ロイス・マクマスター・ビジョルドのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
生まれながらにして身体的なハンディを背負うマイルズ・ネイスミス・ヴォルコシガンは、惑星バラヤーの貴族の一人息子。軍隊への入隊試験に失格し、絶望を味わう彼でしたが、ひょんなことをきっかけに戦乱渦巻くタウ・ヴェルデ星系へ。幼少のころからのボディーガード、ボサリ軍曹とその愛娘エレーナに加え、道中で出会ったパイロットや脱走兵を従えて前進するマイルズ。その前に立ちはだかる難局の数々。抜き差しならぬ状況を打開すべく、一同を指揮するマイルズは、無事、故郷のバラヤーへ帰ることができるのか!?
本作の主人公マイルズは、前述のとおり、身体的なハンディキャップを背負っています。背が低く、ときに「ショーティ」や「ミュータント」と揶揄される彼は、一見すると、魅力的な人物ではありません。しかし、卓越した指揮能力と父親譲りの威厳を兼ね備えたマイルズの姿を慕う人物は後を絶たないようで、あれよあれよのうちに、多くの仲間を従えることになります。そんなマイルズのサクセス・ストーリーと思いきや、エレーナへの実らぬ恋など、マイルズに同情する場面もしばしば。
そんな、いわゆるオーソドックスな(?)スペース・オペラといえるで本書ですが、描かれるのは、手に汗握る苛烈な戦闘描写や突飛な軍事兵器…ではもちろんございません。マイルズがみせる苦悩と奮闘、ボサリ軍曹とエレーナのドラマ…人物の造形に焦点をあてた本書は、魅力たっぷりな物語なのです。
さて、読み終えるまで、著者が女性だとは気がつきませんでした。今から思うと、エレーナの力強さや人工子宮のくだりに「女性作家らしさ」が見出せるところ。…まあ、後だしジャンケンに過ぎませんが(笑)