あらすじ
惑星バラヤーの貴族の嫡子として生まれながら、身体的ハンデを背負って育ったマイルズ。17歳になり帝国軍士官学校の入試に臨んだ彼だったが、生来のハンデと自分の不注意のために試験に失敗、一切の希望が奪われたかに思われた。だが彼のむこうみずな性格が思わぬ道を切り拓く。ふとしたことから、身分を隠して大宇宙へ乗り出すことになったのだ。頼れるものは自らの知略だけ。しかし、さすがにマイルズも予期してはいなかった……この自分が、戦乱のタウ・ヴェルデ星系の真っ只中で実戦を指揮することになろうとは……! ユーモアと冒険の大人気スペースオペラ、ヴォルコシガン・シリーズ第1弾。
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Posted by ブクログ
『貴族に生まれながら、仕官学校に入学できなかった少年が傭兵隊長にまで成りあがるまでの話。』その成りあがり方が痛快です。最初は旧式の貨物船を入手しただけですが、その船が傭兵に襲われてしまいます。そして事件を解決するために自分が傭兵の特殊部隊の大物だという嘘をつきます。そうこうしているうちに嘘が嘘を呼び、引くに引けなくなって本当の傭兵を率いて戦ってしまう。そしてもっと大事に・・・。その雪だるま式ストーリー展開がとてもたのしめました。(現在このシリーズは8冊翻訳されています。)
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主人公が壮大なハッタリwと口八丁手八丁で傭兵団を組織していく過程や、上手くいったと思ったらピンチに陥ったりと、緩急のついた物語が抜群に面白い!
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マイルズ君登場!!ロイス・マクマスター・ビジョルド はストーリーテラーとして最高だと思います。
シリーズ物で毎回あれよあれよと物語が進んでいきます。大河ドラマかもしれません。
あれもだめ、これもだめな主人公とてんでんバラバラな周辺の人物たち。もしかしたら、これはコメディなのかもしれません。
不屈の精神とちょっとした幸運で自らの運命を勝ち取るマイルズ君。これはジュブナイル小説なのかもしれません。
私はクローンのマーク君の行く末が気になっています。
しばらく続編(和訳)が出ていませんが、ファンタジー小説ばかり翻訳していないで、こっちも早く出してくださいよ〜!!
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今一番追いかけている作家。ビジョルド。先天性の奇形のため病弱なマイルズが、口先三寸で宇宙を渡っていく話。シリーズ物です。「無限の境界」中編集ですが、これも一押し。
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これぞ無鉄砲な少年の冒険活劇! はらはらのわくわくのドキドキで、すんげぇ面白かった! 骨の発育不全な貴族の少年が、ちょいと傷心旅行に出かけたらあれよあれよと云う間にとんだ『わらしべ長者』に(笑) 世界観が『自由軌道』と同じなのがなお嬉しい♪
Posted by ブクログ
冒険活劇SFとしての面白さもありつつ、より重きを置かれているのは貴族としての立場や指揮をする者の責任や孤独だ。
そういう意味ではエンダーのゲームに近い部分があるかもしれない。
主人公が障害者であるという設定がキャラクターの内面のねじれを作っていて、所謂なヒーロー造形になっていない。美人幼馴染との関係もほろ苦い。全員が皆完全に納得する展開にしない所もリアリティがある。
著者は女性だが、男性のキャラクターに対してもリアルに心理描写をしている所が素晴らしい。
SFとしての新しいアイデアは無いけれど、人間描写から世界観までよく考えられた作品。
Posted by ブクログ
SFの割には多様な要素が織り込まれており、話にメリハリがある。最初の話からするとクライマックスの展開は意外だが、最後はきれいにまとめてタイトルにふさわしい終わり方になっている。
女性作家らしい心理描写もあるし、女性作家の割には科学的な描写も多いのは著者の生育背景故か。ただ、階級社会でデキた君主に忠実な臣下。貴族的な、少々もったいぶった?言動。性善説な展開で、悪役は当然いるが心底嫌悪するレベルの人物は登場しない。若干ご都合主義的な気もするし。といった感じは腐女子が好きそうなプロットだなぁと思う。
主人公が本音を口にせず飲み込んでいる場面と、胃が痛いよぅ~が繰り返し書かれているのが個人的にはおもしろいと思った。言葉を選んで伝える、ものは言いよう、というのは上に立つものの努めだよね、確かに。
一連の物語の2冊目らしいが、物語上の年月の経過と出版順が一致していないようなので、次はどれを読もうか迷うところである。
