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惑星バラヤーの貴族の嫡子として生まれながら、身体的ハンデを背負って育ったマイルズ。17歳になり帝国軍士官学校の入試に臨んだ彼だったが、生来のハンデと自分の不注意のために試験に失敗、一切の希望が奪われたかに思われた。だが彼のむこうみずな性格が思わぬ道を切り拓く。ふとしたことから、身分を隠して大宇宙へ乗り出すことになったのだ。頼れるものは自らの知略だけ。しかし、さすがにマイルズも予期してはいなかった……この自分が、戦乱のタウ・ヴェルデ星系の真っ只中で実戦を指揮することになろうとは……! ユーモアと冒険の大人気スペースオペラ、ヴォルコシガン・シリーズ第1弾。
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Posted by ブクログ
マイルズ君登場!!ロイス・マクマスター・ビジョルド はストーリーテラーとして最高だと思います。
シリーズ物で毎回あれよあれよと物語が進んでいきます。大河ドラマかもしれません。
あれもだめ、これもだめな主人公とてんでんバラバラな周辺の人物たち。もしかしたら、これはコメディなのかもしれません。
不屈の精神とちょっとした幸運で自らの運命を勝ち取るマイルズ君。これはジュブナイル小説なのかもしれません。
私はクローンのマーク君の行く末が気になっています。
しばらく続編(和訳)が出ていませんが、ファンタジー小説ばかり翻訳していないで、こっちも早く出してくださいよ〜!!
Posted by ブクログ
一度では覚えられない
名前のビジョルド。
今やSF界の巨匠である彼女の
初期作にして傑作。
ヒューゴー賞長編小説部門4回受賞。
この記録はロバート・A・ハインラインに並ぶ。
さらにファンタジーでミソピーイク賞一般文芸部門受賞。
4回目のヒューゴー賞長編部門受賞。
まさにSF界のビッグネーム。
舌を噛みそうな名前。
ロイス・マクマスター・ビジョルド。
その彼女が結婚後、
執筆活動に復帰したのは30代のころ。
この「戦士志願」は
最初に書き上げた3冊の本のうちの1冊であり、
出版までには相当の苦労があった。
しかし。そんなエピソードは物ともしない。
読み出すと止まらない中毒性は、
この「ヴォルコシガン・サガ」がもつ
独特の魅力ゆえだ。
主人公である
マイルズ・ネイスミス・ヴォルコシガンが個性的だ。
惑星バラヤー首相の
一人息子という貴族の血筋に生まれながら、
生まれながらにして、腰が曲がり、
骨が折れやすいというハンディをもつ。
しかし、頭脳明晰、克己心も強い。
このマイルズの登場作が、
「戦士志願」だ。
物語はまさにジェットコースターストーリー。
冒頭、マイルズが
バラヤー帝国軍の士官候補生選別試験で
体力テストに挑む場面から始まる。
そして、この体力テストで
マイルズ自身が反省する、
ばかげた自意識が出て
壁から飛び降り、両足を骨折。
失格となるところから始まる。
主人公のいきなりの挫折。
その後、マイルズは
ボディガードであるボサリと
彼の娘であり、思いを寄せるエレーナとともに
マイルズの祖母がいるベータへと
ある目的をもって旅立つ。
ところが次々に予想外の展開が起こり、
マイルズとボサリ、エレーナは
旧式の貨物船に乗り、
戦乱渦巻くタウ・ヴェルデ星雲へと
向かうことになる。
そして、抜き差しならない状況下で、
マイルズは実戦を指揮することになっていく。
波乱万丈、驚天動地、
息も付かせぬ展開は
ストーリーテリングの名手と呼ばれる
ビジョルドらしい。
しかし、この物語を
もっとも輝かせているのは、
肉体的ハンディによるコンプレックス、
生まれ育ちの良さから来る品格、
そして、かけひきのうまさ
という複雑な性質をもった
マイルズという主人公の魅力だ。
マイルズはその頭脳を駆使し、
変化に振り回され、
真剣に悩みながら、解決の糸口を探す。
肉体的な戦いではなく、
心理的な戦いが、宇宙で繰り広げられる。
どんどん物語に引き込まれていき、
気がつくと読む者は
マイルズとともに
ワームホール・ネクサス、
星系間の即時ジャンプが可能となった
ワームホールが存在する宇宙空間へと誘われる。
