磯崎憲一郎のレビュー一覧

  • 往古来今
    磯崎憲一郎作品のほんの一部しか読んでいないけれど、この作家の「時間」というものの捉え方、特に「過去」というものを見つめるまなざしはとても特徴的だと思う。一種の「温かさ」というか、「目線」や「視線」というよりも「まなざし」と表現すべき、人の肌の温度や意思のようなものを感じる。
    まるで自分の子どもを見つ...続きを読む
  • 終の住処
    サクッと読める。
    個人的にはペナントの方が好きだった。
    驚くには値しません。あなたのような類の人間は、常に人生最後の1日をいきているのですから…って老婆の言葉が好き。
  • 終の住処
    えっ、コメディ?(笑)
    タイトルから、暗~いしみじみした地味な話かなぁと思ってたら、なんかこのダメ男くんおもろいんだけど!
    妻が分からん・・・女は怖い・・・・ともがき続けながらも8人と不倫て!www 逆走くん?なんなの?
    8人と次々に不倫してるぐらいだし、会社でも出世してるみたいだからエリートのモテ...続きを読む
  • 終の住処
    物語自体に面白さはないけれど、
    同じレベルのものを書けと言われても書けない。そういう作品。評価が低いのはつまらないからだから当たり前。

    これだけキャラクターにわけわからん雰囲気を纏わせるのも、ちょっとした比喩の積み重ねで作品全体の「終の住処」をつくるのも、技術として尊敬できる。つまらないけど、私は...続きを読む
  • 終の住処
    会社員としての、ごく平凡な人生の、奇妙な物語。読むと、自らの人生も、平凡だけど、奇妙で面白いと思えるのでは。
  • 終の住処
    夫婦ってものを考えさせられた。
    ありえない、と思われるストーリーながら、
    夫の淡々とした語り口がやたらリアル。
    結婚について考える年頃で読むと
    共感したり、悲観したり。
  • 赤の他人の瓜二つ
    読んでいて面白かった。
    え、どうなってるの?って思いながらも
    テンポよく目の前の文字を追っているうちに
    読み終えてしまった感じ。
    赤の他人の瓜二つというタイトルは
    生きている人がもつ共通意識のことか?と思う。
    私も死を迎える時、他の人とつながって生きていたことを
    実感できるだろうか。
  • 肝心の子供/眼と太陽
    果てしない時の流れを感じる文体は『肝心の子供』からそうだったのか。途切れない命の積み重なり、あるいは永遠なる命の流れ。川が流れるのと同じように、命も流れていく。そして、それがブッダであるかラーフラであるか、またティッサ・メッテイヤであるかは大きな違いではない。誰も皆、同じ命、太古の昔から続いてきた命...続きを読む
  • 赤の他人の瓜二つ
    不思議な構成のお話であった。
    一本の線上を順番に歩いているつもりが、
    いつの間にかメビウスの帯に絡め取られていた感じがする。
    優しく読みやすい文章でスラスラ読める。
    こういう玄人っぽい作品、ダメな人はダメだろうな。

    2011 年 第 21 回 Bunkamura ドゥマゴ文学賞受賞作品(辻原登氏選...続きを読む
  • 赤の他人の瓜二つ
    時間の流れを自在に操る文章に引き込まれました。
    ただ、この作品にはハッキリした落ちは必要なかったと思います。
    それ以外は星5です。
  • 赤の他人の瓜二つ
    人格と時間が口の中のチョコレートのように溶けていく、読書でした。昭和のある時期のフレーバーを濃厚に吸い込みました。
  • 「利他」とは何か
    冒頭の伊藤さんの話は分かりやすく読めたが段々、理解が追いつけず、最毒が必要と感じた。
    全体を通しての印象は「利他」も含め、一見、善い言葉も使うときには正しく理解しなくてはならないということ。特に利他はその最たるものの一つ、と思った。
  • 終の住処
    妙にユーモアの効いた絶望感のあるお話だった。

    ユーモアが効いてるので読んでる最中はスラスラと楽しくページが飛んでいくものの、読み終わったあとに「なんだったんだ、これは、、、」という絶望感。

    なんとなくストーナーと似てる感じではあるけど、あっちは読後感にうっすらと希望があったけど、、、こっちは反対...続きを読む
  • 「利他」とは何か
    他社への関りはとても難しい。傍目に困っているように見えてもその人にとっては日常で、助けてもらう必要が無いと思っている必要もあります。
    せっかく助けてあげようと思ったのにと、どうしても善意を踏みにじられたような、恥ずかしい思いをさせられたような気になる事もあります。
    そんな他社への介在をどうやって考え...続きを読む
  • 「利他」とは何か
    利他という言葉を最近になってラジオで耳にし興味を持つようになりました。なんとなく自分よりも相手や周りのために尽くす意味合いかと思っていましたが、利他にも色々あるらしいです。
    本の内容は全体的に難しく感じましたが、利他について考える行為自体がとても大切な事なのだと感じた。何のための利他なのか、誰のため...続きを読む
  • 「利他」とは何か
    利他について、さまざまな専門家がさまざまな視点で。
    利他とは自分の中にあり、本能的なものというのが私の受け取り方。

    全体の内容とは関係がないが。
    ブルシットジョブという仕事があることには気づいていて、それが単語化されていることに驚いた。
  • 「利他」とは何か
    伊藤亜紗の「利他」についての概論が一番よかった。
    なぜ今、「利他」なのか、ということが、まず知りたかったので、ジャック・アタリの合理的利他主義や効果的利他主義についての説明がありがたかった。

    中島岳志のいう「利他」は合理的利他主義とは違い、湧き起こるものであること、親鸞のいう若松英輔の「利他」は民...続きを読む
  • 「利他」とは何か
    「利他」には常に裏鏡としての「利己」が見え隠れする。で、その実相に迫るためにはいくつもの回路があってー倫理、哲学、心理学、文学…ー本書はそのいくつかのレンズを与えてくれる。善悪とか美醜とか正義とか、周辺の概念を考える手前で考えておきたいテーマ。
  • 「利他」とは何か
    「うつわ」という言葉が響いてきました。分ける、対立するのでなく、うつわに入れて和える、和ませるという感覚でしょうか。「平和」の「和」ですね。

    本の中身とは直接関係ないですが、こんな研究ができる東工大は素敵だと感じました。
  • 鳥獣戯画/我が人生最悪の時
    鳥獣戯画の明恵上人だけの話であるかと思っていたら、私小説も入っていた。
     小説の中で芥川賞受賞と書いてあったのでわかった次第である。終の棲家での受賞である。
     赤ずきんちゃん気をつけてという小説があったが、これは、都心の高校生及び大学生の恋愛を語った私小説である。アニメにしても面白いのかもしれない。