島田明宏のレビュー一覧
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実業家の堂林の所有馬が次々と故障。
競馬新聞記者の小林がそんな堂林が所有する馬、ジュメロのデビュー戦に遭遇。
小林の前で惨敗に終わったジュメロ、そして故障が発覚。サラブレッドに合ってはならない脚の怪我だ。安楽死?しかし、ジュメロを生んだ牧場主の宇佐美が買い戻す。
奇跡が起こる。
ジュメロが復活した。しかし、ここから不可解に物語が進んでゆく。
ジュメロの厩舎番のミサがジュメロは2頭いると言い出し、先輩記者の沢村の死、そんな沢村から届いた郵便物。
堂林を探れと書かれた資料、サラブレッドが生み出す大金に…
ある者は騙し、ある者は騙され、公安も動き出す。
一気に読んだ。 -
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「ぼくも、たくさんの人が自分に期待しているのはわかっています。だけど、その誰よりも僕自身が僕に期待している。「他人の期待」より「自分の期待」を強く持つ!」
はぁ~こんなセリフ言ってみたい。同世代といえば元阪神三羽烏の金本の兄貴に矢野さんに下さん。それにやはり何と言っても武豊さんなんだと思う。最近の小説家というかコラムを中心に書いているルポライター的な方に凄味を感じるところがある。小説家さんにしても進化というよりも深化なのだろうが、ルポライターさんの深化はそれよりもすごい!
好きな方で言えばdancyuなどでお馴染みの中原一歩さん。先日も偶然お会いできたのだが、dancyuを購入すると真っ先に彼の名前を探している。それと本作
「決断 誰も書かなかった武豊」
の島田明宏さん。武豊研究家じゃないのか?と思うくらいに細かなところまで描かれている深層心理の誰も到達できない場所にいるように感じてしまう。今年で人生半世紀!同級生の天才ジョッキーの活躍をますます期待しています。そして自分の活躍を期待する武さんがいます! -
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明日6月1日はダービー・デー。
今年で第92回だが、第100回を観るまでは生きるのが当面の目標。
久し振りにこの作者さんの競馬ミステリー、6冊目。
作者さんも色々と調べていると思われるが、血統にハマり出すと沼から抜け出せないだろうね。“サラ系”を扱った前々作「ノン・サラブレッド」も興味深かったが、本作もまたなかなかニッチなところから始まるものだ。
今回は、青森県にあった日本で初の民間洋式牧場に導入された種牡馬の血統を継ぐトナミローザという3歳牝馬を巡るお話。
「ダービーパラドックス」や「ノン・サラブレッド」にも登場した競馬記者の小林が同僚・高橋とともに東京と青森・北海道を行き来しながら陣営の思惑を探る。
歴史の狭間に埋もれた偉人・廣澤安任や、少年時代を三沢に暮らし記念館も残る寺山修司のことも織り交ぜながら語られる話は、実際に作者さんが辿った道筋と思われ、今回もまた興味深い。
寺山の報知のコラムを集めた「競馬場で逢おう」をまた読みたくなったなあ(BOOKOFFにて入荷待ち)。
物語はと言えば、平地のGⅠ勝った後に障害のGⅠを目指すなんて話はファンタジーに過ぎて、あまり語る言葉を持たず。
オジュウチョウサンが開成山特別に出た時は皆注目したし、有馬記念のファン投票も盛り上がったが、逆のケースはどうなんだろうか。
フローラSやローズS、エリ女を勝つような馬に中山大障害を走らせようとは、いかにオーナーブリーダーが描く血統のロマンとは言え、なんか間尺に合わないような。
とは言え、障害から平地へという下剋上的な話は手垢がついているようにも思うし、話としてはこっちのほうがハラハラするのかも。
確かにレースの場面には結構手に汗を握らされ、それになり面白く読んだのだな。今回もまた、大甘で★4つ。 -
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競馬において、ファンは予想というよりも夢想、妄想し、そこに競馬の面白さを感じるという側面がある。
また、ほかの本のレビューでも書いたが、競馬の面白さとして、馬が人の思いを乗せて走ることにある、と書いた。人の思いを乗せて描かれる物語が、その馬の血統とも言える。
本書においては、一頭の、なんと平地と障害の二刀流を目指すという馬の、ある一頭の祖先馬から、受け継がれてきた血脈、即ち人の思いや、馬と絡み合う縁が実にファンタジックな妄想力でもって、魅力的に、またミステリアスに描かれていて実に面白く、読み応えがある。
