あらすじ
大ベストセラー、マンガ版『君たちはどう生きるか』は、原作の凄みを全て削ぎ落としてしまった! かの名著は、友を裏切った少年を諭す道徳の教科書でも単純な反戦の書でもない。美少女ヒロインを陶酔させる戦争賛美の哲学が、マルクス主義と激突する現代思想対決? ?暴力支配を倒す政治ドラマ? 丸山眞男も池上彰も誤読した原作者・吉野源三郎の「仕掛け」と裏メッセージを読み解いたとき、説教臭い古典は、いじめの解決、ポピュリズムの怖さまでを甘酸っぱい初恋に包んで訴えた現代エンターテイメントとして甦る。
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Posted by ブクログ
安定の浅羽評論。
「批評は二次創作」説は押井守御大もどっかで言ってた筈(『TVをつけたらやっていた』)。
その辺の『君たちは~』評を読み込み、それらのどの辺はよくて、どの辺が誤読であるかをエビデンス込みでコメントし、まづ「二大正義」があると言ふのを書く。その、マンガ版で削除されたかつ子さんの説くナニと、おじさんのいふソレは、発行当時どうも日本に入りかけてた二大潮流であったらしい。
原作がラノベ的であると言ふのは、へー。
相変はらず、小林よしのり先生の他、西原理恵子先生の本まで引用し、『君たちは~』の時代背景と他を開陳してゆくのは、まだ作者が元気な証拠であらう。
Posted by ブクログ
・ザ・便乗本。
・カバー袖の著者略歴が胡散臭い……。
・確かに小林よしのりとの関係とか、90年代の動きとか、胡散臭いのは間違いない、というかそういう文脈のライター。
・しかし調べてみたら、「澁澤龍彦の時代 幼年皇帝と昭和の精神史」の著者だと知り、ちょっと嬉しい。
・で、実際読んでみたら、なかなか面白い。
・原作の作中人物を惣流・アスカ・ラングレーと譬えて、彼女が割愛された漫画版はダメだと出張(おじさんの敵キャラとして必要)。
・ギフト需要。
・よしりんや池上彰ら先人の絶賛にケチをつけていく。
・理想論 → 政治の次元 VS モラルの次元、と腑分け。
・西原理恵子「自由ってね、有料なんですよ」。
・評論は二次創作。
・読書会。→石原千秋が絶賛している。