セカイ系左翼」と読んで、「知的自尊心を傷つけられやすいマイナー知識人らが求めゆく、知性の避難所」にすぎないと述べて、「こうした考えはいかに哲学的に精緻ではあれ、社会の多勢への影響力は乏しい」と難詰していますが、そうしたスタンスを取る限り、大衆社会現象そのものへの批判的な分析がおこないにくくなるような気がします。

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2014年09月03日

Posted by ブクログ

右翼とは何か。左翼とは何か。
歴史を追う中でそれぞれがどう変遷していったのか、
どのようにお互いが関わりあってきたのかについて解説している。
そういう点では六章までが分かりやすく良いと思った。
ただ七章の現在の状況についての説明は作者の意見も混在しているのと、
まだ変わりつつある今を説明しようとしているせいか一部納得しかねるところがあった。

ただ、今後は単なる二元論ではなく、
いろいろな軸を加えて評価して行かなければならないという見方は参考になる。

宗教は果たして右か左かという問いは個人的に新しい知見。
思想という枠内にあるのになぜこれを今まで気にしなかったのだろう。

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2014年08月11日

Posted by ブクログ

これは少し理解するのは難しく感じるかも。
だけれども難解、といった類の難しさではなく
私たちにある「右」「左」という概念が
今現在では希薄になってしまっているのが
一因の様に感じました。

ただし、その歴史に関しては
一読の価値があります。
なぜ右なのか、なぜ左なのか…
そんな素朴な疑問がその歴史にて解決します。

意外に両極では図れない世界なのに驚き。

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2012年12月23日

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