Posted by ブクログ
久方ぶりの読み返し。本編のラストシーンをもう一度よみたくて読み返した。
中世騎士道か江戸時代を模した社会構造をもつヴォルの世界の中の異端の主人公のサーガ。ノブレス・オブリージュと家族の思いを背負って、身体的ハンディキャップを克服して成長し活躍していく姿が描かれている。
舞台設定(武器・宇宙船・生命医学)が荒唐無稽でグロテスクだが精密にかかれており、筆者の作った世界に染まれる。
この小説の魅力は歴史の流れに翻弄されながらも、精一杯生きて次の世代につなげようとする人々の営みが大河ドラマの様にビビッドに描かれていることだろう。加えて、グロテスクで容赦がない欲望を行使する人々も登場する。こちらも現実世界に存在するものだ。キャラだちまくっている登場人物達を見事にまとめて、現実の写し絵としての一つの世界を鮮やかに描ききった作者に脱帽する。
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DSのSFゲーム、「無限航路」の推薦図書として挙げられていたので読みました。一人の少年がひょんなことから宇宙船の艦長となり、冒険や陰謀に巻き込まれていく……というジュブナイル小説としてはベタな感じですが、主人公の設定が特殊(障害を持っていたり交渉術が一番の武器だったり)なので他との差別化は充分です。
女性作家さんがこの手の男の子を主人公に小説を書くと本当にもう容赦なく苦境に陥れてくれるので、個人的にはドキドキなんですがその分、飽きがこないかと思います。
Posted by ブクログ
主人公のキャラクターが良いんですよね〜。障害を極端に疎む国で障害を持って生まれ育ったが故のひねくれたところと、両親に愛情を注がれて育ったが故のまっすぐさ。偉大なる父親へのコンプレックスと純粋な愛情。相反する要素が絡み合って複雑で魅力的な若者です。すごく賢い(というか頭が回る。口も)のだけども、弱いところもあったりするのがまた良いのです。
Posted by ブクログ
女性作家ビジョルドによる、フィクションではあっても論理性が必要なSFというジャンルならではの“リアル”な物語。世界を包む枠組は壮大で、展開も小気味よく楽しいのに、個人個人の感情や現実は決して都合よくは展開しない。身体的ハンデを負った、けれど優秀な「戦士志願」の主人公を始め、「どうにもならない」ことを抱えて生きる人物たちには共感できる。読みやすくも読み応えのある作品。
Posted by ブクログ
マイルズは士官学校の入試に失敗。傷心の心をいやすため祖母の星にむかったのだが…!口先三寸で世間をわたっていくマイルズがタフです。自分の弱点を武器にするところなどしたたか。読んでて彼の活躍にワクワクします。
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読みにくくないし展開も悪くないんだが、なんかイマイチ刺さって来ない。盛り上がりがないからか。
隙間時間で切れ切れ読んだせいか、結局何でこうなったのかよく判らなかったし、中のエピソードも要らんのちゃう、と思うなのもあって。
なんか、シリーズものの一冊だったのね。
続けて読む気はしないわ。
Posted by ブクログ
生まれながらにして身体的なハンディを背負うマイルズ・ネイスミス・ヴォルコシガンは、惑星バラヤーの貴族の一人息子。軍隊への入隊試験に失格し、絶望を味わう彼でしたが、ひょんなことをきっかけに戦乱渦巻くタウ・ヴェルデ星系へ。幼少のころからのボディーガード、ボサリ軍曹とその愛娘エレーナに加え、道中で出会ったパイロットや脱走兵を従えて前進するマイルズ。その前に立ちはだかる難局の数々。抜き差しならぬ状況を打開すべく、一同を指揮するマイルズは、無事、故郷のバラヤーへ帰ることができるのか!?
本作の主人公マイルズは、前述のとおり、身体的なハンディキャップを背負っています。背が低く、ときに「ショーティ」や「ミュータント」と揶揄される彼は、一見すると、魅力的な人物ではありません。しかし、卓越した指揮能力と父親譲りの威厳を兼ね備えたマイルズの姿を慕う人物は後を絶たないようで、あれよあれよのうちに、多くの仲間を従えることになります。そんなマイルズのサクセス・ストーリーと思いきや、エレーナへの実らぬ恋など、マイルズに同情する場面もしばしば。
そんな、いわゆるオーソドックスな(?)スペース・オペラといえるで本書ですが、描かれるのは、手に汗握る苛烈な戦闘描写や突飛な軍事兵器…ではもちろんございません。マイルズがみせる苦悩と奮闘、ボサリ軍曹とエレーナのドラマ…人物の造形に焦点をあてた本書は、魅力たっぷりな物語なのです。
さて、読み終えるまで、著者が女性だとは気がつきませんでした。今から思うと、エレーナの力強さや人工子宮のくだりに「女性作家らしさ」が見出せるところ。…まあ、後だしジャンケンに過ぎませんが(笑)