馬に乗せる、馬に絡む人の思い、馬に見る妄想、そうした競馬の面白さを描いた素晴らしい小説でした。 -
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島田明宏さんの競馬ミステリー、4冊目。
少し前の淑子さんのラジオ番組で、作者がこの本のことを喋っていたのを聴いたが、周辺情報として聞いておいて良かったな。
明治時代に主にオーストラリアから輸入された”サラ系”についてはヒカルイマイをきっかけにして知ってはいたが、改めて勉強になった。
なるほど、8代かけ続ければサラブレッドになると言ってもそれは母系でつながる話で、サラ系の種牡馬をかければその仔はサラ系でしかなければ、そりゃあサラ系の種牡馬をかけようという人はいないよな。あれほど強かったヒカルイマイでも如何ともし難し…。
1970年代と2020年代の2つの時代に分かれて話が進むが、2020年代に小林が調べていく過程は、作者が3年前のグリーンチャンネルの特番のために実際に調べ回ったことも反映されているようで、ワカタカの血統書が浦河の馬事資料館にあるもの本当の話のようだし、その番組を見ていない私には色々と興味深い。
1970年代のホーリーシャークの話を浅いながらも上手いこと作り上げて、実際の調査と結び付けて出来た話は、このシリーズとしては初めてまずまず良かったように思う。
ということで、大甘だが★4つ。 -
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あっという間に読んでしまった。
天才というキャッチコピーが似合う人、武豊。
けれど、今の彼になるまでの道のりは楽なもんじゃなかったんだな~
ひょうひょうとやってのけるイメージがあったけれど、人が見ていないところでしっかりと自分を追い込んで努力していたんだ。
そして、常に昨日の武豊を越えようという気持ちがある。騎乗依頼があれば、地方競馬だろうと関係なく乗りにいくし、仏米の競馬に本格的に滞在して参戦したり、英国、香港、ドバイの国際レースでも勝ったり、日本では前人未到の記録をいくつも作ったりと、とんでもない人物に思えるけれど、目の前のことをしっかりと追及してきた結果なんだなと思った。
年初では、何勝しようとか目標は決めずに、目の前のことを一つ一つクリアしていく。そうすれば、想像できないような自分になっている。
武豊本人が、自分自身に一番期待している。
自分もそうでありたいと思うとともに、年間200勝していたころの武豊をもう一度みたいと思った。 -
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競馬界の至宝武豊がどのように形成されてきたのかを自身の騎手人生とともに振り返っている一冊。
いい馬に乗っていい結果を出す。デビュー当初の小栗キャップやスーパークリークを代表とする馬で発揮した天才的な天性の才能と飽くなき探求心で海外に遠征して培った技術で競馬界の至宝として君臨する武豊。
様々な名馬とのエピソードもよかったですし、自身が2001年にフランスに遠征した時のエピソードも書かれています。
実際に有力なエージェントから声がかかっていたのに結果破談してしまったことは初めて知りました。
2010年の落馬事故から成績が低迷していましたが、その際に東日本大震災について、被災者の方と触れ合った際に気持ちを引き締めなおしたエピソードは心に残りました。
本書を読んで、ここ20年くらいの競馬界には常に先頭に武豊がいるということが実感できたと同時に改めて
偉大さ、そして凄さを感じる事が出来ました。
本当に今後の活躍が楽しみになりました。 -
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競馬ライターである著者が書いた記者である主人公が一頭の馬に魅せられ競馬界で起こる事故を追った競馬ミステリー。
競馬界に携わる著者でしか書けない描写の細かさには感嘆しました。
小林、沢村といった記者や堂林や絢香といった馬を持つオーナー、門田や河原といった警官、山野美沙や宇佐美などの競馬関係者などそれぞれのキャラクターも立っていて面白かったです。
物語の核心となる部分はホースマンの想いとそれを実現するためのトリックが交錯していて読み応えもありました。
核心に迫るところの緊迫感やラストのレースシーンは手に汗握るものもありました。
ただ謎の残る部分も多くあったり、前半の惹き込まれたところから後半の展開が雑だったのは残念でした。
競馬ファンなら楽しく読めると感じた作品でした。