浦久俊彦のレビュー一覧
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善き
リストの生涯についてとても詳しく、また作者の主観が強すぎる事もなく、とても読みやすい。
リストを知りたい方へおススメできる一冊
タイトルが奇を衒っているように感じるが、コレがリストのイメージなのかもしれない。それを覆すだけの内容がここには在る。
リストに関する本は絶版を除くと1冊しかないそうだ。
若き日々はスキャンダルも喜んで起こし名声を得て、且つ見えない努力も凄まじい。恋愛にも溺れ生まれた子供を自分より早く亡くしてしまったり、最後まで天才ショパンを尊敬し一つの祖国ポーランドへの愛国も示す。
ワイマールの宮廷楽長、聖職者と知られざる一面も記されていてとても面白かった!
師匠ツェルニー -
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~あらすじ~
フランツリスト。当時は、民衆の間で圧倒的な人気を誇り、西洋音楽史に名を残す最強のピアニストでありながら、日本ではほとんどその人生について知られていない。そんな彼の苦悩や野望、恋などを、ショパンなど彼の周りの人物や手紙のやり取りなどから考察していく。
~感想~
リストという人物は、単なる超絶技巧の持ち主であったというだけではなく、その内面には、当時の音楽家の誰よりも過去と未来の音楽に対する愛と希望が溢れていたのである。
また彼は、どんな難曲も引きこなせる天才でありながら、恋に悩んだり、たくさんの弟子を教えたりと、とても人間らしく一途で、男らしい人物だったということが伝わって -
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日本人によって書かれた唯一のパガニーニ評伝ということで貴重な本である。
私がこれまでに目にしたことがある日本人によるパガニーニ伝と言えば、2002年に出版された石井宏氏による「誰がヴァイオリンを殺したか」の「第三章 "悪魔のヴァイオリン弾き"パガニーニ」くらいであった。同書の65ページ分を使って書かれたパガニーニの生涯は魅力的でとても興味深いものだったが、本書でもパガニーニの物語の面白さはうまく引き出されている。著者が学者ではなく、文筆家だったのが功を奏したのであろう。非常に読みやすい文章も好感が持てる。
今まで私が読んできたヴァイオリンの本や、クラシック音楽関係の本の -
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ネタバレ【要旨】
「リベラルアーツ」という言葉を聞いて、一般的には大学の「一般教養」や「リベラルアーツ学科」と言うように、「教育」と結び付けられることが多い。しかし、著者は言う。リベラルアーツに教科書はない、と。
これからの時代は「答えのない時代」だと言われる。そのような時代を、生きるのに値する時代にしていくためには、知識偏重の教育ではなく、分野の枠に囚われず互いの領域をつないでいく力が必要だ。
それを養っていく力になるのがまさにリベラルアーツ。すなわち人生を「遊ぶ」こと。異なる文化に触れる、そして読書を通して時空を超えた旅をすること。そして、それにより自分自身の生きる世界の地図を描くことである。 -
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この本からはリストの内面や音楽的な意義などはよく分からないが、今まで知らなかったリストの生涯や人柄について知ることができた。説明不足の文章や構成の散漫な点はご愛敬かもしれない。音楽理論的な本ではなく、気楽に読む本だから。
リストは最強のピアニストということがよく分かった。とにかく凄い人である。その利他主義的な人柄や空前絶後のバイタリティーはびっくりだ。初見でどんな曲でも弾いたというし、残された超絶技巧の曲も凄い。リサイタルというものを開拓し、人気はすさまじかったというし、その収益から学校、音楽関係の施設、孤児院などへの寄付は莫大だったというし、来る者は拒まずで、レッスンは無料、若い音楽家たちを -
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本書冒頭から触れていますが、「リベラルアーツ」とは何を意味する言葉なのか?まずは、言葉の意味から認識合わせをしています。
私自身「リベラルアーツ」とは、「教養」という意味で漠然と捉えていました。
本書で、言葉の由来、本来言葉生まれた時に定義されていた意味について学ぶことができます。
「リベラルアーツを知る」「リベラルアーツを遊ぶ」「リベラルアーツを活かす」の三部構成になっております。
この構成で著者は、未来に向かって何を指針として生きていけばいいのかを提起しており、それは「遊び」続けることであるとしています。この遊び続けるために身につけるべきものがリベラルアーツであるとおっしゃります。遊ぶとい -
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ネタバレ【宇宙という音楽】
原始大気の振動=音楽
→宇宙の誕生を探る手がかり
宇宙マイクロ波背景放射
ゆらぎ を捉えることができる
ヒッグス素粒子 神の素粒子
観測データが音符に変換 ヒッグ粒子ミュージック
古代インドのナーダ・ブラフマー
「世界は音である」
老子 人籟・地籟・天籟らい
荘子 「詩は人の心を語るもの、書は昔の事蹟を語るもの、礼は人の実践を語るもの、楽は世界の調和を語るもの」
琉球の三線 天・地・人
インド ラーガ
古代ギリシア ハルモニア
音楽療法士ピュタゴラス
音楽学者ケプラー 『宇宙の調和』
【神という音楽】
グレゴリオ聖歌
【政治という音楽】
礼記 「声音の道、政 -
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こちらの本は日本人とベートーヴェンの関係
を主体に書かれています。
なぜ年末になると「第九」があちこちで演奏
と共に歌われるのか。これはいつ頃から定着
した風習なのか。
明治の開国から西洋の文化がドッと日本に入
ってきた時、そもそもクラッシック音楽とは
どのような位置付けであったのか。
から始まり、その中でベートーヴェンの扱い
について分かり易く解説されています。
あの、苦虫を噛み潰したような肖像画や、「
ベートーヴェン」という呼び方まで、日本人
にとっての共通認識の歴史を学べる一冊です。
森鴎外による「交響曲」という言葉が生まれ
る明治12年に、初めてオペラ歌劇団が日本に
来日して -
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ネタバレリストの曲はよく聴くし、リストが史上最強のピアニストであることも、女性にモテまくっていたこともよく知っていたのだが、この本を読んで、私はリストについて何も知らなかったことを思い知らされた。
10代に鬱病を患っていたこと、「リサイタル」を発明したこと、聖職者になることに憧れていたこと…。リストについての印象が大きく変わった。
またピアノが19世紀のヨーロッパにおいて、経済を支える重要な商品であり産業であったことも知らなかった。リストのことだけでなく、リストの音楽の受け手であった、当時のヨーロッパの人々の息づかいまで浮かび上がってくるような本だった。 -
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パガニーニって言葉が クラシック曲のいろんなところにでてくるけど なに?と思っているくらいの人にもピッタリ。(実際わたしがそう)そしてよむと まずパガニーニが聞きたくなる。
本を読むのが苦手な人にも読みやすい文章。
パガニーニの人生を負いながら、この時代の背景や、イタリア半島事情 バイオリンのこと多岐にわたってわかり易く描かれているので、音楽初心者にうってつけ。
守銭奴、色魔、など書かれているわりには、その事に関して詳細がないので、真っ黒な服着た不気味な不健康な人、しかイメージがわかない。
少し違和感があったのは パガニーニがすぐれた事故演出の興行師のような書かれ方だけど、個人としての働