小澤實のレビュー一覧

  • 芭蕉の風景 下

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    「芭蕉の風景(下)」(小澤 實)を読んだ。
(芭蕉忌に間に合った)
    
芭蕉の吟行をなぞり、芭蕉と同じ土地で句を詠み続けた俳人小澤實のライフワーク。
    
いよいよ舞台が奥の細道から芭蕉最後の旅まで。
    
お気に入りを一句だけ引く
    
しら露もこぼさぬ萩のうねり哉  芭蕉
    
著者の詠んだ中からも一句
    
秋日和みづくさ水の意に添ひぬ  實
    
ところで、
    
暑き日を海にいれたり最上川  芭蕉
    
という句の、暑き日は「熱き太陽」のことだとずっとイメージしていたのだけれど、「暑かった一日」を海に流し込むという捉え方もあるとは目から鱗である。
    
さらにこの、
    
蚤虱馬の尿(ばり)する枕もと  芭蕉
    
は、私が高校

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    2023年10月10日
  • 芭蕉の風景 上

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    「芭蕉の風景(上)」(小澤 實)を読んだ。
    
芭蕉の吟行をなぞり、芭蕉と同じ土地で句を詠み続けた俳人小澤實のライフワークだそうだ。

    いやこれは並々ならぬ力作だな。
    
ともすると急ぎ流れてしまいがちなのをグッと踏みとどまって芭蕉の句の深さを噛みしめる。
    
しかしまあ俳句の世界は、ありとあらゆる古典への造詣の深さを駆使してこそなところをがあるのをあらためて思い知らされる。
本歌取りとかはその最たるものだが。
    
そういったものを含めて噛み砕いて説明してくれてあるのが嬉しい。
これは本当に名著だと思う。
    
お気に入りを一句引く
    
ほとゝぎす消行方や島一つ  芭蕉
    
著者の詠んだ中からも一句
    
ひろふ

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    2023年09月28日
  • 近現代詩歌

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    網羅性がとても高いという点で、私のような詩歌初心者にぴったりの内容。勿論「汚れちまった悲しみ」なんかもあります。
    自由律俳句も収録されているが、大好きな尾崎放哉が入っていないのが残念。

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    2016年11月05日
  • 俳句のはじまる場所 実力俳人への道

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    自分には難しいなと感じるところもあるのですが、句作に行き詰った時、よくこの本を開いています。開くたびに、新たな発見があり読み入ってしまいます。

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    2014年07月22日
  • 近現代俳句

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    俳句は、その句だけを見て好きなように感じればいい、とは思っているんです
    でも、この本のようにその句の背景などを併せて説明してくれると、やっぱり句そのものの見方も変わってきてより面白く読めるんですよね
    素人の自分でも(素人の自分だからこそ)俳句をより楽しめるようになる事がたくさん書かれていて、大変ためになる一冊でした

    句の背景以外にも、知れて助かったポイントをいくつか

    ・口語訳

    あとがきによると、句に口語訳を添えるのは無粋だ、なんて意見もあるようです
    でも正直助かる(笑
    口語訳で句の意味を知って、そして改めて句を見直すと、感じ方もまた変わってきます


    ・前書

    たとえば次の句

    『枯野は

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    2025年05月30日
  • 俳句の海に潜る

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    俳句は反人間中心主義で生死の境界が曖昧になるアニミズムを励起し脳内の古代人的思考回路を回復させると語る。中沢新一は後期ハイデガーに生物学を配合したような説を文学の皮を被せて唱えていてハマると面白い。俵万智はダメ出しされてる。そら豆=クリトリス説など独自の思いつきは流石。

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    2019年01月24日
  • 俳句の海に潜る

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    兜太は肌にあわない。だからほとんど読んでいない。中沢新一に私淑しています。そういうとらえ方があるのか、と納得させる論法、「いま、兜太は」でも読んでみるか、蜂飼耳が読みたいし。 

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    2017年05月25日
  • 近現代俳句

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    近現代の俳句をざっと一渡り読めると思い、手に取りました。まず、出だしが正岡子規ではなく、井月であるところが面白いです。井月を知らなかったのですが、「落栗の座を定めるや窪溜り」など好きな句が見つかりました。

    次に、1人5句なので、50人を一冊にまとめることができています。でも5句で1人の俳人をとらえられるか。それは疑問で、10句にしてはどうか、と思ってしまいます。多分10句でも物足りなくなるのでしょう。100句のシリーズ本が別の出版社から出ていて(解説者は別。カバーする俳人も異なる)、物足りなければ、そちらを読むということになるでしょう。

    やはりこの本の特長は、それ迄に読んだことのない俳人に

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    2025年06月07日
  • 近現代詩歌

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    日本の現代詩のだいたいのところを読んでみようと思って、これが手っ取り早いかなと思って読んでみた。
    明治から平成までの詩を池澤夏樹、短歌を穂村弘、俳句を小澤實という人たちがそれぞれ選んでいる。
    短歌と俳句は関心がないのでナナメ読み。

    詩は島崎藤村から入沢康夫まで41人。
    一人につき1つか2の詩。

    金子光晴と中野重治しか印象に残らなかった。

    現代詩は、田村隆一、谷川雁、大岡信、荒川洋治、谷川俊太郎 とか、名前を聞いたことがある人たちの詩をたぶんはじめて読んだけれども、よくわからなかった。

    といってあわてる必要もない。
    そのうちわかるようになるかも。

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    2020年07月12日
  • 名句の所以 近現代俳句をじっくり読む 澤俳句叢書第二十四篇

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    以前、日記の代わりに毎日違う季語を入れて3年ほど句作してみたが、とてもこの句集に載せられているような句を成すことはできなかったとあらためて実感させられた。
    読んだときの音のつながりだとか、使用する字の印象など、とてもそんなところまでは考えて句を作ることはできなかった。俳句は奥が深い。

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    2018年11月22日
  • 近現代詩歌

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    近現代の詩・短歌・俳句の選集
    詩は、何編か気になって心に残るものがありました。
    短歌と俳句は難しくて、読み飛ばしてしまいました。
    短歌・俳句はどうも合わない気がします。

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    2018年09月23日
  • 俳句のはじまる場所 実力俳人への道

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    美容院でこの本を読んでいて、寺山修司の句に再会しました。
    『目つむりていても吾を統ぶ五月の鷹
     林檎の木ゆさぶりやまず逢ひたきとき』
    頭にいっぱいカーラーを巻いたまま、書を捨てて駆け出したくなりました。

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    2009年10月04日