ボーイミーツガールを想起させる甘酸っぱいタイトルと裏腹に、物語はハイバーテック社による【ラザロ計画】の核心へと迫るサスペンスの様相を呈していく。今作は巻き込まれ型主人公の成長譚としても楽しめるし、序盤から張り巡らせた伏線をきっちり回収するプロットの妙も味わえる。しかし、初読でこの特異な世界観を読解するのは至難の業だろう。ロマンス要素は味付け程度ゆえ、邦題のミスマッチ感は拭えぬまま。この手の作風を好む本来の読者層に届く機会を逸している気がしなくもない。常時眠りの浅い私は、夢見心地よりも熟眠が恋しい限りです。