あらすじ
北海道は羊蹄山の東、支笏湖に連なる山間で競走馬を生産する風死狩牧場。起業に失敗した祐介はそこで働き始める。サラブレッドとの触れ合いに感動しながら、閉鎖された地での生活に不自然さも覚える。やがて次々と変死、失踪事件が発生。ヒグマか、怨恨か、謎が深まる。開拓時代の歴史を縦糸に、現代競馬の最先端事情を横糸に編まれゆく、人と馬との系譜。息もつかせぬ急展開、圧巻の競馬ミステリー。
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Posted by ブクログ
ダービー馬を育成する牧場にて、立て続けに従業員が死んでいく。藤木祐介はジョッキーの平井啓一と共に、事の真相を追うのだが……。
予想外の展開が続いたが、結末には釈然としない。
牧場とその一族によってあれだけの被害者が出ているのに、告発も通報もしないのだから。
Posted by ブクログ
島田明宏さんの競馬ミステリー、2冊目。
今回は、北海道は羊蹄山の近くにある生産育成牧場が舞台。
東京で仕事に失敗した佑介がそこで働くことになり、サラブレッドとの触れ合いに心洗われていくのだが、一方、人里から隔離された敷地の中では変死や失踪事件が次々と起こり…というお話。
オーナーブリーダーのことやサラブレッドの生産・育成について丁寧に描写され、競馬を知らない人でも十分に入っていけるのは前作と同様。
そうしたことも含めて前半はまあまあの展開で、巻頭に置かれた開拓時代の惨劇とどう結びつくのかもあって興味をつなぐのだが、しかし、明かされた真相や設定がなんとも陳腐な感じを否めず。
競馬ファンとしては、こういうジャンルがなくならないように、とりあえず買って読むけれど、なかなかこれはというのが出ないよねぇ…。