小澤實のレビュー一覧
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「芭蕉の風景(下)」(小澤 實)を読んだ。 (芭蕉忌に間に合った)
芭蕉の吟行をなぞり、芭蕉と同じ土地で句を詠み続けた俳人小澤實のライフワーク。
いよいよ舞台が奥の細道から芭蕉最後の旅まで。
お気に入りを一句だけ引く
しら露もこぼさぬ萩のうねり哉 芭蕉
著者の詠んだ中からも一句
秋日和みづくさ水の意に添ひぬ 實
ところで、
暑き日を海にいれたり最上川 芭蕉
という句の、暑き日は「熱き太陽」のことだとずっとイメージしていたのだけれど、「暑かった一日」を海に流し込むという捉え方もあるとは目から鱗である。
さらにこの、
蚤虱馬の尿(ばり)する枕もと 芭蕉
は、私が高校 -
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「芭蕉の風景(上)」(小澤 實)を読んだ。
芭蕉の吟行をなぞり、芭蕉と同じ土地で句を詠み続けた俳人小澤實のライフワークだそうだ。
いやこれは並々ならぬ力作だな。
ともすると急ぎ流れてしまいがちなのをグッと踏みとどまって芭蕉の句の深さを噛みしめる。
しかしまあ俳句の世界は、ありとあらゆる古典への造詣の深さを駆使してこそなところをがあるのをあらためて思い知らされる。 本歌取りとかはその最たるものだが。
そういったものを含めて噛み砕いて説明してくれてあるのが嬉しい。 これは本当に名著だと思う。
お気に入りを一句引く
ほとゝぎす消行方や島一つ 芭蕉
著者の詠んだ中からも一句
ひろふ -
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俳句は、その句だけを見て好きなように感じればいい、とは思っているんです
でも、この本のようにその句の背景などを併せて説明してくれると、やっぱり句そのものの見方も変わってきてより面白く読めるんですよね
素人の自分でも(素人の自分だからこそ)俳句をより楽しめるようになる事がたくさん書かれていて、大変ためになる一冊でした
句の背景以外にも、知れて助かったポイントをいくつか
・口語訳
あとがきによると、句に口語訳を添えるのは無粋だ、なんて意見もあるようです
でも正直助かる(笑
口語訳で句の意味を知って、そして改めて句を見直すと、感じ方もまた変わってきます
・前書
たとえば次の句
『枯野は -
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近現代の俳句をざっと一渡り読めると思い、手に取りました。まず、出だしが正岡子規ではなく、井月であるところが面白いです。井月を知らなかったのですが、「落栗の座を定めるや窪溜り」など好きな句が見つかりました。
次に、1人5句なので、50人を一冊にまとめることができています。でも5句で1人の俳人をとらえられるか。それは疑問で、10句にしてはどうか、と思ってしまいます。多分10句でも物足りなくなるのでしょう。100句のシリーズ本が別の出版社から出ていて(解説者は別。カバーする俳人も異なる)、物足りなければ、そちらを読むということになるでしょう。
やはりこの本の特長は、それ迄に読んだことのない俳人に -
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日本の現代詩のだいたいのところを読んでみようと思って、これが手っ取り早いかなと思って読んでみた。
明治から平成までの詩を池澤夏樹、短歌を穂村弘、俳句を小澤實という人たちがそれぞれ選んでいる。
短歌と俳句は関心がないのでナナメ読み。
詩は島崎藤村から入沢康夫まで41人。
一人につき1つか2の詩。
金子光晴と中野重治しか印象に残らなかった。
現代詩は、田村隆一、谷川雁、大岡信、荒川洋治、谷川俊太郎 とか、名前を聞いたことがある人たちの詩をたぶんはじめて読んだけれども、よくわからなかった。
といってあわてる必要もない。
そのうちわかるようになるかも。