ロマンス、ミステリ、
ユーモア、テクノロジー、
ファンタジー、ヒューマン…
多彩な側面をきらめかせて。
マイルズの物語はここに始まった。
Posted by ブクログ
生まれつき骨の異常というハンディキャップを抱えた17歳の少年、マイルズ・ネイスミス・ヴォルコシガンが活躍するスペース・オペラ。作者による2作目の長編だが、以後続く「ヴォルコシガン・サガ」の実質的な主役となるマイルズが初登場するという意味では実質的なシリーズのスタートにあたる作品といえる。ヴォルコシガン・サガのシリーズは20作以上に上ることからも人気の作品であることが窺えるが、SF的に興味を惹く表現は特になく、戦闘描写にもワクワクするものがあるわけでもない。それではなぜ人気があるのかといえば、それはひとえに作者が描く登場人物たちの心の機微・変化に魅力があるからであろう。本作は、マイルズが入学を熱望していた帝国軍士官学校の入試に落ち意気消沈するも、あるきっかけから宇宙に飛び出し、やがて傭兵部隊を率いていく過程を描いているが、その要所要所でリーダーとしての決断を下す際や周辺人物との関係で思い悩むマイルズの心理が克明に描写されている。このあたりには女性作家ならではの魅力が感じられる。
しかし、リーダー論という視点からは『エンダーのゲーム』に見劣りするし、壮大なスペースオペラという点でもアシモフの『ファウンデーション』シリーズと比較すると面白味に欠けるように思われ、何より全体に漂うファンタジーの雰囲気が自分には合わなかった。先述のようにSFとして興味深い表現があるわけでもないので、本作はSFというよりもSFという舞台装置を使ったファンタジー小説という趣が強いように思われた。また、本作の趣旨にかかわるところであるが、マイルズがなぜそこまで軍人として戦いたいという想いを持っているのか、その動機が最後まで分からず物語にノれなかったのが残念であった。物語が展開を見せていく後半には多少の面白味はあったものの、宇宙船を手にいれるまでのくだりがかなり退屈に感じられたところも、なかなか読み進められなかった要因と思う。
Posted by ブクログ
SFの割には多様な要素が織り込まれており、話にメリハリがある。最初の話からするとクライマックスの展開は意外だが、最後はきれいにまとめてタイトルにふさわしい終わり方になっている。
女性作家らしい心理描写もあるし、女性作家の割には科学的な描写も多いのは著者の生育背景故か。ただ、階級社会でデキた君主に忠実な臣下。貴族的な、少々もったいぶった?言動。性善説な展開で、悪役は当然いるが心底嫌悪するレベルの人物は登場しない。若干ご都合主義的な気もするし。といった感じは腐女子が好きそうなプロットだなぁと思う。
主人公が本音を口にせず飲み込んでいる場面と、胃が痛いよぅ~が繰り返し書かれているのが個人的にはおもしろいと思った。言葉を選んで伝える、ものは言いよう、というのは上に立つものの努めだよね、確かに。
一連の物語の2冊目らしいが、物語上の年月の経過と出版順が一致していないようなので、次はどれを読もうか迷うところである。
Posted by ブクログ
久方ぶりの読み返し。本編のラストシーンをもう一度よみたくて読み返した。
中世騎士道か江戸時代を模した社会構造をもつヴォルの世界の中の異端の主人公のサーガ。ノブレス・オブリージュと家族の思いを背負って、身体的ハンディキャップを克服して成長し活躍していく姿が描かれている。
舞台設定(武器・宇宙船・生命医学)が荒唐無稽でグロテスクだが精密にかかれており、筆者の作った世界に染まれる。
この小説の魅力は歴史の流れに翻弄されながらも、精一杯生きて次の世代につなげようとする人々の営みが大河ドラマの様にビビッドに描かれていることだろう。加えて、グロテスクで容赦がない欲望を行使する人々も登場する。こちらも現実世界に存在するものだ。キャラだちまくっている登場人物達を見事にまとめて、現実の写し絵としての一つの世界を鮮やかに描ききった作者に脱帽する。
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小説・文芸
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